『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
第7頁 それぞれの戦い。
私は部活の為、学校の和室を訪れていた。
『やっぱり着物で生け花するとインスピレーションが湧くなぁ。』
『すごく綺麗ですよ!花澄先輩!』
『ふふ、ありがとう。みんなも可愛いよ。』
『きゃー!』
『ところで花澄先輩、明日からデートなんですよね?』
ブスッ!
つい手元が狂い、変なとこに花を刺してしまう。
『な、な、なんで知って…』
『え?学校で今持ち切りですよ?花澄先輩が1年生のロノ君バスティン君、3年生のベリアン先輩に告白されて交代でデートするって。』
『……それ、誰から聞いたの?』
『え?ルカス先輩です。』
『ルカス…っ。』
私は立ち上がり和室を出る。
『こらぁルカスー!!』
と、叫びながら廊下を走る。
『花澄先輩…怒ってたね。』
『うん…。』
ガラッ!
『おや、花澄さん。どうしましたか?血相変えて。化学室に御用ですか?あ、着物姿似合ってますよ♪』
『ルカスみんなに話したでしょ。私があの3人と交代でデートするって。』
『えぇ。』
『なんで言うのよ!あらぬ誤解をうむでしょ!私が誑かしてるみたいな!』
『ふふ、そんなことありませんよ。私があくまで噂を流したのは士気をあげるためですから。』
『士気?』
『はい。周りからの応援があった方があの3人も燃えるかなと。』
『な、なるほど…?って、納得してないから!全く…。』
『ふふ、そんな怒らないでください。』
ルカスは私をあやす。
『(●`^´●)』
『あ、そうです。お詫びにこれあげます。』
『これは?』
『たい焼きです。あんこがぎっしり詰まってますよ。』
『…頂きます。』
(花澄さんはあんこに弱いなぁ。)
一方その頃。
『明日のトップバッターは俺か…あー。緊張してきたなぁ。』
『大丈夫ですよ、ロノさんなら!』
『そうだぞ、あんだけ服選びも頑張ったんだし。』
『ロノらしくいけば大丈夫だって。』
『そう…か。そうだよな!俺、明日頑張る!』
『その意気っす!』
一方バスティンは…。
『お前にはこの服が似合うと思うぞ。』
『こっちも合うんじゃない?』
『この猫の……』
『ハウレスは選ぶな。センス壊滅的野郎。』
『(´._.`)シュン』
『まぁまぁ。バスティン、まずは試着してみたら?』
『あぁ。』
『着心地いいな。』
『お前は緑が似合うからな。この帽子も合わせてみろ。』
『あぁ。』
『次はこっちも着てみて。』
『ありがとう。』
『どうだろうか。』
『うん、かっこいい。』
『そしたらこれとこれを買う。そしたら…ハウレスさんが選んでくれた猫のネックレスも買おう。』
『バスティン…』
『良かったな、ハウレス。』
一方その頃。
『ベリアン、君は背丈が高いからこういうキリッとしたのが似合うと思うよ。』
『そうだね。ピシッとしていて且つゆったり、動きやすい方がいい。』
『こっちもベリアンらしくていいと思うよ。』
『ありがとうございます。2人とも…。』
『ふふ、気にしないで。上手くいくといいね。』
こうして、4人はそれぞれの休日を過ごし――ついに、月曜日。
次回
第8頁 いつもとは違う雰囲気で。
コメント
3件
主ちゃんあんこ好きなの!?僕と一緒じゃん!