テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
死んだ友達から届く”未送信メッセージ”
夜になると、スマホが震える。
通知音は、
あの子が生きていた頃に使っていた音。
名前を見ただけで、
胸が少しだけ遅れて痛くなる。
──もう、いないはずなのに。
恐る恐る開くと、
メッセージは送信されていない。
下書き。
いつも、下書き。
「ごめん」
「まだ」
「だいじょう」
途中で止まった言葉たちが、
まるで呼吸を忘れたみたいに画面に並んでいる。
最初は怖かった。
でも回数を重ねるうちに、
私はそれを待つようになった。
夜が来るのが、
少しだけ楽しみになってしまった。
だって、 下書きの中だけで、
あの子はまだ“途中”で生きているから。
ある夜、通知が三つ続けて届いた。
「ほんとは」
「こわかっ」
「でも」
心臓が、ぎゅっと縮む。
続きを、
勝手に想像してしまいそうになるのを
必死で止める。
その次の下書きは、今までと違った。
一文字ずつ、ゆっくり増えていく。
「優」
「優樹」
「優樹菜」
私の名前。
打って、消して、また打った跡が残っている。
送信ボタンは、最後まで押されていない。
画面を撫でる指が、震える。
ねえ。
呼ぶだけで、終わりなの?
その先は、どこに行ったの?
返信欄を開く。
何を書けばいいか分からなくて、何も打てない。
その瞬間、
下書きが一つ、増えた。
「ごめんね」
それきり、通知は来なくなった。
スマホの中には、 未送信の言葉と、
送れなかった想いだけが残っている。
私は今日も夜を待つ。
もう届かないと分かっていても。
だって、 あの子が最後まで言えなかった言葉を、
私だけは、
忘れちゃいけない気がするから。
コメント
6件
はい長文考察えぐコメになると思うので先に謝っときます🙏🏻💧 主人公ちゃんと、 そのメールの持ち主の子は喧嘩してたのかな、それとも何かが起きて、気まずい関係になっちゃったのかな。 メールの持ち主ちゃんは、虐められていて、でも助けが呼べなくて。信頼している主人公ちゃんにも、助けてって言えなかったのかな。 それでもう耐えられなくなって… って思いました…!!!!まじの長文ごめん🙇♂️🙇♂️🙇♂️
解説(簡単に) 死者が未送信の言葉を残し、 生者がそれを受信し続けることで、 どちらも前に進めなくなる物語。