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「 ロウ、これからも俺のこと頼むね 」
・・・
小柳side
それからマナは日に日に体調が悪くなっていった。
なにか原因があったのだろうか。
『 マナー大丈夫か?』
『 ほんと何があったんだよ 』
『 隠してるなら言え 』
『 俺のこと頼むって言ったのはマナだろ 』
「 ⋯ ごめん 」
「 俺、癌やねん 」
『 は、治療は?』
「 病院行った時、治療を選ばんかった 」
「 俺にはお金が無いからさ 」
お金が無かったら治療が出来ない?
お金が無かったら見向きもせずそのまま命を落とせというのか。
『 じゃあ俺がマナの代わりにもっと働くよ 』
「 いや、ええねん!」
「 俺はずっとロウと居たい 」
『 マナはそれでいいのかよ 』
「 うん、それがいいの!」
「 ⋯ ロウと少しの間でも離れたくない 」
『 あぁ、そうか 』
本当だったら、『 治療して俺ともっと長く生きよう 』
とか言うべきだったと思う。
けど、マナは「 ⋯ ロウと少しの間でも離れたくない 」
⋯ きっとそんなことを言って欲しいんじゃない気がした。
「 今まで沢山セックスしたな 」
「 おじいちゃんになるまで生きられたんなら、ロウとの赤ちゃん欲しかったなぁ 」
「 どんな子に産まれてくるんかな 」笑
「 ロウ似やったらその子も狼になれるかもな!」
『 そうかもな 』笑
こいつは俺との子を望んでくれるのか
俺にもそんなこと思ってくれる人がいたのか
・・・
その会話をして一週間後マナは眠るように亡くなった。
前半はマナの綺麗な字に後半はマナの歪んだ字が書かれていた遺書に
スイセン
コスモス
シオン
白いのカーネーション
彼岸花をいくつかまとめた花束が添えてあり
束にしてあった花は全て「 別れ 」を意味する花だった。
昔、家に置いてくれていた老女が花図鑑見せながら花言葉を教えてくれていたのがやっと使える日が来たかと思ったが、
その花言葉を敢えて知らないふりをした。
今すぐ後追いしたくなるから、哀しくて堪らなくなるから。
けど、マナに見せてやりたいこの世にだけ存在するモノが沢山あるから、まだ死ねない。
『 ごめんマナ、遠回りさせてもらうわ 』
・・・
・・・
・・・
『 随分世話になったからな 』
マナのお墓の前に座り、長いこと気持ちを話した。
モノクロに見えた世界に色のついた花束を置き、また新たな旅に出ることにした。
まだ話したいことが沢山あったが、空が暗くなり始めていたから。
『 人間は脆いんだな 』
⋯ end
とっとと終わらせた感半端なくてごめん なさい!とっとと終わらせました!
これからも私の作品をご愛読よろしくお願いします🙇🏼♀️
・
題名はロウくん目線です!
マナくんのお墓に添えた花。
覚えた花言葉の使える日が来たんですね。