テラーノベル
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「君…ttは何がしたいの?」
ttは静かに下を向いたまま
優しく口をひらいた
「なにがしたいんやろなぁ… ほんま」
しばらくの沈黙がながれる
「そういえば、どこで過ごしてるの?」
俺の問いかけに、ttは首を横に振った
「寝るところなんてどこでも。」
「その…家族は?」
「もう、要らんねん。あんなもん」
少し笑っているように見えたその顔は、
多分笑ってない
「ねえtt…?」
「これから一緒に居ていいかって?」
ttが言った言葉に軽く頷いた
「しゃーないな。」
その言葉を聞いて、俺は空を見上げた。
大雨だったのが、今は小雨に変わっている。
雲の間からほんの少し光が見えた気がした。
「sv。俺は…、俺達は最悪の人生を
歩んでいくんかね。」
「…うん。そうなんじゃない?」
それが俺達の始まり。
ひんやりとしたベンチ。
薄暗い公園
世界は俺たちを、 いつもと変わらず
見ようともしなかった。
それでも俺は、ttと懸命に生きようとして
1歩ずつ歩いた。
ゴミ捨て場の裏にあるダンボールを引っ張って、
肩を寄せあって寝た。
外の寒さより、ずっと心の方が寒かった
だけど、ttといるたけでそれが和らいでいった。
「なぁ、sv。」
「ん?」
「今日、昨日の雨のせいで水溜まりがあったんやけど、そこに足どぼんしたわ」
「ばかかよ…笑」
「あ〜ぁ、__svに会えて、よかったわ」
ttの一言に、目頭が熱くなって、視界がぼやけた
なんて返せばいいかわからなくて必至に言葉を探して、でも出てこなくて
聞こえないくらいの小さい声で
「ありがとう」って呟いた
そしたら、ttは手を優しく握ってくれた。
俺が落ち着くまで背中をぴったりくっつけて
2人で息をしてた。
誰も俺のことを”よかった “なんて言ってくれなかった。
思い出したくもないあの日から、
俺はいらない存在で、
人を簡単に壊してしまう存在なんだと
なのにttは俺のことを
____「いてくれてよかった」って。
暖かい手の温もりに包まれて、
俺はまた進む理由が見つかった気がした。
それでも、やっぱり二人でいた時間は
決して幸せばかりじゃなかった。
公園の水道の水を飲んで
パンを二人で分けて
消費期限が切れたおにぎりを分けて食べる。
何も見つからなかったら、握りしめていた
残りのお金でご飯を買って腹を満たした。
「なにしてんだよ…w」って笑いあって
「ちゃんとしてくれよ…」ってふざけあって
「あの時居たのがttでよかったよ」
「やっぱsvがいないと無理やわ」
と、背中を合わせて囁き合った
それでも時々、夜になるとttは黙り込んだ
まるで何が思い出しているように、
君の過去の傷がttの心を締め付けているように。
俺も同じだった
実際、二人とも壊れてた。
壊れたままでも、
誰かと一緒にいることだけが、
こんなにもの救いだった
コメント
2件
やばい最高