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俺の名前は赤葦京治。
もうすぐクリスマス。
クリスマスと言えば大切な人と過ごす年間行事の中でもかなり重要。
さて、今年は誰と過ごそうかな…
最初に誘ってきたのは以外にも木兎さん。
なんと1ヶ月も前から予定あけとけって言われちゃった…♡
木兎さんとはお付き合いしてもうすぐ5ヶ月。
木兎さんは手に入れたら満足なタイプかと思ってたんだけど普通に大事にされてしまってる。
もちろん嬉しいんだけどね。
ほっとかれてたら黒尾さんに乗り換えるつもりだったけど木兎さんの愛は本物みたい。
次に誘われたのは黒尾さんで、俺の誕生日にプレゼント渡したいからって呼び出された時に予定を聞かれたんだ。
木兎さんと付き合ってること知りながらもまだ俺のこと諦めてないなんて本当に可愛い人。
その次に月島がクリスマスの2週間前くらいに24日か25日会えませんかってメールで来た。
控えめなお誘いの割にはイブとクリスマスどっちも予定聞いてくるところが月島らしいよね。
僕が東京まで行くので…!って電話でも言ってた。
本人は気づいてないだろうけど必死さが丸見えで庇護欲が掻き立てられる。
最後に誘ってきたのは研磨でクリスマス3日前。
お誘いっていうか「会いたい」っていうおねだりだったけど。
俺の予定なんてお構い無しで断られないって自信たっぷりなのが研磨らしくて好き。
こんな感じで4人から誘われてるわけだけど誰も断るつもりない。
時間をずらすか何とかして全員と会うつもり。
だって俺のために予定空けて待ってるって考えたらもう最高じゃない?
1つ問題は俺の財布事情。
出かければお金はかかるし月島あたりはきっとプレゼントくれるからお返しも用意しないとだしってことでお金が足りない。
黒尾さんとかはスマートに奢ってくれそうだけどさすがに貢がせる趣味はないからな。
ってことで俺は名案をひらめいた。
みんなで会えばいいんだ!
早速おれは全員にメールした。
次の日。
木兎さんの機嫌が悪いのは概ね予想通り。
だって恋人の自分以外の誘いにも応じでみんなで会うという方法をとられたなんて…
嫉妬してくれるに違いない。
「なぁ、やっぱり赤葦ってまだ黒尾のこと好きなの?」
「何言ってるんですか。俺は木兎さんのものでしょう?」
「でもクリスマス 黒尾も呼んだじゃん。」
「月島と研磨も来ます。」
その顔最高ですよ、木兎さん。
もっと心配して。
あなたの赤葦が他の人に取られちゃうかもって。
「あ、木葉さんだ。」
機嫌の悪いままの木兎さんを残して木葉さんに声をかける。
「木葉さん、クリスマス空いてます?良かったら…」
何も知らない木葉さんはしょうがねぇな〜、たまたま予定入ってなかったからな!と応じてくれた。
木葉さんも優良物件ですからね。
そろそろ少しずつ意識してってもらわないと。
木兎さんの視線を痛いほど感じる。
本当、わかりやすくて木兎さんのそういうところ大好きですよ。
「そんな不貞腐れた顔しないでください、木兎さん。」
「別にそんな顔してねーし。」
拗ねた木兎さんの耳元でとっておきを囁いてあげる。
「クリスマスイブの夜は俺の恋人のために空けてあるんですけどね…」
俯いていた木兎さんが顔を上げた。
「マジ!?」
「ええ、もちろん。」
「赤葦 大好き!!」
すっかり機嫌の治った木兎さんは体育館へと駆け出して行った。
プレゼントは一人一つ用意してプレゼント回し的な感じにする予定だから1つでいいし、
場所は俺の家で、ケーキ代は6人で割り勘。
これはかなり出費を押えられたのでは…?
ちなみに当日のケーキは月島が率先して引き受けてくれた。
美味しいケーキ屋さん知ってるからって確かショートケーキ好きって言ってたもんな。
あとはクリスマスを待つのみ。
12月25日。
今朝は良い子のみんなが枕元を探っていることだろう。
この歳にもなればそんなことはしないし生憎サンタは旅行で家を空けている。
俺が家に友達を呼ぶといったら気を使ってくれた。
…ん?
スマホで今の正時間を確認しようと手を伸ばしたらコツンと指先に何かが当たった。
綺麗にラッピングされた箱だ。
よく見ると見慣れた字で『あかーしへ!!』と書かれているではないか。
上半身を起こしてその箱を手に取ってみた。
思ったより軽い。
「赤葦、おはよ。赤葦はいい子にしてたからサンタさん来たみたいだね。」
にこにことそう言ってきたのは隣で寝ている木兎さん。
「おはようございます。…これ開けていいですか?」
「もちろん。」
慎重に包装紙を剥がすと出てきたのは
「ネックレス…?」
シンプルなデザインのネックレスだった。
「実は俺とお揃いでね、なんとくっつくんです!」
見事なドヤ顔でカバンから出した木兎さんの分のネックレスを見せられた。
「綺麗ですね…ありがとうございます。」
「どういたしまして!」
「木兎さん、これつけてくれませんか。」
ネックレスを渡すと器用に留め金を外して俺の首に回した。
「出来たよ。うん、すっげー似合ってる。」
「本当ですか?木兎さんの俺がつけたいです。」
同じように俺も木兎さんにネックレスをつけた。
「木兎さんも似合ってますよ。」
「恋人って感じでいいな、これ!」
「でもいいんですか?俺 プレゼントとか何も用意してないですけど…」
やはり恋人には別で用意すべきだっただろうか。
「いいの!赤葦には昨日色々してもらったし!赤葦頑張ったもんな!」
「はい、大変でしたよ。木兎さんの課題手伝うの。」
……To be continued