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えんか!
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登場国
カザフスタン…元ソ連構成国。しかしソビエトとは血縁関係にない。拾い子。姉であるベラルーシが大好き。元気で明るい前向きな性格。独立前からモンゴルに気があり想いを伝えようか迷っている。
モンゴル…中華家の親戚。カザフスタンは近所の子供程度の認識でたまに遊ぶことも。カザフの独立後は受け身を徹底して仲良くしている。大人しく控えめな性格。
ベラルーシ…元ソ連構成国。ソビエトの実子で三兄妹の長女。血縁関係がないにも関わらず自身と同じ目の特徴を持つカザフを溺愛してる(当人の自覚なし)
ウクライナ…元ソ連構成国。ソビエトの実子で三兄妹の次男。
ロシア…元ソ連構成国。ソビエトの実子で三兄妹の長男。
〔カザフの決心〕
〔カザフ視点〕
「は~あ…。」
「あらカザフ、どうかしたの?」
やっぱり最初に声を掛けてくれるのは姉ちゃん。兄ちゃん…、ウクライナは料理中だから手を止めたりはしないけど視線だけはこっちに向いている。ロシアは渋い顔してスマホとにらめっこしてるからアメリカかイギリスとチャット中なんだろうな。
「べつに、なんにもないよ。」
「…悩んでることがあるなら聞くわよ。」
姉ちゃんの感?は割と当たる。それに話も聞いてくれる。
「僕ら部屋出とこうか?」
何か察したのか、ウクライナは料理する手を止めてそう声を掛けてくれた。
「はあ?知るかよ。」
「ちょっと兄様。」
スマホをポケットにしまいながら吐き捨てたロシアを姉ちゃんがなだめる。ソ連時代からよく見た光景。ただ、今回の話に限っては僕も言い返すことができる。
「ねえロシア、恋愛話だけど聞くの?」
ロシアは家族の恋愛話が嫌いだ。たとえ今は違う屋根の下で暮らしていたとしても。
「…はあ、酒買ってくる。」
分かりやすく嫌な顔をして部屋から出て行った。
「ほんと家族の恋愛話嫌いだよね、あいつ。」
ロシアの背中を見送りながらウクライナがそう言った。
「そうね。取られる感じがして嫌らしいわよ。」
「はは、、馬鹿みたいな理由だね…。」
姉ちゃんはロシアとよく話すから、ロシアの行動の理由をかなり知っている。姉ちゃんの言葉に苦笑いを浮かべるウクライナに、最近気になっていたことを聞いてみることにした。
「そう言う兄ちゃんも恋愛話嫌ってたよね~??最近そうでもなさそうだけど何かあったの?」
「え…。」
僕の言葉に明らかに面食らった様子で固まった。これはあたりか…!?
「え!!もしかして好きな相手ができたとか?!それとももう恋人できちゃった、とか?!!」
「そ、んなんじゃないって、、。別に、何も変わってないよ?!」
「兄ちゃんの彼氏か~!会ってみたいなーー??」
「だからそんなんじゃないって!!」
「あら?彼女側なのに文句言わないの?」
「あ、いや…、ていうか僕の話はどうだっていいでしょ!!部屋戻っとくからね!」
「うん、じゃあね!」
どうやら僕の思い違いではないらしい。ウクライナに恋人ができるなんて、、。
絶対いつか会わせてもらお。
「それで、、恋の悩みなの?」
姉ちゃんは僕の隣に座りなおして改めて問い直した。
「まあ、うん。」
「話しづらいようなら無理に話さなくていいのよ。」
「ううん。大丈夫。」
「そう…。」
相変わらず僕の心配をしてくれる姉ちゃんは優しくて、久しぶりの温かさに安心する。
やっぱり、姉ちゃんには伝えよう。
一呼吸おいて、僕は話を切り出した。
「あのね、僕、、。モンゴルのこと好きなんだ。」
少し間が開いた。
心臓がどきどきして顔を上げることができない。
「…あら、そうなの?」
「うん。…でもね、僕モンゴルの顔見たことないんだ。ほら、だってずっとフェイスヴェールしてるでしょ。」
「言われてみればそうね。私も彼の素顔なんて見たことないわ。」
「でしょ?それにね、僕は子供だから恋愛対象として見られてないのかなーって。」
「でも…、あなたもう18よ?」
そう。僕はもう大人って言ってもいいくらいの肉体年齢なんだ。それなのに…。
「そうだけどモンゴルは23だよ?僕なんて近所の子供くらいにしか思ってないでしょ。特に、もっとちっちゃい時の僕を知ってるんだし。到底そういう目では見てくんないよ。」
「それは…、確かにそうかもね。でもまずは想いをぶつけてみないと分からないんじゃない?」
「へへ、姉ちゃんならそう言うと思ってた!!」
「あら、思考を読まれちゃってるのかしら?」
「完璧じゃあないけどね!!」
「ふふ…、ねえカザフ。なにか、相当引っかかるものがあるみたいね。」
「あ…え、…うん、、。」
たぶん、姉ちゃんは僕が何で相談してきたのか分かってるんだろうな。
「解決してあげられるかは分からないけれど、話してごらん?」
相変わらず優しい姉ちゃんの声。
姉ちゃんなら同じことで悩んでるかもしれない。
「あのね、その…。僕、姉ちゃんとお揃いなのはとっても嬉しいんだけど、、。この目、気持ち悪がられちゃうんじゃないかなって思うと、怖くて。」
