ある朝、田んぼの土手でたんぽぽのお母さんが、白い綿帽子のは生えてきた子ども達に言いました。
お母さん「みんなもう大きくなったから、お母さんと離れて暮らすのよ。」
ポポ「嫌だよう。僕は、いつまでも一緒にいたいよう。」
お母さん「だめよ。今度風が吹いたら、みんな一人で飛んでいくの。」
ポポ「僕は、嫌。お母さんにしがみついてるから。」
ポポは、泣き出しそうです。
お母さん「元気をお出し。一緒にいてあげたいけど、それができないの。辛くても我慢して、きれいな花を咲かせるのよ。」
お母さんが優しく励ましていると、風が吹いてきました
ポポ「お母さあん、お母さあん。」
ポポは、そう言いながら飛び出していきました。泣きながら田んぼや林を超えていくうち、ポポは、何か硬い物に頭をぶつけてしまいました。気がつくと、岩の上にいました。そこは、夜はとても寒く、昼は焼けるように暑いところでした。ポポの頭はぼうっとして、目も霞んできました。
ポポ「ああ、喉が渇く。水が欲しい。」
その時ポポは、ふっとお母さんの言葉を思い出しました。そして、一生懸命我慢しました。四日目に、大雨が振りました。ポポは雨水に乗って、遠く遠く流されていきました。やっと、広い野原の真ん中に着きました。そこでポポは、ねを深く伸ばし、目を出すと、春になって大きな花を咲かせました。ポポは明るい光を浴びながら、胸を張って大きな声で言いました。
ポポ「お母さん。僕は、こんなにきれいな花を咲かせたよ。」
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