テラーノベル
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ベランダのテツを見て何とも言えない気持ちになった俺は空き缶を置きに外に出た
知ってるつもりでも知らない顔を見て胸が苦しくなる
いつもの笑っているテツの顔が浮かぶ…
絶対あいつ…なんかあったな…
一人で抱え込む癖のあるテツのことだから、今俺が何を言っても誤魔化されて終わりだろう
そんなことを考えて部屋に戻ると
「…………お前ら、ひとんちって分かってやってんのか?おい…」
カゲツとウェンは引っ付いてるし、マナはライにもたれて寝てる…
るべと小柳に関してはくっついたままゲーム三昧だ
「…なぁにぃ?リト、羨ましくなっちゃったぁ?」
ニヤニヤしながらウェンが言ってくる
「……うるせぇよ」
羨ましくないと言ったら噓にはなるが、どうにもできないのが現実で心のモヤモヤばかりが大きくなっていく
「あ、そんな可愛くない子にはいいこと教えてあげないよぉ?」
「……は?なんだよ?」
イラついた俺の目を見て、ニヤニヤしていたウェンの顔が一瞬真顔になった
「……テツ、なんか思いつめた顔して台所の方に行ったよ」
「……⁈」
「早くいってあげなよ?」
「…っ!言われなくてもっ!」
俺は急いでテツのいる場所へ向かった
「……行ってじゃなくて、言って…なんだけど、分かってないんだろうねぇ?」
そんなウェンの言葉は俺には聞こえてなかった
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台所に近づいたところで、何か声が聞こえる
「……れは、今一人なのに」
…なんだ?ひとり?なにが?
独り言なんだろう…聞いちゃいけない気もしたけど、何か聞けるかもという下心のような感じで思わず隠れて止まってしまう
いや、待て。ダメだろ、俺。
そんな心の葛藤と戦っていた時だった
………ズッ…
鼻をすするような音がした
……泣いてる?
そう思った時にはもう、テツにむかって声をかけていた
「………テツ?」
「……り、りとくんっっ!」
ビックリしたんだろう、後姿のテツが飛び跳ねていた
顔が見えないから泣いていたかもわからない
それでも、なんでもいい…今のテツを一人にできない
「…なんか、気のせいならいいんだけど…テツ、なんかあったか?」
なるべく優しく、話してもらいやすいように声をかける
「…な、なんにもないよ!水を飲みに来ただけだから!」
慌てたテツがこの場から逃げ出そうとしているのがわかった
俺の横を通り過ぎようとしているテツの顔を見て…泣いていたのがわかった
なんでだよ、俺にも言えないことか?
お前のその涙は…俺にはどうにもできないのか?
気が付いたら俺はテツの腕をつかんで抱き寄せていた
ふわりとテツのにおいがして、脳がバグった感じになる
あぁ…テツが俺の腕の中にいる…
慌てたテツが何か言ってジタバタしている
…離してなんかやんねぇよ?涙の理由がわかるまではな
だから…怖がらないで?………頼むから
「………なんで泣いてんだ?…俺ら、なんかしちゃったか?」
顔を見たらどうにかなっちまうと思う
怖がらせないよう、なるべく優しく声をかけた
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葛藤が葛藤で葛藤しすぎて段々大胆になってきてます
がんばれ!宇佐美君!