テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「君も分かっているが、私は賭け事も、薬も売春も嫌いだ、武器こそ何よりも美しく、大金を生み出してくれる」
「昨日届いたのか?」
「今朝だよ、少し入荷が遅れてきている、部品はそろったが、まだ完成品は少ない、コイツのすごい所は入る時は針穴ぐらいなのに、出る時はびっくりするほど大きく肉をえぐってくれるんだ、そしてとんでもなく静かだ」
洞窟の壁に貼り付けてある的に向かってジャスティンが三発撃ち込んだ、辺りはたちまち煙に包まれた、しばらくして煙が風で消えると、ハッキリと的にジャスティンの弾が命中していた、その的には三発とも寸分の狂いもなく、同じ個所に穴が開いていた
「Great!(すばらしい)」
チャックは賞賛の声で言った、ジーンと腕が痺れている・・・その手ごたえにジャスティン自身も感動していた、コイツはかなり良い
「来週末までにこの湖を通じて、ここにある六千丁のガン(拳銃)をウクライナに送る、それまでに全てのガンを点検して使えるようにしてくれ、連中は品質には日本人のように煩いからな、どんな不良品も見逃すな」
「必要な人員を集めた後、あんたに報告するよ」
「ああ・・・お前を信用しているよ」
チャックがまるで本当の父親にするように、ジャスティンの肩に優しく手を置いた
「妹さんのことは心配するな・・・治療費に必要な金額を提示してくれ、近いうちにお母さんと妹さんをこの街へ呼べばいい、高級住宅街のグーリーンホールの一軒屋が空き家であるからそこに住まわせてやりなさい。お母さんはもう命を削って働かなくてもいいし、妹さんには良い治療を受けさせてやれ、そして治ったら私立のお嬢様学校へ進学して、裕福な男と一緒になって子供も大学までやれる」
そして一呼吸してチャックが念を押す
「私はお前が『ファミリー』に入り、『筋金いり』になってくれるのを心から願っているんだ。ゼレンスキーの事は任せなさい。私がお前を本当の息子のようにどれほど愛しているかこれでわかってくれるかね?お前は新しい世代の人間だ、新しい時代には、暗黒街も新しいビジネスが流行るものだ」
ポンポンと二回ジャスティンの肩を優しく叩き、チャック・コンチネンタルは彼の率いるファミリーが司令部にしている書斎にまた戻って行った
ジャスティンはまだ熱く火照っている銃身の引き金を撫で・・・改めて実感していた、義務を果たした者が正当に報われる、法が及ばない暗黒の世界の中心に・・・自分の立ち位置があることを
.。 .:・.。. .。.:・
「うーん・・・次は、やっぱりカツカレーだよなぁ~」
竜馬はジャスティンの部屋で、学校の図書館から借りて来たレシピ本を、ペラペラめくりながら言った
「でもカツを揚げるのってハードルが高いなぁ~、えっとなになに?油を180度に熱し、180度ってどうやって計るんだ?」
ジャスティンがいないキッチンに立ち、まな板の上に竜馬が綺麗にパン粉を付けた、ポークロースを三枚並べている
「まぁいっか!あとはジャスティンが帰ってきたら揚げよう!母さんもそうしてたもんな、揚げたてが一番旨いんだ!」
竜馬は格子戸枠の窓を全開に開け・・・窓枠にジュリエットのように頬づえをついて月を見ながらつぶやいた
「ジャスティン早く帰ってこないかなぁ~」
秋もだんだん深まって
そよぐ風が冷たく感じる夜・・・
月だけが彼を見ていた
𝒩𝑜𝒶 𑁍𓏸𓈒
151
シャルル・アント
64
汐梨
71
321
コメント
1件
読み終えました。第159話、めちゃくちゃ印象的でした。 前半のジャスティンとチャックのシーン、銃の描写や「針穴ぐらいの入り口」の表現がすごく具体的で、暗黒街の空気がびりびり伝わってきました。あの「父親のように肩に手を置く」っていう仕草、めっちゃグッときましたね。裏の世界にも情はあるんだなって。 で、後半の竜馬にぶったまげましたよ…!まさかのカツカレー(笑)あの重厚な暴力シーンから一転して、「油の温度どうやって計るんだ?」ってレシピ本読んでる姿。この温度差、やばいです。月を見ながら「ジャスティン早く帰ってこないかなぁ~」って…もう、親友萌えが止まらない。この緩急の付け方、星キラリさん、冴えてますね。 この世界、どうなってるんだろう…続きが気になりすぎます!