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服を作るのに必要な材料を集めるために地上に舞い降りたナオトたち。
今は『イビルシープ』と戦っている者《もの》がほとんどだが、ノルマを達成した者《もの》はナオト(昼寝中)の元に集まっている。
「兄さーん! 見てくださいよー! こんなにたくさん」
「ツキネさん! 静かにしてください! ナオトさんたちが起きてしまいます!」
ナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)の頭から、ひょっこり顔を出したのはチエミ(体長十五センチほどの妖精)だった。
「あー、そうでしたか。すみません、気づかなくて」
ツキネ(スライム型モンスターチルドレン)はせっせと運んできた『イビルシープ』(気絶している)たちをナオトたちが捕獲した『イビルシープ』たちの周囲に置いた。
「いえ、私も先ほど来たばかりですから、大丈夫ですよ」
「そうですか。えーっと、みなさんが来るまで暇《ひま》になってしまいましたね」
「そうですね。みなさんが来るまで昼寝でもしましょう」
ナオトの両サイドにはミノリ(吸血鬼)とコユリ(本物の天使)がいる。
足元で寝てもいいが、できれば彼の心臓に近い場所で寝たい。
そんな欲求が彼女を突き動かした。
「じゃあ、失礼しまーす」
ツキネは自分から見て右側に移動すると、彼に抱きつくような形で横になった。
「あっ、兄さんの心臓の音……可愛い。トクン、トクンっていう音が私の心を癒していきますー」
「ナオトさんの髪の毛もいい感じですよ。ふわふわしてて」
「そうなんですか? あー、でも私じゃ、チエミさんのように兄さんの髪の毛を布団《ふとん》にできませんねー」
「そうですか? 体が小さいと結構、大変ですよ?」
「そう……かもしれませんね。私もたまに人型ではなく球状になりますから、なんとなく分かります」
「球状……ですか。それも結構、大変そうですね」
「そうなんですよー。しかも私、体のほとんどが液体なのでうっかりしてるとお風呂の時、お湯と一緒に流されそうになるんですー」
「あー、それは大変ですね。よく今日まで生きてこられましたね」
「まあ、気合いでなんとかできてるので、今のところは大丈夫なんですけどね」
「あははは、何ですかー? それー」
二人がそんなことを話していると、マナミ(茶髪ショートの獣人《ネコ》)がやってきた。
「あー! ズルイですー! 私もナオトさんと一緒にお昼寝したいですー!」
マナミはそう言いながら、自分から見て左側に移動した。
その後、彼に抱きつくような形で横になった。
「はにゃー、ナオトさんの体温が私の心を癒してくれますー」
マナミはそう言うと、スウスウと寝息を立て始めた。
「マナミさん、幸せそうな顔をしていますね」
「そうですねー。ナオトさんのとなりで昼寝できる機会なんて、めったにありませんから、余計に嬉しかったんでしょうね」
二人はマナミの寝顔をしばらく堪能した後、スウスウと寝息を立て始めた。