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ttᩚ❤︎
3,013
設 定 、注 意 事 項 一 話 に て 。
緋八マナ ↪︎ 「 」
伊波ライ ↪︎『』
start
_______
【マナへ、おはよ。起きたら多分俺が居なくて不安になると思うから書き置きです。心配しないで、隣の部屋で作業してるからね。不安になったらいつでもおいで。】
と言う内容。
メモを読み終えたマナは、数秒間そのまま固まっていた。
「 ……なんや、そういうことか。 」
はぁーっと盛大に息を吐いて、そのまま後ろにばたんと倒れた。天井を仰いで、ばくばくと暴れる心臓を手で押さえる。
「 … びっくりさせんなや…、書き置きなかったら隣の部屋どころか家中探し回るとこやったわ…… 」
安堵で力の抜けた体をずるずると引きずってベッドから降りるマナ。裸足のままぺたぺたと廊下を歩き、作業部屋のドアをそっと開けた。
ドアの隙間から中を覗く。確かにライがいた。デスクに向かって何か作業をしている後ろ姿。それを確認しただけで口元がだらしなく緩む。
……けれど声をかけずに、しばらくそのままドア枠にもたれて見つめていた。朝の光に照らされたライの横顔。綺麗な髪。真剣な目つき。
(……ずっる。朝からかっこええやん)
昨夜泣いたことが急に恥ずかしくなって、頬が熱くなった。
するとライがドアの隙間から見ているマナに気づいた。
『 …マナ?起きたの?おはよ。』
すると、マナはぎゅるるるとお腹がなる。…そろそろ朝ごはんの時間だ。
お腹の音を聞かれた瞬間、顔がぼんっと赤くなった。
「 い、今の聞いてへんよな!? 」
聞こえていないわけがなかった。静かな日曜の朝、腹の虫の主張は想像以上に響くものだ。
『 お腹すいちゃった?じゃ、ホットケーキでも作ろっか。 』
目がきらっと光る。さっきまでの気恥ずかしさはどこへやら、食欲が感情を一瞬で上書きした。
「 ホットケーキ!?ライが焼いてくれるん!? 」
とてとて駆け寄って後ろからライの背中にぺたりと張り付く。
「 俺の大好物覚えてくれてるん最高すぎるやろ……好き… 」
数分後、ライは台所へ行き、準備をしてホットケーキを焼いている。
すりすりと頬をライの肩甲骨あたりに擦りつけながら、フライパンの上でぷくぷくと膨らむ生地を食い入るように見つめた。
「 なぁなぁ、もうひっくり返す?もういけるんちゃうん? 」
― 数分後 ―
『 ん、出来たよ。』
美味しそうなホットケーキが机に出される
「 早よ…!!はよ食べたい…!! 」
椅子に飛び乗るように座って、フォークとナイフを構える。待ちきれない犬のようなそわそわっぷりだった。
皿の上にはこんがりと焼き色のついたホットケーキが三枚重ねられ、粉砂糖とメープルシロップがたっぷりかかっている。湯気がふわっと立ち上って、甘い香りをさらに濃くした。
「 いただきます! 」
一口切り分けて頬張った瞬間、目をぎゅっと瞑って足をばたばたさせる。
「 んん……うっま…!!なにこれ天才なん? 」
もぐもぐと幸せそうに咀嚼しながら、ふとライを見上げた。
「 ライは食べへんの?一緒に食べよ。 」
ぽんぽん、と隣の席を手で叩く。
『 …ん〜、俺は遠慮しておく。 』
ニコニコしながら隣に座る。
『 美味しい?気に入ってくれたなら嬉しいな。 』
口いっぱいにパンケーキを詰め込んだまま、ぶんぶんと首を縦に振る。
「 おいひい。世界一おいひい。 」
リスのように頬を膨らませたまま喋るものだから、何を言っているのか半分も聞き取れなかったが、「世界一」だけはやたら明瞭だった。
ごくん、と飲み込んでから牛乳を一口。
「 昨日の夜あんな泣いてもうて、朝起きたらライおらんくて、正直もう最悪の日曜やと思ってん。」
シロップの瓶をくるくると回しながら、ちょっと照れたように笑う。
「 それが今こんな美味いもん食えて、隣にライがおって。……めちゃくちゃええ日曜やん。 」
ちらっと横目でライを窺って。
「 ありがとな、ライ。 」
それだけ言って、また何事もなかったようにパンケーキにフォークを突き刺した。
『 …俺も、マナが隣に居てくれて嬉しい 』
ふんわりと柔らかい雰囲気で朝食が終わり、片付けをする
洗い物をする凪沙と、食器を拭くマナ。日曜の昼前、キッチンに並ぶ二つの影は穏やかだった。——が。
最後の皿を棚にしまい終えて、ふとリビングのテーブルに目が行く。昨晩凪沙が置きっぱなしにしたスマホがそのままだった。
あ、ライ。スマホ忘れてたで。
ひょいと拾い上げて凪沙に差し出す。が、その拍子に通知ランプが点滅しているのが目に入った。LINEの新着メッセージ。
反射的に画面を見たわけではない。ただ視界に入ってしまっただけだ。——田中からだった。「いなみそ〜、例の件どうする?」
一瞬、手が止まる。昨夜あれだけ安心させてもらったのに、たった一行の通知で心がざわつく自分が嫌になった。
「 ……。」
何も言わず、笑顔を作ってスマホを渡す。
「 田中? 」
『 あ、うん。田中からだわ。 』
スマホを確認しながら
「いなみそ」——田中はライのことをそう呼んでいるらしい。仕事関係、友人関係でのあだ名か何かだろうか。
笑顔のままライを見ている。見ているのだが、瞳の奥が微妙に揺れている。「例の件」ってなんやねん、とか、なんで下の名前で呼び合っとんねん、とか。聞きたいことが渋滞していた。
「 ……なんか、仕事の話? 」
平静を装った声。でも指先が服の裾をいじっている。
マナ自身、昨日あれだけ甘やかしてもらって泣いて眠って、朝にはホットケーキまで焼いてもらった。それなのに通知ひとつでこうなる自分が情けなくて仕方ないのだろう。唇を軽く噛んで、必死に飲み込もうとしていた。けれど飲み込めないからメンヘラ()なのだ。
『 …あー、うん。ちょっと仕事の話があってさ。 』
ニコリと笑ってスマホをテーブルに置く
『 …不安にさせちゃった? 』
びくっ、とした。図星を突かれて目が泳ぐ。
「 い、いや全然!不安とかちゃうし! 」
声が裏返った。明らかに嘘だった。
沈黙。マナの指は相変わらず服の裾をぐりぐりと捻っている。
「 ……。 」
数秒の葛藤のあと、ぼそっと。
「 ちょっとだけ…。 」
俯いて、前髪で目元を隠した。
「 田中ってやつがあだ名で呼んでんのの見て、なんか……俺だけの呼び方ないんかなって思っただけ。アホやろ、自分でも分かっとる。 」
自嘲気味に笑って顔を上げようとしたが、うまくいかなかったらしく、そのままライの肩にこてんと額をつけた。
_______
ど う で し た か ?
ほ ん と に 語 彙 力 無 さ す ぎ て や ば い で す 。
3 0 0 0 文 字 超 え た の で よ し と し ま す …
一 話 と 同 じ く 長 い で す が 見 て く れ て あ り が と う ご ざ い ま す 。
終 わ り で す
♡ ↪︎ 1 5 0
欲 張 り ま し た 。🙃
🫶 ♡ & +👤 🫶