K「じゃ、帰るか」
撮影を何本かして騒ぎ疲れた俺たちは、それぞれ家に戻ることにした。バレンタインだからってなんの予定もない4人は本当にやることがなく、ただ馬鹿な話をしながら駅に向かうのみだ。
そろそろ駅につくであろうというところで、俺の袖をクンッとなにかが引っ張る。驚いて後ろを見ると、なんだか変な顔をしたえおえおが俺の袖を掴んでいた。変な顔って言っても、普段見せないようなちょっと緊張したような面持ちだ。
不思議に思って声を掛ける。
A「どうした」
話しかけるもしばらく黙ったままだ。FBときっくんはもう先の方まで行ってしまっている。ああ、置いてかれるなコレ、って思ったけど、俺の後ろにいるこいつを放っておくことはできない。
A「おい」
俺もそこまで気が長いほうじゃない。全く喋らないこいつの腕を掴んで遠ざける。
A「何だよ、何か言えよ」
すると、重い口を開き、少し震えるような声で俺に話しかける。
E「あの…さ…」
A「なに」
E「渡したいものあって…今から来れる?」
A「え…お前の家にってこと?」
E「まぁ…そうっすね」
こいつが俺に渡すものがあるなんて今までにあまりないから、ちょっと警戒した。でも面白そうだったから
A「何も予定ないし、いいけど」
なんて返事して、未だに神妙な顔をしているえおえおの家に向かうことにした。
駅についたときには2人もいて、俺達とは方向が違うから改札で別々になるんだけど
K「じゃあな!がんばれよ!」
意味深なセリフを吐いて去っていったきっくん。え、なにか知ってるの?って聞こうとしたけれど、もうその背中は遠くに行ってしまっていた。
To Be Continued…
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