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中学三年生、冬。私には仲の良い友達が出来た。月の観察をするため、暗くなった時間に公園で集まって月を見た日が始まりだった。
「明日髪お団子ね!」
とか
「高校のオープンスクール一緒に行こうよ!」
とか、仲が深まっていった感じがした。自分からしてはこうやって友達と何かするのが嬉しくて、常に一緒にいるようにした。
3人でいるとすごく楽しくて、自分を含めた3人のうちの1人である晴花は笑い方にクセがあって自分もつられて笑ってしまうくらいとても楽しかった。そしてテストの点数が同じだったり、間違えた場所も同じだったりしたのが面白かった
3人のうちのもう1人の凛ちゃん。朝早く来て暇になってしまうから、靴箱の前で英語の先生と凛ちゃんを待つのが日課だ。凛ちゃんは歩きで来る時もあれば、車で来る時もある。3人の中で1番話してるのは凛ちゃんだと思う
「凛ちゃんおはよう!」
「おはよう」
「今日体育あるね〜、ちょっとめんどくさい……」
「そうだね〜、疲れるの嫌だもんね〜」
なんて世間話もするし、嫌いな人も同じだから席に集まって愚痴大会とか。そんなヒヤヒヤ感も楽しかった
席替えだってもちろん3人が近くになれるような席にするように先生に伝えたりしたし、もっとこれから仲良くなっていくんだと思った
でもそれは違った。高校入学後、3日後にその2人と話さなくなった。いや、話せなくなった
凛ちゃんや晴花にも新しい友達ができて話しかけずらい雰囲気だった。でも、明らかにおかしいなって思った
『私だけ無視されてる気がする』
楽しそうに新しい友達と話す凛ちゃんを見ていると、別のクラスだった晴花が凛ちゃんに話しかけた。その時はあぁ凛ちゃんと晴花ってまだ仲良いんだなぁ、うちも晴花と話そうかなって思っていた
でも、通りすがる凛ちゃんに話しかけても、同じように通りすがる私にはなんの反応もせず話しかけない
私はそれだけでも辛かった。仲の良い友達が私を無視するのだ。しかも、その2人はとても幸せそうに見えた
(私はこんなに辛いのになんで幸せそうにしてるの……?)
(私は所詮そのくらいの存在だったってこと??)
心のモヤモヤは大きくなるばかりで、その2人に苛立ちを感じた
(たくさん我慢してきたのに。好きなことすら話せないで2人の話を聞いていたのに、たくさん笑わせてあげようとしたのに、どうして?どうして2人は私を裏切るの??)
2人が幸せなら私はそれでいいなんて思えるような綺麗な心の持ち主じゃない。嫉妬の海に溺れた汚い心を持った人間なんだ
そのまま何もできず過ごしていった
私も新しい友達は少なからず出来た。その子は凛ちゃんとも仲が良いらしく、凛ちゃんの方へ話に行く時もあるのだ。でもほとんどは私と話をしてくれる優しい子
でも、とある日、凛ちゃんにその子が呼ばれて私はどうしていいのかわからずその子の近くで待っていた。でもインスタのストーリーを撮り始めて、画面に映らないように避けたけど時間がかかりそうだと思って帰った
帰宅途中、久しぶりに凛ちゃんと晴花と私だけのグループラインの会話が見たくなって3人のグループラインを探した
「え……」
すると、そのグループラインには私だけしか残っていなかった
退会した表示には
『17:24 晴花がグループを退会しました』
『17:25 凛がグループを退会しました』
と表示されていた
まさか……と思った。だって晴花が退会して1分後に凛ちゃんも退会しているのだ。多分
『凛ちゃん3人のグループ抜けよ』
『うん』
なんて会話が個人ラインで交わされていたに違いない。だってそうじゃなければ1分後に退会なんてありえない
その日は泣きながら帰った
裏切られたなんて思っていても、心の隅にでは「もしかしたらまた3人で遊べる時が来るかもしれないもんね……」なんて少しだけ期待していた
でももうそんなのは終わり。私はその2人との関係ををありとあらゆる手段で断ち切ろうとした。ラインとインスタをブロックしたり、もう関わらないと心から強く決心した
そして、その2人から裏切られたショックで自殺を考えるようになった。結局未遂で終わるんだろうけどせめてこの心のもやもやを晴らしたかった
凛ちゃんと晴花が幸せになったから、私は不幸になったんだ。こんなに辛くなったのは全部凛ちゃんと晴花のせいだ
もう絶対許さない