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僕はまた頭が真っ白になった。今朝玄関であった優しい目の男の子が僕の家の玄関先に立っている…?どうしてだ?何かしたかな…?。いや、用があるのは僕じゃない可能性の方が高い気がする!母さんか父さんのどっちかに用があるに違いないよきっと…!いや、偶然にも出来すぎていないか?…。考えることを諦めた僕は優しい目の男の子にそっと聞く「あ、あの…どうしたんですか…?」僕たちがいる玄関には夕日が集中していてどこよりもオレンジ色で明るかった。まるで舞台の上でスポットライトを浴びているような感覚に陥る。
前を見ると、優しい目をした男の子の顔が見える。今朝と同じように、優しい目で僕に微笑んでいる。男の子はゆっくり口を開け、「急に来てごめんね?話したいことが会って…」優しい目をした男の子はこっちを見つめ微笑んでいる。母さんたちの話を今出してない時点で僕に用があることは確定している…。本当に何かしてしまったのではないかと僕は恐る恐る口を開いた、「ぼ、僕…何かあなたにしてしまったでしょうか…。」言い終わると僕は一本下がり頭を下げた。僕は必死に目を閉じて男の子の次の言葉を待つ、それでも目に力を入れてしまったせいで目を薄ら開けると、昨晩降った時の水溜まりが空の夕日を反射して写っている。僕は、思った。「下を見ているのに、上が見える、しかも今度は自分も一緒に写っている…」そんなことを考えていて、気が付けば頭に優しく手が置かれていた。その手はゆっくりと左右に揺れ、僕の頭を撫でていた。
「急なんだけど、僕と**「友達になろう!」**」
僕はその時、涙が流れてきて、止まらなくなっていた。どうして…どうして僕は…なんで、なんで、僕は今まで、ずっと一人で…一人でも、大丈夫なのに…大丈夫なはずなのに…!僕の頭の中はぐちゃぐちゃになった。今まで抑えていた思いが考える暇もなく頭に流れてきて、ただ涙だけが流れて、さっきまで頭を撫でていた男の子の手はいつの間にか泣いている僕ごと抱きしめられていた。今まで感じたことの無い感情、思い、感覚が混ざってどんどん僕の頭の中をぐちゃぐちゃにしていく。嬉しいのかも悲しいのかも何も分からない、ただただ、優しい目をした男の子の温もりに涙が止まらなかった。一生懸命手で流れ出てくる涙を拭っていると、男の子がハンカチをくれた。
やっと涙が止まった。どのくらい泣いたんだろう。足元の水溜まりは水位をましていて、あたりの空は薄暗く、太陽が沈みかけていた。僕は、震える声で男の子に話し出した、「本当に…僕で、僕なんかが…君の友達になって、い、いいんですか…?」僕の話を優しい目をした男の子は頷きながら真剣に聞いてくれた。優しい目をした男の子は言った「君と友達になりたくてここまで来たんだ、君だからここまで来たんだよ…!」嬉しいそうにはしゃぎながら、でも真剣に僕の目を見て話してくれた。「ありがとう…本当に…」僕は今もまだ震え続けている声で男の子に言った。
男の子は嬉しそうに微笑んで僕に…「僕、西山蓮。これからよろしくね!君は僕の高校生活最初の友達だよ!」男の子は言った。嬉しそうに喜んでいるのを見て僕も涙を拭い、咳払いを小さくして続ける。「僕は、竹内蒼。友達になってくれてありがとう!君は僕の初めての友達だよ…!」そう言うと、「蒼って呼んでいい?」楽しそうに聞いて来た。「うん…そう呼んでくれる人は滅多にいないんだ…!ぜひそう呼んで!」僕は言う。その頃にはもう、声も治っていた。気がつくと太陽の少し見えているオレンジ色の光が僕たちを照らしていた。西山くんは、辺りを見回して少し焦っていた。それなのに僕の方に向き直り笑顔で言った。「また明日な蒼!」嬉しそうに走っていく西山くんの背中に向かって僕も…「うん!また明日!」僕は戸締りをし、急ぎ足で夕食、入浴を終わらせて布団に転がった。あまりの嬉しさに今までのこと全部がどうでも良くなった。明日、目覚めるのが楽しみで仕方なかった。