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Side Zebra


「でさ、俺すっげー興奮してさ、終わって連絡したら次はみんなで来てよって言ってくれたんだよ!」

6人の楽屋では、慎太郎がいつものマシンガンぶりを発揮している。この間好きなアーティストさんのライブに呼ばれて見に行ってきたという話らしい。

俺も便乗しようとしたところで、

「スタンバイお願いしまーす」

スタッフさんが顔を見せた。俺らは返事をして立ち上がる。

「みんなで行かせてもらっちゃう? 俺めっちゃ行きたい」

大我も頬を上気させて嬉しそうだ。

「俺も」と珍しく声を上げたのは高地。「スケジュールさえ合えばいいんだけどね」

「空けてってチーフに言お」

俺が言うと、北斗がにやりと笑った。「勉強の一環って言ってこじあけてもらう手もある」

「わーかったから、早くスタジオ行くぞ」

樹の声で、俺らは衣装の襟を正して仕事場へと向かった。


いつものように樹の滑らかな進行に乗って、俺と慎太郎のボケに樹と高地のツッコミが冴える。

俺がまたボケたら北斗と大我も乗っかってきて、しまいには進行役もこらえきれず吹き出してみんなで爆笑する、という普段の雰囲気。

何ら変わりのない、6人みんなの笑顔がある風景だ。


「ねえ、みんな今日これから飯行かない?」

撮影スタジオを出て俺が口を開くと、真っ先に慎太郎が反応してくる。

「いいよ、行こ」

「俺今日きょもとラジオなんだけど」

「そうだっけ?」

「自分の仕事ぐらい覚えとけよ」

そんな会話を尻目に、「北斗と高地は?」

えー、と渋るこーち。「ちょっと時間ないかも」

「俺もこれからドラマ行かなきゃ」

なら仕方ないや、と慎太郎とのサシ飯に決まった。

それぞれ着替えを済ませ、楽屋を片付けてから部屋を出る。

「じゃーねー」

「おやすみ」

「また明日な」

それぞれ手を振って別れ、俺は慎太郎と一緒にタクシーに乗った。

それからは、デジャヴのようにマシンガントークと俺のボケの合戦。しばらくしてビールで酔ってくると、慎太郎はなんか俺の腕に抱きついてくるし。

そんなに嫌じゃないけど、なんつって。

若干ふわふわした頭で明日の仕事のことも話し合い、今日はお開きに。

「ほら、着いたよ。しっかり寝ろよ」

「うん。おやすみー」

次の日も6人で会えるんだから別に飲みに行かなくてもよかったんだけど、やっぱり楽しみたい。欲を言えばみんなで。

そんなことを呑気に考えている、とある平日。

家に帰れば日付は変わっていて、少し酔いの回った身体をベッドに投げ出すとすぐにまどろみの中に落ちていった。


続く

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