テラーノベル
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「行きたくても生きれない人がいるんだよ。」
「いじめも虐待も受けてないのに死にたいなんて甘え。」
「あんたのその時の気持ちの揺れで人に迷惑かけないで。」
「死にたい人は死にたいなんて言わない。」
「もっと自分の感情しっかりコントロールしなさいよ。」
僕だって僕に病名があれば楽だろうなと何度も思いました。
親が体に痣でも残してくれればいいなと何度も願いました。
友達がもっと大胆にいじめてくれたら学校に行かない理由になるのかななんて毎朝考えます。
それでも僕の生活は不幸なくらいに幸せでした。
両親は僕を叩いたりしません。
友達はいじめなんてしません。
僕には病気も障害もありません。
両親は弟と怒鳴り合います。自室に篭もる僕にさえ聞こえるくらいに。
そのせいで僕は家に帰りたくありません。
友達はこれまで仲が良かったのに一瞬にしてまるで他人かと思うほどの関係になりました。
そのせいで僕は学校に行きたくありません。
ですが、体に傷がある訳では無いので死ぬ理由にはなりません。
僕には病気がありません。
それでも僕は人一倍生きるのが苦手です。
人と話しているととても疲れます。
僕の意見は人とずれているそうで合わせようとしない限り滅多に理解してくれません。
両親に名前を呼ばれると泣きたくなります。
でも、これだって生きなくていいことにはなりません。
死にたいのに死ねないのは死にたくないから。
なんてことも言われました。
僕は家出しました。
両親に捕まりました。
包丁の場所なんか知りません。
うちに火を扱うものはひとつもありません。
縄を買おうにも僕にはお金がありません。
夜は玄関に近い部屋で両親が遅くまで起きています。
お風呂だって20分も入っていれば声をかけられます。
だから僕は死ねません。
神様に願いを叶えて貰えるならとっくに死んでます。
自殺だってできるならしてます。
したいけどできないんです。
僕だってたまに死にたいのに生きてるのは甘えだって思います。
自分勝手って感じます。
それでも、体に傷はなくとも心が限界なんです。
病名なんてついてなくても僕にとっては立派な障害があるんです。
生きれない人がいるように、死ねない人だっているんです。
そんなこと誰にも話せないから、
僕は死ねないんです。
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