2章。 「僕と君の願いの話。」
【💎】
朝。6時。
いつもなら、アニキが起こしてくれていた時間。
今日は小鳥の鳴き声がやけに騒がしい。
その小鳥の鳴き声で、今日は起きた。
あの事件から、一回ファンミして、それから活動休止になった。
僕だけじゃない。メンバー全員。
インターネットも、そもそもスマホにさえ触っていない。
僕たちの絆を引き裂いたものだから。
僕たちの宝物を傷つけたものだから。
僕たちの幸せを壊したものだから。
僕たちのこれからを、どす黒くしたものだから。
怖いものだと知ってしまったから。
だから。
そもそも僕が、みんなに助けを呼ばなかったからなのか。
活動開始当初から、こんな事があったことを。
でも…。
やっぱ誰も巻き込めないよ。
元とはいえど、大切なメンバーだから。
大切な…メンバー。
大切…?
あれ?大切ってなんだっけ?宝物ってなんだっけ?
絆ってなんだっけ?幸せってなんだっけ?
僕らの、目標って、なんだっけ?
そもそも僕がここにいる理由ってなに?
僕の必要価値は?
もう0%に近い?
じゃあ、僕が僕である必要は、もうない?
そんなこと、考えちゃ駄目だ。
頭を冷やしてこようか。
外に、出てみよう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!