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「マ~マ、じゃむもっとほしーぃー」
「ぇえぇ…はい、あと一回やで…はい。大盛りになったなぁ」
朝食中にぐずりそうになった亜優の、カットしたトーストに少しのイチゴジャムをプラスして、もうジャムは片づけてしまおうと、自分の食べている途中にもかかわらず冷蔵庫へと立つ。
亜優は、自分で出来ることが増えた1年生。
出来ないことまで自分でやりたいお年頃。
おしゃべりも自由に出来るから、嬉しくてずっと喋っている時間帯が日に何度かある。
その間は手がおろそかになるから、ご飯も私が横から食べさせる方が早いけど…昨夜はそれで失敗した。
自分でやるっ!と泣き始めた亜優は、だんだんと眠気にも襲われて、自分でもなんで泣いてたんやろ…でもなんか嫌やねん…という、ぐずぐずからのうだうだ、むしゃくしゃ…泣き止むに泣き止めないズルズル泣きへと突入した。
今朝も微妙だ。
この頃こんなことはなくなっていたから、さすが小学生! と、思っていたけれど、まだまだ小さいのだと感じる朝だ。
「直美、コーヒー入った」
「ありがとう」
ひとつ年下の夫、邦晴は、揃いのマグカップをテーブルに置くと、私の頭を撫でながら椅子に座った。
「朝からお疲れ。夜にはまた思う存分、直美の気持ちいいことしてやるからな」
「…っ…ちょ……っと! 何言うの⁉コーヒー、コーヒー…あつっ…」
「まま気持ちいいの?」
「あ、ああ、うん…パンとコーヒーがぴったりやわ」
「じゃむとパンもぴったりー」
ふぅ……私は夫を軽く睨んだけれど、彼は私の膝を撫でた。
私はママになった今でも“ハルくん”と呼ぶ。
それは彼が私に“パパ”と呼ばれることを強く拒絶したから。
亜優目線や亜優に話をする時にはかまわないが、私と彼のやり取りは“パパとママ”なんかであるはずがない、永遠に……というのがハルくんの言い分だった。
それに異論はない。
……なかったのだけど…