《素敵な異能よ。だって…….一緒に死ねるんだもの。》
『!…..解除方法は。解除方法はあるの?』
《勿論あるわよ。といっても、片方が死ぬことだけど。》
『誰!私と、もう一人、誰にかけたの!』
《あら、気づいているんじゃないの?》
私は歯を食いしばった。
理性がきしむ。
《貴方の愛する殺人探偵さんよ。》
『…そう。』
やはり。やはりそうか。
篠宮は私だけじゃない。
これから邪魔になる綾辻先生も始末する気だ。
それだけは何としてでも止めなくては。
私の命など、如何でもいい。
篠宮が死んで、先生が生きていればそれで良い。
《それじゃ、用件はそれだけよ。検討を祈るわ~。》
そういって、一方的に通話を切った。
「誰からだ。」
『…友人からですよ。』
「嘘だな。」
先生は間髪入れずに言った。
「手を強く握った跡、若干の息切れ、上気した頬。とても友人からとは思えんがな。」
『…分かっているなら最初から言ってください。そうですよ。篠宮からです。』
「そうか。それで、何を言われた。」
『あの事件の事です。ヒントをあげる、と。欲しくば事件を解決しろと。』
私は異能のことは喋らなかった。
言えばどうなるかは分かりきっていた。
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