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第5話
友達「お前聞いた!?渡辺先輩別れたんだって!!やったじゃん!!」
俺の教室で照くんと昼食をとっていたとき、友達がダッシュで教室に駆け込んできた。
あぁ、俺は結局まだ翔太先輩のこと諦められてなかったのか。
その話を聞いた時、体の動きが止まって、鼓動が激しくなった感じがした。
俺はすぐに翔太先輩のところに行こうと、椅子から立ち上がったが、照くんのことを思い出して、チラリとそちらを見る。
目黒「ひかるくっ、」
岩本「いってらっしゃい。」
俺が照くん、と声をかけようとしたらそれに重なるように照くんが、悲しそうで今にも泣きそうな顔でそう言ってきた。
でも、この気持ちを一回吐き出さないと、満足できない。
俺は声もかけずに、教室を飛び出て走り出した。
すると、中庭に翔太先輩の後ろ姿を見つけた。
目黒「っ、翔太先輩っ!」
渡辺「え?あ…、目黒か。どした?」
目黒「あの、その、先輩が別れたって聞いて…」
渡辺「それが?」
目黒「っ、あのっ!俺、入学した時から翔太先輩のことが好きです!!付き合ってください!!」
俺は勢いに任せてバッと頭を下げてついに言った。
渡辺「………ごめん。」
頭上から降ってきた言葉は、俺の心を締め付けたとともに、少しほっとしたような気がした。俺は頭を上げる。
目黒「…っ、そう、ですよね。」
渡辺「…ごめん、俺、まだあいつのこと忘れらんねーんだ。」
その言葉には、色々な意味が含まれているような気がした。
そんなに宮舘先輩のことが好きだったのに、何で別れちゃったんだろ。
聞きたくないから聞かないけどね。
目黒「ありがとうございました。それじゃあ、失礼します…、」
俺は早くこの場を立ち去りたくて、それだけ告げて、校舎に向かって踵を返して、また走り出した。
正直、フラれたのになぜかあまりショックは受けていない。
それよりも、教室を出てくる時に見た照くんの表情がずっと気になっていて、早く教室に戻りたかった。
しかし、教室に着いた頃には、照くんの姿はもう無かった。
照くんと話したくて、廊下に出て照くんの教室に向かおうとした。
そのとき、屋上の扉が少し開いているのが見えて、俺は階段を上がって扉を開けた。
すると、フェンスに寄りかかって景色を見ている後ろ姿があった。
照くんだ。
入ってきた俺に気づいているのか気づいていないのかはわからないが、ぼーっとしながら考え事をしているように感じた。
俺はそんな彼に引き寄せられるように足を進めて、優しくバックハグでその体を包んだ。
岩本「…、蓮くん?」
照くんが俺の方を振り返って上目遣いで見上げてくる。
目黒「照くん………」
岩本「ちょうどよかった。」
岩本「ねぇ蓮くん…、俺たち、別れよっか。」
俺は頭を殴られたようなショックを受けた。
目黒「ぇ………、」
岩本「俺から言ったのにごめんね、今までありがとう。バイバイ」
思うように声が出せないうちに、照くんが俺の脱力した腕から抜け出して、屋上から出ていった。
どういうこと?なんで急に。
納得できない。
俺は、まだ別れたなんて認めないから。
…ってあれ、何で俺、こんなにムキになってるんだろ。
最初はただの仮初だったはずなのに________
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