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#さのその
#BL
_1x1a
191
#さのじん
ガチめに順位やばいです😣
受験生なのでこれを機に投稿頻度爆下げになるかもです🥲︎
それでは👋
勇side
あの薄暗い倉庫から、俺は仁人を濡れた制服の上着で包み、誰にも見つからないように抱きしめて家に連れ帰った。
タオルで優しく何度も拭いてやったが、冷水をまともに被った仁人の小さな体は、しばらく冷たいままだった。
夕方、部屋が少しずつ暗くなってきた頃。
ベッドの中で丸くなっている仁人を揺り動かそうとして、俺の手が止まる。
当然、まだ夜中の12時を回っていないため、仁人は白い子猫の姿のままだ。
だが、いつもなら俺の気配を察してピョコッと動くはずの耳が、ぐったりと寝そべっている。
そっと体に触れると、小さな体が信じられないほど熱を持っていた。
仁「きゅ、……う……ん」
苦しそうな微かな鳴き声。
俺のパニックを沈めるために、自分から大量の冷水を頭から被ったせいだ。
間違いなく風邪をひいている。
勇「クソッ、お前、無茶しやがって……!」
女の子恐怖症のせいで人情に飢えていたヤンキー佐野勇斗、ここで完全に過保護モード全開である。
俺は生まれて初めて「看病」というものをすることになった。
ネットで『子猫 風邪 看病』と必死に検索し、部屋を暖め、小さな湯たんぽを作ってタオルの下に敷く。
スプーンの先で少しずつ水を飲ませると、仁人は弱々しく、だけど嬉そうに俺の指をペロリと舐めた。
勇「ごめんな、仁人。俺のせいで……」
ギュッと胸が締め付けられる。
自分のために、気味悪がられるかもしれない姿に自らなってまで助けてくれた、この健気な居候。
愛おしくて、申し訳なくて、俺は12時が近づくまで、ずっとその小さな枕元に座って仁人の体を撫で続けた。
チクタク、と時計の針が進み――携帯の画面が【0:00】を告げた。
ポフッ。
静かな音と共に、ベッドの上に一気に「人間の質量」が戻る。
ぶかぶかのパジャマに身を包んだ仁人は、まだ熱のせいで頬を真っ赤に染め、苦しそうに呼吸を荒くしていた。
仁「は……、はや……と……?」
うっすらと開けられた大きな瞳が、不安げに俺を探す。
勇「ここ、にいる。安心しろ」
俺はベッドのフチに腰掛け、冷たい水で冷やしたタオルを、仁人の白いおでこにそっと乗せてやった。
それから、シーツをぎゅっと握りしめている仁人の細い手を、包み込むようにして優しく握る。
夕方、倉庫で仁人が俺にしてくれたように。
仁「勇斗の手……冷たくて、きもちいい……」
少しだけ安心したように、仁人の口元にふにゃりと笑みが浮かんだ。
熱のせいでいつもより潤んだ瞳で見つめられると、ドクンドクンと心臓がうるさくて破裂しそうだ。
だけど、今は逃げ出すわけにいかない。
勇「……仁人」
仁「ん……?」
俺は繋いだ手に少しだけ力を込め、ずっと言いたかった言葉を、真っ直ぐにその瞳にぶつけた。
勇「今日、助けてくれて……本当に、ありがとう。……お前がいてくれて、良かった」
照れ隠しなしの、本物の本音。
それを聞いた瞬間、仁人は一瞬だけ驚いたように丸く目を見開いた。
正式に、みるみるうちに綺麗な瞳から、ポロポロと大粒の涙を溢れさせ始めたのだ。
勇「え!? おい、なんで泣くんだよ!? どっか痛いか!?」
仁「ちが、……違うの……。だって、僕、ずっとお荷物だって言われてきたから……。勇斗に『いてくれて良かった』って言ってもらえたのが、すごく、嬉しくて……ぐすっ」
涙を流しながらも、仁人は今までに見たことがないくらい、幸せそうにパァッと顔を輝かせた。
その無垢で健気な笑顔は、不覚にも、俺の心臓を一撃で打ち抜くのに十分すぎた。
勇「(あー……、だめだ。これ、完全に……)」
自覚してしまった。
この手を、この笑顔を、もう一生誰にも渡したくないと思ってしまっている自分に。
仁「勇斗……? お顔、すごく赤いよ……? 風邪、うつしちゃった……?」
勇「……うつってねぇよ。うるさい、早く寝ろ!」
ぎゅっと手を繋いだまま、俺はこれ以上ないほど真っ赤になった顔を、慌てて背けたのだった。
fin
コメント
1件
あ~読んだ読んだ!第6話「熱」!もうね、勇斗の過保護が炸裂してて最高だったわ(笑)。ネットで『子猫 風邪 看病』って必死に検索してるところとか完全に初心者パパじゃん。でもそこがいい! で、一番グッときたのは「いてくれて良かった」って言葉を真っ直ぐ伝えたシーン。仁人が涙ボロボロこぼしながら「嬉しい」って笑うとことか、こっちまで目頭熱くなったよ…。勇斗が自分の気持ちに自覚するところも含めて、尊さが爆発してた🔥 熱出したのもあって、二人の距離がぐっと縮まった感じがした話だった!