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兄の結婚式が終わって意気揚々と、俊哉のアパートに向かった、やっと気が進まない実家の行事が終わった
ドアを開けると部屋の隅で荷造りしている彼がいた、ダンガリーのシャツを腕まくりして、腰までのジーンズからはロゴが入ったカルバンクラインのトランクスのゴムが見えている
私が誕生日にプレゼントしたトランクスだ、彼はブランド物のパンツなんか、初めて貰ったと喜んだ
私はその笑顔が大好きだ
私はそっと後ろから彼に抱き着いた
「あれ?・・・早かったね、もうお兄さんの結婚式は済んだのかい?」
優しく頭を撫でられた
「・・・・もう家には二度と戻らないわ、あなたと一緒に行く」
俊哉はじっと私を見つめた、彼の瞳がキラキラしている
「君は本当に・・・いいのかい?、こことは離れて僕の実家の近くの京都にいくんだよ?君はあっちに知り合いも誰もいないんだろ?」
「あなたがいればそれでいいの」
「リンリン・・・愛しているよ・・・」
彼は頭を傾けて私の唇をとらえ、ゆったりと甘い口づけをしてくれた、私は彼があだ名で「リンリン」と、呼んでくれるのが大好きだった
私たちは笑いながら、手をつないで最後の荷物を彼の軽自動車に乗せた
そしてその足で京都の市役所に婚姻届けを出し、焼き鳥屋でビールのジョッキをガコンと合わせてお祝いした
初めて行った居酒屋は煙くて、薄汚かったけど人々が醸し出すエネルギーに興奮し、美味しい焼き鳥を沢山食べた
「これからよろしく!奥さん」
彼が私に微笑んだ
私は素晴らしい人を見つけた
私は彼と新しい人生をスタートする
いつでも兄と比べられて一族の、落ちこぼれの櫻崎鈴子ではなく、素敵な旦那様の新妻(田村鈴子)として
そう
私は幸せになるんだ