愛しい彼女

・白黒

・ほのぼの

・ご本人様には何の関係もございません

・地雷さんご注意ください

白）ゆーうーくんっ

黒）わぷっ

白）ぎゅ〜っ

黒）…え、は？？

腕の中からシャンプーの良い香りがふわっと香る。「わぷっ」て何やろ、かわいいな。籠もった悠くんの声が少し下から聞こえた。

てん、てん、てん…と間があって、悠くんの耳が赤く染まる。

白）ふふ…悠くんかわいい

黒）か、かわいくないわ！！//

黒）急に抱き着くのやめろって言ってるやろ！！//

白）あー！逃げんとってやぁ！

僕の胸元をぐぐぐっと押し、離れようとする悠くん。物理的に力が強いのは悠くんなので押し負けそうになる。無理矢理引き戻す訳にもいかず、腕の力を緩める。…と。

黒）っ！

白）あっ

突然ぴんと張った長い髪。思わず悠くんの肩を抱き寄せた。突然だったせいか素直に体を引かれる悠くん。ぐっと距離が近くなる。

黒）…！？///

白）こら、逃げたらあかん

白）ごめんな、僕の服に引っ掛かったんやな

黒）…別に、こんなん千切ったらすぐ

白）あかんよ？？

黒）減るもんやないし

白）減るやろ

黒）っ…も、ええから離し、

白）”悠祐”

黒）……え、

大きな目を見開く悠くん。まぁそれもそうだろう。僕が彼の名前を呼び捨てにすることは滅多に無いのだ。抵抗する力が弱まったのを感じて、目を合わせる。悠くんが息を呑んだ。

白）せっかく綺麗な髪なのに、そんな簡単に切ったらだめやろ？

白）僕が外すからじっとしてて

黒）…でも、

白）だめ。大人しくしとって。

2回繰り返したのが効いたのか、渋々手を髪から離す。代わりに僕が手を伸ばした。絡まった毛を少しずつ解いていく。相変わらず綺麗な髪、と思った。

白）…悠くんの髪は綺麗やね

白）やっぱり丁寧にケアしてるからやろうなぁ

黒）せっかく伸ばすなら綺麗な方がええやん

白）悠くんのそういうとこ好きやわ

黒）…っ

黒）で、でも初兎、ショートの方が好きやん

白）悠くんの髪は別。

白）悠くんならどんな髪でも好きやけどな〜

黒）…長くても？

白）好き好き

白）だって悠くん似合うし。努力の結晶やん

黒）…ん、

こく、と小さく頷く。俯いていて表情は分からないけれど、赤くなっている気がする。

悠くんは照れ顔を見られるのを恥ずかしがるから。世界一かわいいのにねぇ。

白）はい、取れた

黒）おぉ、ありがと…

黒）…っぇ、

額の髪を払い軽いキスを落とす。ちゅっ、と音を鳴らして。悠くんの顔が真っ赤に染まったのを見て、思わずふは、と笑った。