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音声記録だけでは無く、 『東京ジェノサイドの真実』
と、称された動画も、世界中に拡散していった。ベットに手足を縛られた韓洋の腹は垂れ下がり、パンツ1枚で口にはおしゃぶりをくわえながら身をくねらせるその姿は醜く、表舞台の気品あふれる紳士像は何処にも見受けられなかった。
頬を赤らめながら身悶える韓洋に、マ・オは語りかけた。
その声は、音声記録とはまるで違っていた。
マ・オは、広域声帯の持ち主でもあり、声紋音域を自在に変化させることも出来た。
画面には、韓洋だけが映し出されていた。
「気分いいでしょう? ねえ、気持ちよくなっちゃった?」
韓洋は、くわえたおしゃぶりの隙間からヨダレを垂れ流し喜んでいた。
「うれしいの?うれしいんだね。まだダメだからね、もっと焦らしたげる」
キャッキャと喜ぶ韓洋の顔。
黄色い白目が年齢を表している。
「ねえ、されるのよりもする方がいいんでしょう?」
韓洋は目をパチパチさせた。
甘ったるいマ・オの声が聞こえる。アダルトビデオの世界観がそこにはあった。
「韓さんわぁ、こうやって…何人の人達をいじめちゃったのぉ?」
韓洋は縛られた両手首を立てた。
右掌は開いて、左掌でピースサインを表した。
「7人もいじめちゃったのぉ?」
韓洋はコクリと頷いた。
大量のヨダレを、おしゃぶりの隙間から流しながら。
「それで…み~んなころしちゃったんだぁ…」
韓洋は身体をクネクネとくねらせて笑った。
おしゃぶりが床に転がる。
笑い声は次第にフェードアウトして、韓洋の虚ろな表情だけが残されていた。