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「明日休みなのに、今日はなんか疲れちゃった」
黒瀬さんから告白されて、余計な頭を使ったからだろう。
とりあえず夕食は作った。
シャワーを浴びて、洗濯物を畳んで、瑞希くんの帰りを待つ。
それにしても瑞希くん、ちゃんと食器とか洗ってくれるんだな。
お昼に使った食器がきちんと洗われていた。
尊は、食べたものそのままだったし、流しの中に……。
朝出かける時に干した洗濯物も取り込まれてる。
瑞希くん、ああ見えて、苦労してるんだろうな。兄弟のためにお金稼いでるって言ってたから。きっと良いお兄ちゃんなんだろうな。
そんなことを考えていたら、ソファでいつの間にか眠ってしまっていた。
「えっ、もうこんな時間?」
<今日のご飯なにー?>
<もうすぐ帰る>
という瑞希くんからの連絡に返信できなかった。
慌てて返信をしていると、ガチャっと玄関のドアが開く音がした。小走りで玄関まで行く。
「おかえりなさい。ごめんなさい、寝ちゃってて。返事できなくて」
瑞希くんは無言だ。
怒っている?
「瑞希くん……?怒って…」
その瞬間、廊下の壁に押し付けられた。
「ごめ……」
どうして彼がそんなに怒っているのかわからなかったが、謝ろうとした。
「んん……!」
キスをされ、言葉が出せない。
「んっん……!!はぁ……」
舌が絡まる。
「んん!!」
微かにお酒の味がする。
瑞希くん、酔ってるのかな。
彼はキスを止めたかと思うと、私を抱きしめた。
「返事ないから、どっか行っちゃったかと思った。今日、会社の人に告白されたんでしょ?」
えっ、どうして知っているの。
まさか華ちゃんがお店に来たとか?
春人さんに話したとか?
「えっと。告白はされたけど、断るつもりだよ?返事は、本当に寝ちゃっててできなくて。ごめんね」
よしよしと彼の頭を撫でる。
「俺、マジで余裕ないな。こんな子どもっぽいことして」
彼が私の肩に頭をつける。
「どこにも行かないよ。ご飯食べて?あ、先にシャワー浴びる?」
部屋に入ろう?と瑞希くんの手を引っ張る。
「先にシャワー浴びてくる」
彼は荷物をリビングに置き、バスルームへ向かった。
「なんか元気ない。疲れているのかな」
夕ご飯は変わらず「美味い!」と食べてくれた。
笑顔の彼だったけれど、食器を片付けている時に、ソファに座る彼を見た。スマホを見つめている。表情も暗い。
「瑞希くん、どうしたの?なんか今日、元気ないけど」
瑞希くんの隣へ座る。
「葵が告白されたって聞いて、嫉妬した。焦った」
えっ、そんなことでまだずっと悩んでいるの。
「断るよ。どんな人かもよく知らないし。会社では関りあるけど、プライベートで会ったこともない人だから」
「じゃあ、友達からって言われたらどうするの?」
瑞希くんと目が合った。
友達から?
瑞希くんの問いに答えることができない。
「ほら。わからないだろ?」
瑞希くんは一呼吸置いたあと
「俺、今日、ソファで寝るから」
立ち上がった。
「えっ。どうして?」
「葵を困らせてる罰。あと、今日一緒に寝たら、襲っちゃいそう」
彼の言葉にドキッと鼓動が高鳴る。
「ダメだよ。ソファじゃ疲れとれないよ。私がソファで寝るから。ここは、瑞希くんの家なんだから」
瑞希くんは何も言わない。
子どもみたいに拗ねている彼の顔をあげて、私はチュッとキスをした。
「葵……!?」
「ねっ、一緒に寝よ」
私が声をかけると、瑞希くんは私の手を引っ張り、寝室へ向かった。
「もう知らないから」
私が瑞希くんに自分からキスをした時から、心のどこかでこうなることがわかっていたのかもしれない。
ベッドに押し倒され、キスをされた。
「はぁ……。んん!」
瑞希くんが服を脱ぎ、キスをしながら、私の洋服も強引に脱がしていく。
「んっ、んんっ!」
胸に触れられ、ピクッと身体が反応する。
彼が耳を舐め、そのまま甘噛みをした。
「あっ!」
首筋を舌が這っていく。
「んん……」
ゾクゾクする。
「葵は、俺のだから」
そう彼は耳元で囁くと、私の首筋を吸った。
「あぁ……」
ちょっと痛い。
「待って、キスマーク残っちゃう……」
「俺のだっていう印」
チュッと再度、強く首を吸われた。
彼の舌は、私の胸に。
いつものように突起を責められることはなく、膨らみの部分を優しく舌が這った。
「あ……!」
気持ち良い。
でも、いつものようにしてほしい。
もしかしてこれって焦らされてる?
