注意
・誤字脱字
・語彙力は遥か彼方へ飛んでいきました。
・ご都合設定、捏造
・キャラ崩壊
・季節、時間軸は改変しました。
・原作ガン無視
・場地母=しのぶ
・だいぶ詰め込んだ
それでも良い方はゆっくりしていってね
ー場地母ー2005年10月29日
目を閉じ、手を合わせる。あの子を懐い出すと、浮かんでくるのは、あの子のはにかむ笑顔。線香の煙が漂い、鼻につく。微かに匂うのは、供えた花。リンドウ、白いアイリス、ピンクの百合。花言葉で選んだ花たち。リンドウの花言葉は、誠実、固有の価値。白いアイリスは、純粋、思いやり。ピンクの百合は、やさしさ、暖かさ。どれもあの子から連想される言葉だと思う。
目を開け、荷物を持ち、お墓の出口に向かう。こちらに向かってくる人物。花と小さな荷物を持っている。こちらに気づいて、微笑みかけてくる。自然と口角が上がる。あの子の宝物。あの子の愛しい子。
「お久しぶりです。おばさん」
「久しぶり、桔梗。」
あの子の愛息子、桔梗。最後に会ったのは、いつだろう。また、目の下の隈、濃くなったね。また、細くなったね。また、一段と白くなったね。思うだけで、言わない。言えない。この子の心に私は触れようとしてはいけない。その役目は、私じゃない。
あの子の心残りは、この子だけでしょうね。父親を失ったこの子に、ただひたすら愛情を注いだ。でも、多分、きっと、この子が欲しているのは、あの子の愛情じゃない。母親を愛していなかった訳じゃない。けど、この子は、満たされない。この子が、欲しているのは、アノコの愛。そうでなければ、いや、そうではないといけない。
私が気づいてることは、悟られてはいけない。あくまで、母の友として、親しいおばさんとして、一人の母として、接する。この行動を、私はしなければならない。それが私の役目だ。
「じゃあ、さようなら。おばあさん」
「ええ、またね。」
悟られないよう。気づかれないよう。最後まで、最後まで。…お墓から少し歩いたところ。1度止まる。私の役目が一段落したことに安堵、できなかった。
私は、最後、何て言った?
またね、またねと言った。言ってしまった!嗚呼、やってしまった。よりにもよって言った後にカレの目を見てしまった。問題なのは、見た事じゃない。言った事だ。カレの紅の瞳。鮮やかな紅なんかじゃない。あの紅は、血を被った紅、一瞬で染め上がってしまった。
…カレが持っていた花は、白い菊。白い菊の中に1本の黄色い百合。白い菊の花言葉は、真実。黄色い百合の花言葉は、偽り、?もしかして、私は、何か勘違いをしている?何か見落としている?何か、何を、何が、…あ、カレが、私の名前を呼ばなくなったのは、いつからだった?
風が吹く。少し冷たい風は、私の頬を撫でる。それが、心に重く、鋭いものを置いていったそんな気がした。
桔梗、あなたが欲しているものは⸺
アノコの愛(もの)ではないの?
2002年10月29日火曜日
母さんが死んだ。最近、体調が良くなかったけど、呆気なく死んだ。しのぶさんが来てくれた。他は、呼ばなかった。呼ぶ必要なんて無い。最近、体重がみるみる減って、軽くなってた母さんは、さらに軽くなって帰ってきた。涙は、出なかった。薄情な息子だと思う。ごめん、母さん。あなたのものじゃ僕は苦しいままだったよ。
アカシア…秘密の愛
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