南極の端っこに、ペンギン郵便局という小さな郵便局がありました。
そこには、のんびり屋の郵便ペンギン「ポーラ」が働いています。
ある朝、ポーラが目を覚ますと、
郵便袋の中が――空っぽ。
「えっ!? 手紙全部どこいったの!?」
慌てて外を見ると、手紙をくわえたアザラシの赤ちゃんが、
ポテポテ走っていくところでした。
「まってー! それ郵便物ー!!」
ポーラは雪の上をスライディングしながら追いかけます。
しかしアザラシの赤ちゃんは嬉しそうにクルクル回りながら逃げます。
そのうち、
赤ちゃんはぺたんと座り込み、手紙をポーラに差し出しました。
どうやら――
**ただ「紙がひらひらするのが面白かっただけ」**らしいのです。
ポーラはため息をつきながらも、赤ちゃんをなでて言いました。
「せめて今度は、郵便局で遊んでいいものにしようね」
その日以来、郵便局の入り口には
**“ひらひらしても大丈夫な遊び紙”**が置かれるようになり、
アザラシの赤ちゃんは毎日楽しそうにそれを眺めていました。
そしてポーラの郵便局は、今日も平和なのでした。
コメント
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アザラシちゃんかぁ~いねっ!