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「よっ、みんな!」
「おい、遅いぞぉ、リード!」
今日は、久しぶりのクラン活動日だ。それも、普通の活動ではなく遠征らしい。
「よし、みんな揃ったな!じゃあ、行くぞ!」
そうみんなに声をかけて、先頭で馬貸出厩に歩くのは、俺の所属しているクラン〈紅蓮の鳳凰鳥〉の創設者、つまりリーダーのリグだ。
リグは慣れた手付きで馬の上に跨ると、リグに続いて他のみんなも借りた馬に乗り始めた。
俺も急いで馬に乗ろうとしたが、急ぎすぎて俺だけ地面に落ちてしまった。
「大丈夫か、リード。先に行ったりしないから落ち着いて馬に乗ってくれ。怪我されたら困るからね。」
俺はなんとか馬に乗って安定すると、待っていたみんなにお礼を言い、先頭はリグ、最後尾はホテアデスという形で、皆一斉に馬を歩き出させた。
「リグさぁん、今日って、どこに遠征するんですか?」
俺は集団の中程のところで馬を歩かせていたために、先頭にいるリグに声を大きくして話しかけないといけない。
「あれ、言ってなかったか?」
「聞いてません。」
みんなもうんうん、と頷いている。
「今回は、あの有名な『冥界の主柱』があるシーソック山の麓のサガーク渓谷の中にある3大絶景街ランキング一位になった、セグラル自然渓谷村への遠征だよ」
「あ、そこ知ってる!」
真っ先に反応したのは技師のフェレールだった。
「渓谷の中に巨大な村があって、渓谷ではないけどあの有名な映画、風の谷の◯ウシカみたいなファンタジックな光景が話題になって、ランクインしたんだよね!」
「フェレールの言う通りもの凄く光景はきれいだけど、冥界の主柱が問題なんだよねぇ。」
セサが突然、暗そうに発言した。
「セグラル自然渓谷村は、昔から天変地異に襲われているんだ。その都度そこの村人たちは復興したわけだけど。
ただ、その天変地異に村が襲われる直前に、毎回冥界の支柱が光り出して村人が一人行方不明になるんだよ。
だからこそ、セグラル自然渓谷村は呪われた村ともいわれているんだ」
「うわぁ、怖」
「まあ、何も起きないことを願うだけだね」
さっきから何も発言していないリグを見ると、呪われた村と言われていることは知らなかったらしく、汗をダラダラとかいて、目を泳がせていたのだった。