約束、それは他人と他人が結ぶ鎖。
たいていは忘れられ、自然消滅してしまう。
しかし、強い絆で結ばれたものは、お互いを蝕んでゆく。
ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます。
かわいいメロディにのせられた残虐な歌詞。
あの日の約束を後悔する日はくるのだろうか。
米花町、公園前。
「着きました、ここです!」
光彦が指差した先には、遊具のない、広い公園。
半強制的に連れてこられたコナンだが、サッカーは少々、いやかなり楽しみだった。
「卯月くんはサッカーってできる?」
「めっちゃ得意やで!お前ら泣かすかもしれへんなぁ」
「え~、でも、コナンくんも上手だよ~」
「そうなん?楽しみやな。あと、俺のことは春でええで!」
急に自分の名が出て驚いたが、ほめていたようで、少し頬が赤くなる。
春はサッカーが得意だそうで、今もコナンをにやにやしながら見つめている。
「コナン!チーム決まったぜ!」
元太によると、光彦と歩美とコナンのチームと、元太と春のチームにわかれるらしい。
(3対2か、完全に俺を甘く見てるな)
コナンはひそかに心を燃やしていた。
「コナンくんいくよ~」
「おう!」
「春くん強すぎるよ~」
結果は、コナンの惨敗だった。
コナンの力強いシュートも、片足だけで軽くあしらわれ、彼にボールが渡った時には、いつのまにかゴールにボールが打ち込まれている。
計三回試合をしたが、そのどれもが春の圧勝だった。
結局、シュートを打ち込むことはできなかった。
コナンは、中身は高校生でサッカーを小学生のころからやっていたため、同年代でコナンに勝つことはほぼほぼ不可能だった。
(一体何者なんだ、卯月春,,,,,)
コナンが疑心暗鬼に陥っていたとき、それを否定するかのように着信音が鳴り響いた。
「あ、電話やわ、そろそろ時間かな。じゃあ、またな~」
春は小走りで去っていった。
「またいっしょに遊べるといいなぁ」
「ええ、つぎはサッカー以外で」
「ああグルッペンか、大丈夫、江戸川コナンとは接触できた。シェリーに関してはまだ。だけどそこはショッピくんが頑張ってくれてると思うで。アイツネットワークに通じてるから」
「ショッピくん、チーノ、ただいまってまだ帰ってへんか」
"ルルルルルルルルルル"
本日二度目の着信音が鳴り響く。
今家にだれもいないからか、その音色は少し寂しげだった。
「ん、ロボロか、もしもし?」
「小さくなっても俺は俺や、中身が変わったりはせぇへん」
「あの時の"約束"、忘れとらんから」
「大丈夫、俺は死んだりなんかしない,,,,こんなん、ショッピくんの前で言ったら怒られるな」
「俺が守ってやるから、お前は安心してろ」
いかがでしたでしょうか、良ければコメントなどほしいです。
今回は、この長編のなかでも、かなり重要な回だったと思います。
これからも、楽しんで見てもらえたらなと思います。
(話によってはかなり重い内容になることもありそうです)
コメント
1件
小学生って事はシャオさんショタ( 今回も最高でした!✨