右目の下にあるもう一つの目。
視覚としてはほぼ機能しないくせに潰しても絶対に再生する。これのせいで、僕も姉ちゃんも
「…そうね。私も嫌われちゃうんじゃないかって、、友達にも好きな子にもとうとう見せられなかったわ。」
「僕は好きだよ。目が何個あったって姉ちゃんは姉ちゃんだし僕は僕だもん。」
これは本当のこと。この目には恨みしかないけど姉ちゃんは大好きだから。
「ふふ、ええそうね。うれしいわ。」
「へへっ、、。でもね、でも…、やっぱり普通に考えたらこんなの気持ち悪いよねって思って。」
「受け入れられたものじゃないのは理解しても辛いわよね。」
「うん…。」
「なんだか腑に落ちないっていうか、悔しそうな顔するのね。」
悔しいよ。とってもね。
「諦めたくないんだ、どうしても、、。」
「もう、覚悟決めちゃって素直な想いをぶつけてみたら?」
僕もそうしたい。
「でも嫌われたら?」
「大丈夫よ。あなたはとても素敵だもの。自分に自信を持たなきゃあ損だわ。」
その通りだと思う。僕だってそう思う。
「…このままうじうじしてても何にも変わんないもんね…。」
「彼もそんなにひどいヒトじゃないはずよ。あなたを嫌ったりなんてしないわ。」
しってる。モンゴルはとっても優しいから。
「でも、ちょっと怖いよ…。」
「そうね、、。どこで想いを伝えるつもりなの?」
「え?よく遊んでた公園とか、、かな、、、。」
「近くまでついて行きましょうか?」
気遣ってくれてるのはありがたいし近くまで来てくれるなら心強い。
「…お願いしたいところだけど、自分の力で頑張るよ。ありがとう。」
こういうのは自分の力で乗り越えたい。
「ふふ、そう?大人なのね。」
「でしょ!」
「私にも貴方みたいな強さがあれば良かったのに。…なあんてね。」
「大丈夫だよ、姉ちゃんは強いから。」
「あらありがとう。でも…、私、心の強さはないのよ。」
「そうなの?姉ちゃんはかわいいし優しいから問題ないと思うけど…。」
「照れちゃうじゃない。」
「事実だもん!!」
「ありがとう。」
「姉ちゃん、話聞いてくれてありがとう。思い切りがついた。」
「いえ…、よかったわ。」
「行ってくるね!」
「ええ頑張って。応援してる。」
「うん!」
「っと、ごめん、モンゴルって家にいる?」
「もうカザフったら。ちょっと待っててね。」
「うん、ごめん。」
「あ、見つけた。」
「ほんと!?ありがと~!!」
「あら?華さんと一緒にいるみたいね。」
「えっ、」
「…ああ、多分すぐ帰るんじゃないかしら。モンゴルさんの家に行っといたらどうかしら?」
「そっか。うん分かった!そうする!!ありがとじゃあね!!」
「いってらっしゃい」
〔モンゴル視点〕
「はあーーー、、無理無理無理、あいつほんと、、。」
やっと華から解放されて家路についていた。
あいつ最近日本の空軍といい感じだからってこっちにまで恋愛を押し付けてくる。かなりうざい。
余計なお世話だっていっても聞かない。
いや、俺がフェイスヴェールを外せないのを知っていて馬鹿にしているだけか?
ヒトのコンプレックスを躊躇なく刺してくる奴だからな。
…まあ、もしかしたら口下手が前面に出てるだけかもしれないが。
なんて、ぐるぐる考えながら歩いていると気づけば家についていた。
そしてドアの前に座り込む一つの影。
水色の肌。もはや見慣れた背中の大胆に開いた服。華奢な身体には重そうな大きい金翼。彼の姉とお揃いの眼帯。頭の側面から生えた小さめの金の羽。かなり久しぶりに目に触れた。いつぶりだろう?
「カザフ?」
小さくそう呼びかけると、彼は俺の方を振り返った。
そして、俺の姿を捉えると同時に ぱあっと明るい笑顔を浮かべた。
「モンゴル!!」
俺の名を叫ぶより早く抱き着いてきた彼は、前会った時よりもかなり背が高くなっていた。
「へへっ、ひさしぶりだね。どう?僕大きくなったでしょ?」
フェイスヴェールを捲らず俺の頬に両手を添えて顔を近づけたままそう囁く。
ずいぶんと大人っぽくなったその仕草や表情に、なぜだか俺の心臓は大きく脈打った。
いや、近所の子供だろ。なにを考えてるんだ。
「あ、、ああ、背が伸びたか?」
「いまねえ、170㎝もあるんだよ?すごいでしょ。」
「そんなに伸びたのか。すごいな。」
少しの間、彼は俺を見つめていた。
そしてずいっと顔を近づけさっきよりも小さな声で囁いた。
「公園でまってるね」
よく聞いた言葉なのにこの時、俺の心臓は一際大きく跳ねた。
「じゃあね!!」
手を振りながら駆け出してく彼をぽかんと立ち尽くして見送った。
え…?
心臓が跳ねたって何?待ってるって、今から?
行くか行かないかは俺に任せるってこと?あれ、なんで迷ってんだろ。
なにを期待して…?
いや違う、久しぶりすぎて驚いてるだけだ。きっとそうに違いない。
雰囲気も変わってたし、、、。
どうしよう。行くの、やめとこうかな。
〔カザフ視点〕
モンゴル…、来てくれるかな。
今まで来てくれなかったことはないけど。
でも…なんか、動揺してたしな…。
来てくれなくても仕方ないよね。そしたらもう諦めるしかないもんね。
…来てくれたらいいなあ。