「瑞希く……ん」
「なに?」
どうしよう、なんて言えばいいの?
言葉に悩んでいると
「あっ!!」
彼は、私の胸の先端部分を指で擦り
「ここ、舐めてほしい?」
と聞いてきた。
わかってるんだ。
普段可愛いところもあるのに、夜の彼は意地悪だ。
「してほしい」
答えて恥ずかしくなり、顔が紅潮する。
「何をしてほしいの?」
彼がいたずらに笑う。
「舐めて、ほしい」
彼は満足したような顔をし、胸の先端を舐め、チュッと吸った。
「ぁぁあっ!」
舌で転がしながら、チュッと吸われ
「んんっ!!」
声が大きくなってしまう。
「……。気持ちいい?」
目線が合い、ドクンと鼓動が大きくなる。
彼は、ショーツの上から指でスーと下腹部をなぞった。
「葵、この上からでも濡れてるってわかる」
ショーツの上から指先で性感帯を責められ「あっ……」
快楽に負けて、直接触ってほしいと思ってしまう。
こんな自分が嫌なのに、足がモゾモゾ動く。
これじゃあ、早く触ってと言っているみたい。
「直接触ってほしいの?」
やっぱり瑞希くんはわかってる。
「触ってほしい……」
私の言葉を聞き
「じゃあ、葵からキスして?」
私は言われた通りに彼の唇に軽くチュッとキスをした。
「そんなんじゃダメ。舌入れて?」
「えっ」
恥ずかしかったが彼の顔を引き寄せ、指示に従った。
「んん!」
私が舌を入れたはずなのに、口の中では彼にリードされてしまう。
「んっ、じゃあ、ご褒美ね」
彼はそう言い、私のショーツを脱がし、もう濡れている下腹部を指先で往復した。
「あっ!」
「すごっ、葵、ヤバい」
彼の指先が愛液を掬いとるように動く。
「瑞希くん、お願い……」
「どうしたの?」
自分から強請るなんて。それ以上の言葉を言えずにいると
「我慢できないようにしてあげる」
そう言うと彼は、私の胸を責めだし、チュッと音を立てて吸いだした。
「あんっ!」
指先を動かし、クリっと私の下腹部の突起を一撫される。
「んんっ!!」
「葵、その顔、可愛い……。もっと見たい」
彼は、急に指を私の体内へ挿れてきた。
「あああっ!」
指が動くたびに水音が室内へ響く。
「ごめんなさ……」
「なんで謝るの?こんなに感じてくれて、俺は嬉しいけど」
彼の顔は確かに満足そうだ。
「もっともっと俺に溺れてほしい。俺を必要としてほしい」
彼は集中的に指で突いてきた。
「もっ!ダメっ!」
焦らされていたからか、もうイキそう。
「瑞希くん、イッちゃう……!」
「いつもみたいにキスしながらイこうか」
瑞希くんの背中をギュっと抱き締める。
「ん……!瑞希くん……、あっ!」
「イって」
彼のその声を聞いた瞬間、私は絶頂を迎えてしまった。
朝起きると、瑞希くんが隣で寝ている。
あっ、仕事!
そうだ、今日はお休みだった。
下着姿で寝ている自分を見て、今更ながら恥ずかしい。
身体が彼を求めてしまう。心も彼に溺れていく。
この関係って、セフレってやつだよね。
私は瑞希くんに惹かれている。
だけど……。