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⚠注意⚠
このお話はクトゥルフ神話TRPGキルキルイキルのシナリオを元にした作品です
そのためシナリオのネタバレを盛大に含みます。
キルキルイキルをプレイする予定の方、 配信を見る予定の方などは回れ右をお願いします。
また、本作品をTwitter(現X)等のSNSでの拡散は絶対にお止め下さい。
誤字脱字等が見られることがあるかもしれませんがそっと目を瞑ってやってください。
本作品は全てフィクションです、実在する人物や事件とは一切関係ありません。
《登場キャラクター》
嘉山side
〜ダイニングルーム
気がつくと、さっきまで水場にいたはずの俺たちは再びダイニングルームに戻ってきていた。何かが腐ったような異臭を覚える。新築のようにまっさらだった室内は一瞬で数年の時が経ってしまったかのように色あせ、至る所が劣化している。
[……は…?]
「え…さっきまで水場にいたはずじゃ… 」
[なんか…さっきより雰囲気も…]
気づけば俺たちは椅子の後ろにたっていた。
「…..なにが…」
[と、..りあえずなにか変化してないか見て見る..か?]
「う、うんそうしよ」
そう言ってまずはテーブルに視線をやる、テーブルの上には先程まではなかったはずのカレー皿と水の入ったコップ、そしてばら撒かれた錠剤が落ちていた
テーブルの上に置かれてあったただの白紙であったはずの紙にも、なにか文字が増えているようだった。
紙を手に取り、内容を読む、何も書かれていなかったはずの場所に枠のようなものが出現している、見たところ病院で用いられるカルテのようだ、名前の欄に、自分の名前と昨日の日付が記入されている。
「…..翔命…病院行ったの?何かあったの?」
[あ…いや、うん、最近なんかずっと頭痛が酷くて]
ちらっと視界の隅に映る錠剤を見て、そういえばここ数日途方もない頭痛に悩まされていたことを思い出す。
[…昨日の夜も、頭が痛くて…頭痛薬飲んだな]
「そう…だったんだ、なんかあった時はすぐ言ってよ…病院に行くほど痛かったってことなんでしょ?もー」
口をプクりと膨らませ腰に手を当ていかにも「怒っています」と言わんばかりの様子だった。
[…….うん、ごめん]
「いいよ、次から気をつけるんだよー」
[うん]
よし、と言ってまた机に視線を向ける、そこには向かい合うようにして置かれた2枚のカレー皿がある、うち一つはカレーを食べた痕跡が残されているのみで中身は空だが、もう一方にはカレーが盛られたままになっている。しかし卓上に並べられてから随分と経過しているようで、ルーや米の表面は乾き、やや異臭が漂っていた。 同様に、水の入ったコップにも若干の差があり、空のカレー側に置かれているコップは中の水が半分程度になっているが、カレーが入ったままの皿側に置かれているコップは水が波々と入っていた。
[…..カレー]
「…..食べきった、はずだよね?」
[…..うん、食べたよ]
「一体何が….」
部屋を見渡し、改めて異変を感じる、先程よりもいくらか汚れが目立つキッチン、そこに近づくと、ダイニングに戻った瞬間感じた異臭の元はどうやらキッチンからだと気づく。そういえば、ゴミ箱が戻っているな。
〜キッチン
[…..異臭、ここからする]
「そう、みたいだね…」
さすがの自分でも開ける勇気はなく、そのゴミ箱をスルーする
相変わらず蓋のしまった鍋を開けると中のカレーは随分減っているようだ。
「…あれ、冷蔵庫に入れてた僕の野菜スティック…期限切れてる」
冷蔵庫を開けた紘也がそういった、確かに、色が悪くなっている。
[…そんなに時間、たってたっけ]
「…わかんない」
キッチンにはもう何も無いと思い、またダイニングにもどる。
〜ダイニング
特に異変はないだろうと思っていた飾り棚を見るが、やはりまだ金庫はそこにあった、聞き耳を立てると、何か質の悪いスピーカーを通したような人の声が聞こえた、何を言っているかまでは分からないが。
「なんも、変わりない?」
[…金庫から人みたいな声がする、なんて言ってるかは…わかんないけど]
「…人?」
[人。]
「こわ」
[まぁ怖いことしか起きてないしな]
「確かに、ほら見て」
[うわ怖い…]
そう言って写真立てを見せてくる、中に入っていた写真は何故かクシャクシャになっていて、シワを伸ばして無理やり写真立てに入れたような具合だった。それに、写真の端に血のようなものが滲んでいた
[…呪われそうだからおいとけ]
「うん…」
「ねぇねぇ」
[ん?]
「…液晶割れてるんだけど、ストレス溜まってた?」
[俺じゃねぇよ、つけてみるか…]
電源を入れてみると、見るに耐えぬ乱れた映像が映るばかりだった、ザザッ…というノイズの隙間から、かろうじて聞こえてくるニュースの音に耳を澄ますと、行方不明事件についてであった、読み上げられている名前や、事件の詳細についてはノイズが邪魔で聞き取ることはできなかった。
「こわっ、ホラーじゃん」
[w…]
[…さっき見たスクラップ記事って、行方不明事件についてだよな]
「うん、僕たちの名前が書かれてたヤツ」
[名前がどうかはわかんないけど、行方不明事件のニュースだった、そんなに多発してるのか…?]
「…どうだろうね」
ポタ…ポタ………..
突然、何かが滴るような音が聞こえ、蛇口の閉め忘れかと思った時、紘也が小さく声を漏らした。
「いッ…..」
[どうした…?]
