テラーノベル
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数日後のスタジオ。3人に甘やかされっぱなしだった初兎が、ふと口を開いた。
「……ねぇ、3人とも。いっつも甘やかしてくれるけどさ?」
「ん?」
「どうしたの?」
「また何か欲しいの?」
初兎はにこっと笑う。
その笑顔は、どこか“確信犯”的な甘さを含んでいた。
「今日は……俺が甘やかす番だよ?」
「「「……は?」」」
ぽかんとする3人をよそに、初兎はスッと立ち上がり、まずはりうらの隣に座る。
「りうら、いつも頭ぽんぽんしてくれるでしょ?今日は……」
――初兎がりうらの髪を、ふわっと撫でる。
「俺が、するね?」
「っ……う、あ、え、うそ、なにこれ、やば……」
完全にフリーズするりうら。
そのままIfのところに移動し、
袖をそっと引っ張って、上目遣い。
「まろちゃん?俺のこと、可愛いって思ってるんでしょ?」
「……うん、思ってるけど?」
余裕っぽく返したその瞬間、
「……俺も、まろちゃんのことだ~いすき♡」
耳元で、囁き声。
「ッッッッッ!!!!!!?!?!?!?」
崩れ落ちるIf。
椅子ごと背もたれにのけ反って、「むりむりむりむり!」を連呼。
最後はないこ。
「ないちゃん、いつも落ち着いてるけど…… 俺のこと、ちょっとでも可愛いって思ったことある?」
「そりゃあるけど?」
「じゃあ……今、一番かわいくするから、ちゃんと見ててね?」
――そう言って、ちょこんと膝の上に座る。
「……っっ」
一瞬で固まるないこ。顔が赤くなり、完全に目をそらして言う。
「……降りて。理性持たない自信ある」
「ふふ……今日は降りないもん♡」
初兎、全員に勝利。
3人は自分から行くのは良いが、来られるのには弱かったのである。
りうらは床に倒れ、Ifは顔面真っ赤で壁に頭をぶつけ、
ないこは無言で顔を両手で覆っていた。
初兎は、その真ん中でニッコリ笑う。
「えへへ、みんなのこと、ちゃんと好きだから。だから、今日は俺の勝ちだよ?」
こうして、最終兵器・初兎の本気の愛により、
3人はそろって、見事に撃沈した——。
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