この作品はいかがでしたか?
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「ナチ!大変なんだ!」
「どうしたんだよ」
「に、日帝が…」
「交通事故で意識不明の重体って…」
俺は何も言えなくなった。
昨日まで会話していた人が交通事故で意識不明…?
「日帝が…?」
俺は聞き返した。
「うん。今僕は病院向かってるんだけど…今そっちにソ連が向かってるはず…!だからソ連と一緒に病院に来て!!」
「わ、わかった…」
俺は電話を切った。
俺は今これが現実か夢か分からなくなった。
その瞬間家のインターホンが鳴る。
「あ、ソ連か?」
俺は玄関の扉を開けた。
「日帝の事…聞いたか?」
ソ連はいつもと変わらない様子で言った。
「ソ連…お前何でそんなに冷静なんだよ…」
俺はソ連に聞いた。
「だって…日帝は助かるかもわからない…こればかりは仕方ないんだ」
仕方ない?何だよそれ。
大事な奴が死んで仕方ないわけない。
「ソ連お前…!」
俺は言いかけた。
「こんな話してないで早く行くぞ」
ソ連は少し慌てたように言った。
行こうとした時、俺達の前に1台の車が停まった。
「お前は…!!」
俺は驚いて言う。
「アメリカ……」
ソ連がその名を呼ぶ。
「よぉソ連。……ナチ」
俺達2人の名をアメリカが呼んだ。
「お前ら…その様子だと日帝の事を知ってるな…?」
「あ、あぁ…」
俺は少し口ごもって言った。
「俺は今病院に向かってる途中。お前らも乗っていけ」
「じゃ、じゃあ…」
俺達はアメリカの車に乗り込んだ。
アメリカはいつも元気なはずなのに。
明るいはずなのに。
今日は何故か冷静で落ち着いている。
やはりいつも話している日帝が危険な状態だからだろうか。
アメリカは事情を話してくれた。
「日帝は任務を終えた朝方4:30頃。帰ろうと思い、道路に出た時に突っ込んできた車に惹かれた」
「重大なのはそこじゃない。日帝は頭に強い衝撃で車がぶつかった」
俺はさらに不安が増す。
そうこう話している内に病院に着いた。
「あっ…!ナチ!!」
病院の前にいたのはイタ王だった。
「イタ王……日帝は……」
「病室で寝かせてもらってるよ」
「状態はどうなんだ?」
少し不安そうにアメリカが言った。
やっぱり心配してるんだ。
「さっきと…変わらない…殆ど脈が…」
ソ連は舌打ちをした。
イタ王は涙目。
アメリカは顔を自分の肩の方に向けている。
俺は俯いた。
もう…会えないのか…?
最初に思った事はこれだった。
「とりあえず…行こっか…」
イタ王は涙を拭いて言った。
病室に行くとイギリスと日本、パラオがいた。
「アメリカさん…!ソ連さんも…!」
気づいたようにイギリスが言った。
日本は肩を震わせていた。
「ナチスさん…お久しぶりです…」
涙を流しながら日本は俺に言った。
パラオの目は涙が溢れていた。
そうだ。パラオは日帝が大好きで…憧れてて…何度世話になったかわからないくらい一緒にいた。
俺は横たわっている日帝を見た。
表情が苦しそうだった。
頭や手足に巻かれた包帯。
それを見ると涙が溢れた。
「日帝さん…任務行く前に会ったんです…元気だったのに…」
涙ながら日本はそう言った。
「ナイチ…!!会いたいよぉ!」
パラオは叫ぶばっかりだった。
ソ連は相変わらず少し悔しそうな顔。
アメリカは横たわっている日帝を見つめていた。
その目にはたった1粒の涙が浮かんでいた。
そうだ。アメリカだって悲しいんだ。
まだ死んではないけど殆ど脈が無いのだから。
少し目を逸らすイギリス。
日帝を悲しげに見つめるアメリカ。
悔しそうに俯くソ連。
涙目になっているイタ王。
手で涙を拭う日本。
ひたすら叫ぶパラオ。
顔が苦しげな日帝。
そして俺だ。
俺は立ちながら涙を流していた。
死なないでくれよ。
俺は必死にそう願った。
その日は帰った。
まだ日帝の行方がわからない。
けれど俺は4時間しか寝ていなかったから非常に眠たかった。
俺は目を閉じた。
それからまた耳元で鳴る携帯電話。
それはイタ王からだった。
そこからだった。
俺が失望してしまうのは。
コメント
8件
ダメだ…目から涙が止まらない…
あああぁ、、、スキッ、、、、、 かなしい、たすかれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!