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滉斗『ここ、俺ん家』
あの後、若井が泊まっていかない?って
誘ってくれて、準備もせずにきてしまった。
そう言って若井が差し出してきた玄関の鍵は、
意外とシンプルで少し傷ついてて、彼らしくて。
鍵がカチャ、と回る音と一緒に、
今日一日分のドキドキが胸の中で跳ねた。
元貴『お邪魔します…』
靴を脱ぎながらそう呟いた声は、
ほんの少し震えてたかもしれない。
今日、僕は初めて若井の家にお泊まりに来た。
それだけで、
頭の中は“どうしよう”でいっぱいだ。
さっきまでは、一緒に勉強しよって、
笑ってたのに、今となっては、
教科書の文字すら浮かんでこない。
滉斗『ほら、あがって、遠慮すんなって』
元貴『う…うん……』
リビングに案内されて、
若井の部屋着姿と目が合った瞬間、
なぜか、息が止まった。
ちょっとだけ胸元が開いてて、
手首の血管とかも目立ってて、
なんていうか、“彼氏感”がすごすぎる。
滉斗『元貴って、家来たときも礼儀正しいね、
マジで可愛すぎる』
元貴『可愛くない……っ、』
滉斗『いや、可愛いよ
今の“可愛くない”の言い方が可愛い』
元貴『…ゃ、やだ……』
でも、顔が熱いのは止められなくて。
鞄を抱きしめながら座った
ソファのクッションが、
妙にふかふかしてるのにもびっくりした。
変なとこで緊張してる、僕……
滉斗『んね、元貴』
元貴『…何、?』
滉斗『緊張してんの?』
元貴『っ……してない、
って言ったら、嘘になるけど……』
滉斗『可愛いな』
元貴『…若井、
ほんとそういうとこ、ずるい……』
頬がまた熱くなる。
目を逸らすと、滉斗はにこっと
笑って僕の頭をくしゃっと撫でた。
その手が温かくて、
ふわっと心が解けそうになった。
滉斗『元貴、お風呂先、入ってきなよ』
元貴『えっ、先いいの……?』
滉斗『うん、いいよ、先入りな
タオル、そこ置いとくから』
タオルと一緒に、
シャンプーのボトルも整えてくれてて、
その気遣いにまたドキドキした。
…お風呂……1人だし、落ち着こう……
脱衣所で制服を畳みながら、
鏡に映った自分の顔を見る。
やっぱり赤い。
若井の家、思ったより…
…広くて落ち着くけど、でも……!
シャワーの音が響く中、体を洗いながら、
心は落ち着くどころか、ますます
若井のことでいっぱいになっていた。
…緊張してるの、
バレバレだったよなぁ……
そう言って僕は小さくため息をつく。
シャンプーの香りがいつもと違って、
今ほんとに、若井の家にいるんだな
って実感する。
洗い終わって湯船にそっと浸かると、
肩までぽかぽかと温まって、
少しだけ、呼吸が楽になった。
…でも、こんなに落ち着くのは、きっと、
この場所が“若井の隣”に近いからだ、
あぁ、もう駄目だ。
心臓がこのままじゃ持たない。
好き、
好き…
好きすぎる…
僕は、湯気の中で1人、
誰にも聞かれないようにそっと呟いた。
元貴『……若井のこと、ほんとに…
…ずるいくらい、好き……』
滉斗『ほんと?めっちゃ嬉しい』
僕が慌ててドアの方を向くと、裸だけど、
下半身をタオルで包んだ若井がいた。
元貴『なんで…っ、てか、
入ってくんな……!変態…!!』
僕がそう言って両肩を抱えて隠すと、若井は
口を開けて僕の体を見たまま硬直してしまった。
元貴『……なんか言ってよ、、馬鹿…』
恥ずかしくて、もどかしくて、涙が目に溜まる。
裸を見られたのも恥ずかしいし、何より、
さっきの独り言を聞かれてたのも恥ずかしい。
滉斗『綺麗、』
元貴『……ぅえ、?』
滉斗『もっと見せて』
僕が何か言い返す前に、
若井が浴槽の中に入ってきて、
僕の両肩を抱えている手首を掴んで、
簡単にまとめた。
僕の上に若井が乗ってるから、
逃げも隠れもできないし、抵抗だってできない。
元貴『ゃ…ゃだ……、
ぅぇ、っ、ひっく……』
熱くて赤く染まった顔、目から流れる涙、
普段見えない所、全部見られて、
恥ずかしくて、最悪で…
思わず涙がこぼれる。
滉斗『可愛い……元貴、』
元貴『馬鹿ぁ…、ぅぐ、っ……ぐすっ…』
そう言ってぎゅっと優しく抱きしめてくれる
若井。若井の体温があったかくて、安心する。
若井の胸に顔を埋めていると、
硬い何かが僕のに当たった。
元貴『ぐすっ…んっ……、?ちょ、
ちょっと…!もう勃ってんの…?!』
滉斗『うん、元貴が可愛すぎて…
元貴の裸見た瞬間勃った』
元貴『っ…さいてぇ……っ!ゃ、んや…!
さ、わんない…でっ、んぅ、』
若井が僕のをゆるゆると抜いていく。
あったかいお湯の中で、僕の我慢汁が
どぷどぷと溢れ出てくる。
普段しない所でしてるから、
びくんっと体が跳ねてしまう。
滉斗『もうこんなに勃ってるのに、
触られんの嫌なの?』
元貴『んっ……や、ぁ…っ!
らめ、そこ…っ、わ…わかぁ…』
僕がぎゅっと目を瞑ったまま感じた後、
恐る恐る目を開けると、
滉斗『…ふ、ぅ……はぁ……』
元貴『〜〜っ!?』
若井が顔を真っ赤に染めて、
眉を顰めて、興奮しているような、
欲に耐えているような顔をしていた。
こないだ、若井が教えてくれた。
月に2、3回発情期があって、抑えきれないこと。
いつも僕の写真を見ながら1人でしてるらしい。
呼んでくれたら、いつでも相手するのに。
元貴『わ…若井……っ、
んっ!?…ん、んんぅ……っ、』
若井の柔らかい唇が当たって、
熱い舌が絡んでくる。
ちゅ、ちゅっとやらしい音が響き渡る。
元貴『…っ、はぁ……』
滉斗『……糸、引いてる…っ、』
若井の興奮しているような眼差しが、
僕の胸をきゅっとさせる。
こっちまで、その気になっちゃう。
滉斗『ここじゃなくて、部屋でしよっか…
寝る準備終わったら……』
元貴『…ぅん、、若井…』
滉斗『ん、?』
僕は水で額に張り付いた若井の髪の毛を
指でそっと退けて、若井に優しくキスをした。
滉斗『…!』
元貴『……好き、若井…大好きだよ、』
僕はそう言って若井の胸に飛び込んだ。
恥ずかしくて、顔が熱くなるのを感じたから…
いや、違う。
もっと近くで、若井を感じたかったからだ。
コメント
12件
突然のおうちデートは心臓に悪いですってぇぇぇぇ!!!!!! もう意味わかんないくらい好きです特にここのお話… 望んだ展開以上のことどんどん来るのでもう無理。私の息を止める気ですか……!?!?!?
もう最高です。 2人が可愛すぎて
私が今まで見てきた作品の中で一番好きですわこれ天才ですか?