テラーノベル
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第71話
それで……謎の接待中。ノアも、慣れてるから、いいんだけどねぇ……いいんだけど……
「澪ってこんなに朝に弱かったっけか?」
「そんなもんだろ」
谷平さーん? 気まずいんですけど……
昨日だってあと一時間もしないと降りてこなかった。
「それでさ、セリーナちゃんは、無表情だね。組手でもする?」
そう言って怜治さんが、ニヤニヤしている。
何、このチャラ男。
無理なんだけど。でも、実力は本物だな……
「どちらでも。昨日だって、あと一時間は降りてきませんでしたよ」
「おい、どちらでもって……」
ノアに止められたけど……負ける事ないし。私だって、強くなったから。
「じゃあ、ノアが先に戦う? 実力としては……読めないけど、いい感じになりそうじゃない?」
「へぇ。確かに、強そうだけど、馬鹿にされちゃったら困るね」
「こちらも、想像以上に面倒だと思いますよ」
「あははっ! 面白い二人だ」
いやいや……それってどういう面白い……
「澪が一番強いの知ってる?」
ふぇぇ? 澪さんが……?
確かに、計り知れないというか、無限に強いような……そんな感覚がしたんだよね……
というか……澪さんがいつの間にか起きてた。ノアも気づいている。
「……底しれない感じは確かにあった。リナはどうだ?」
「うん。二人とも、どこまで強いか見当が付きませんが……一番分からないのは澪さんですね」
「へぇー。じゃあ、今日は組み手する?」
そんな声が後ろから聞こえてきた。
早くないか? 普通に考えて準備は全然終わらないぞ。
「あ、やっと起きた。澪。久しぶりだな」
「おはよう。澪。それは、先にいいか?」
二人に向けて谷平さんは手を振った。
「あぁ。勿論。二人ともおはよう。その底。見せてあげようか?」
「ふふっ。そうですね」
「ちゃんと、自己紹介をしたのか?」
怜治さんが澪さんの事を指指した。
澪さんの事。全然知らないや。
「俺は、SSSS級討伐者。谷平澪だ」
そう言って澪さんは表面だけで笑った。
それから……討伐者用の訓練場に通された。
強化魔法が沢山かけられていて、ちょっとやそっとでは壊れないだろう。
「あ、谷平。それに、セリーナとノアだったっけ? 私は見守ってるわ」
そう言って近づいてきたのは高橋さん。
「「はい」」
「彼は強いから、気を抜いては駄目よ。でも、貴方たちの事信じるから、あの人に負けをプレゼントさせてあげて」
「勿論です」「分かりました」
そう言って私たちは、頷いた。
「じゃあ、始めるぞ。準備はいるか?」
「いいえ」「大丈夫です」
私の手には、金属バット。ノアの手にはいつもの剣。私がメンテしてるから、魔導回路も正常なはずだ。
炎が通りやすいような造り。私独自の造りだけどね。
「初めっ!」
その声と共に、怜治さんと玲央さんが飛んできた。でも、遅い。
私は、澪さんの後ろを取ろうとして、無重力にしたけど、先読みされてたみたい。攻撃する態勢に入っている。
私は、軽やかに避けた。ノアも同じペース。
私たちのターンだ。ブンブンとバットを振った。ちゃんと防いでくれてるけど、私一人で精一杯なのだろう。ノアが、ボワッと炎で燃やして、先制した。
「熱いっ!」「マズイっ」
これだけでは怯まない。そのくらい分かる。
火が落ち着いても、ほんのり火傷くらいで、あまり傷は深くない。
……この人たち、強い。私だけでは勝てない。
相手は攻撃を仕掛けてきたけど……バリアがある。素人には、このバリアの弱点は見分けられないだろう。
宝石の割り方のように、一点集中しないとね。
「ふふっ。強いですね」
「それは、俺たちもだ。君たちの強さは、想像を優に超えている」
「そうですか……」
そう言ってノアがスッと二人の横を取った。勿論、防がれたけど……でも、二人は、ノアの事で手一杯だろう。
私が二人まとめて飛ばした。中に浮いてからゴトンと壁にぶつかった。
それと同時に壁の向こうに、隠れ魔導師が居る。ノアの呪いを操っている。
私は、壁を突き破ってから、魔導師だけを取り出して、壁を直した。
縛り上げてからあの場所に放り込んだ。十秒くらいの出来事だ。
それと、ノアに光魔法をかけた。息苦しさは緩和されただろう。
「ノア。どう?」
「すまない。そして、ありがとう」
ふんわり笑顔になった。
でも、それも束の間に、私たちの間に、剣が振り落とされた。
わぁ。怖い人たち。さっきぶつけたばかりだよ。動けるんだ……
でも、遅い。
私は早く金属バットを振ると、さっきよりも大きな音で『ドカーン』と鳴った。
コメント
1件
こはるさん、読了しました!第72話、激しい戦闘回ですね。金属バットと剣、ノアの炎、そしてバリアの弱点を突くセリーナの動き——「壁を突き破って隠れ魔導師を十秒で処理」のところ、めちゃくちゃカッコよかったです。澪さんの「表面だけで笑った」自己紹介シーンもゾクッと来ました。この人、本当に底が見えない。二人の連携が自然に描かれていて、読んでいて気持ちよかったです。続きが気になります!
#魔法
こはる
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