入道side
「完っ全にやらかした……」
プルルルル
休憩中に、俺のスマホがなった
画面を見ると、息子からだった
「どうした、なんかあったか?」
『……父さん』
画面越しで聞いた声は、とても暗かった
本当に何かあったのか……?
「話でも聞いてあげられる……」
『父さん、安倍明晴くんって知ってる?』
俺はその瞬間固まった
「し、知らないけど?」
『……そっか』
そう言い、電話が切られた
明晴side
『本当にすまねぇ……』
「ううん、僕は別にいいけど……」
僕はそういった
多分、反応的に入道くんと関わりがあることはバレたのだろう
だけど、少し疑問に思った
それだけで素っ気ない対応をとる必要あるのか……?
もんもんと考えていると、ある1つの仮説が浮かんだ
「入道くん、僕みたいな子何人もいるんでしょ」
『……え?』
「僕の時みたいに、友達になってあげてって頼み込んでるんでしょ 」
『……』
いや図星かい
そらそうなりますわ
「……あのね入道くん、過保護すぎるよ」
『ウグッ……』
「心配なのはわかるけど、そこまで突っ込まれたら流石に僕でも嫌だよ」
『……そうだな』
と、彼は凹んだ
「彼にも彼なりの考えがあるし、そこは見守ってあげよ? 」
『……そうだな!』
巻き込んでごめん、そう言い電話が切れた
彼、父親似だな……
そんなことを考え、僕はベットに入った
入道side
父さんと関わりがあることがわかった
ったく、余計なことすんなよ……
だけど、なんでするのかという理由は明確だった
心配なのだろう
僕に友達ができないことへの心配
父さんも、それで苦しんだことがあるって、母さんから聞いたことあるし
だけど、別に大丈夫だよ
「僕の意思でそうしてるんだから」
明晴side
「入道くん!」
「あ、安倍くん」
「一緒にご飯食べよ!」
「ごめん、約束してる人いるんだ」
「そっか、ごめんね!」
「ううん、こちらこそ断ってごめんね」
そう言い別れた
どうやら、入道くんと関わりがあることがわかっているらしく
僕のことを避けている
まぁほかの人にも何故か避けられたりしてるから問題はないんだけど……
元生徒の頼みとか、そういうのを抜きにして
僕は……
秋雨side
「晴明、今頃頑張ってんのかな」
「さぁな」
静まり返る職員室
今、他の先生達は大体出ており
俺と佐野しかいなかった
「というか、晴明変な噂たってたぞ」
「変な噂って、あいつは元々変だから当たり前だろ」
「それはそうだけど、そういうのじゃないぞ……」
まぁ、実際変人だ
ヘタレで、セーラー服が好きで、よく不幸なことが起こって……
そんな変な奴だ
だけど
頭が良くて、ちゃんと周りを見てて、何でも平和的に解決してしまう
とてもすごい奴でもある
そんな晴明だからこそ、俺らは心を開けたのかもしれない
「で、変な噂ってなんだよ」
「なんか、半グレなんじゃないかっていう噂ぞ」
「ないな」
佐野はスパッと答えた
まぁ、ヤンキーが世界一苦手な時点でそんなこと有り得るはずないんだけど……
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