[!、手…血出てる、…..手当するから、待ってて]
「あ、ありがと…」
なぜ…怪我を、あんな傷、割れた硝子の山に手を突っ込んだりしない限りできないような傷だ。
急いで救急箱から消毒液、ガーゼ、包帯、絆創膏を取り出して紘也の元に戻る
[手出して]
「…」
傷口を消毒し、ガーゼを当て包帯をまく、残りの細かな傷に絆創膏を貼る。
[貧血とか大丈夫?]
「うん、大丈夫ありがと」
[…なら良かった]
「そうだ、水場、水場見に行こ」
[うん、なんかあったら危ないから俺が先いくからな?]
「ありがと、やっさし〜」
[うるせ]
そうして水場へと足を向ける、すると突然
ガシャーン!
と、何かが割れるような音がした、何事かと焦って中を覗けば、先程までは綺麗だったはずの鏡が粉々に砕けていた
〜水場
[割れてる…気ぃつけて、破片踏まないようにな]
「う、うん」
屈んで、割れたガラスの破片を近くにあったタオルでかき集め、包む。立ち上がり、鏡を見ると、鏡面に自分の姿が映り込む、突然、額にぬるりとした生暖かい感触を覚える、鏡面に映る歪んだ自分の額から真っ赤な血液が滴っていた、指先でそれに触れてみれば、身に覚えの無い傷から血が流れているのに気づく。
[は…なにこれ、]
「えっちょ、今度はかな…め…..」
[いや、俺は大丈夫…ってどうした?]
「あっ、いや、なんでも…..ない…ちょっと頭痛くて」
[それはなんでもなくはないだろ、休んでるか?]
「…やだよ、ひとり怖い」
[…具合悪くなったらすぐ言えよ]
「うん…てか、血出てるけど大丈夫なの?」
[あぁ、痛みは無いから大丈夫、拭けばいい]
「よかった…..」
[あ、洗濯カゴ戻ってる]
「ほんとだ、翔命のやつだけ入ってる…なんかもうよくわかんないや…」
[…考えるだけ無駄ってやつかもな]
「ん、お風呂場も特に異常は無いな、怖いから早く出よっ」
[あぁ、そうだな]
そう言って早足でダイニングに戻る紘也を追いかける。
「玄関は、玄関」
[見に行くか]
「うん、」
〜玄関
玄関に行くと、扉の端々に赤錆のようなものが付着しており、先程に比べるとだいぶ古ぼけた印象を覚えた。
[ドアスコープ…覗いてみるか?]
「…..僕はやめとく」
[わかった]
ドアスコープを覗くと、相変わらず白い壁のようなものが見える、先程よりも不鮮明で、曇ったガラスを覗いているようだった。
[…特に変わりは無い、白いまんま]
「そっか…」
「あと、見てないのは…」
[自分らの部屋だね、どうする?別れる?]
「怖いから一緒に行こ…先翔命の部屋ね」
[わかった]
〜翔命・自室
ガチャ
ドアを開けると部屋の中は薄暗く、先程よりも随分と狭くなったような感じがする、部屋の間取りは変わっていないはずだが。
[あぁ…..]
さっきまで紘也の部屋にあったアルバムや本などが何故かこちらに移動している、そのせいで、室内がもので溢れかえっているのか。
[物返してくれるんなら分けて返して欲しいな…..]
「それはそうかも…てかまだ空き巣の線追ってる感じ?」
[いや他に考えたくないし]
「確かに」
PCデスクを見ると、先程まで紘也の部屋に置かれていたスクラップ、そして俺のスマホと、紘也のスマホが充電器に繋がれた状態で置かれていた。また、綺麗な石の欠片と、病院の診察券が増えていた。
「この石は…..フローライト?」
[…うん、確かリビングに置いてある写真撮った日、山で見つけて拾った石じゃなかったっけ]
[あぁ、確かに、そんなことあったね、なんで忘れてたんだろ…..]
「しまっておこうか」
[うん]
石をしまったのを確認した後、診察券を手に取る、そこには自分の名前が書かれていた、頭痛で病院に行った時のやつか、その日は内科で診察を受けたはずだが、なぜかその後 別の科に診察を回された記憶がある。思えば、 この不可解な空間に始まったことでなく、俺は近頃の生活において、度々記憶が飛んでしまうことがあった。頭痛に合わせ、この症状についても病院で告げた。 別の科に回されたのはどうもそのあとのことだったはずだが、診察の結果がどうだったのかについて思い出すことはできない。すると、再び軽い頭痛に苛まれる。
「どした?ぼーっとして」
[なんでもない、スマホ、なんか通知来てたりしないかな]
そう言ってスマホを開けば、大量の通知が来ていた
“翔命くん、昨日ずいぶんぼーっとしてたけど、体調崩してない?大丈夫?何かあったら、すぐに言ってね”
“昨日なんか頭痛いって言ってたけど大丈夫そ?無理すんなよー”
“先輩!頭痛いって言ってましたけど、今は大丈夫ですか?時間あったら返信ください!”
他にも沢山。
[…ひろは、なんか来てた?]
「あ、うん、来てたよ急に休む時は連絡入れてーとか何とか」
[そっか]
1度スマホを置き、本棚を漁る、そこには先程はなかった1冊のアルバムがあった、俺の家族アルバム。紘也と2人で撮った写真を最後に更新が途絶えていたが、それ以降1年の間をおいて写真が何枚か追加されていた。だが、それも1年足らずで更新が終わってしまったようで、2人で撮った写真以降は俺が1人で写っている写真しか貼られていない。1番最後に貼られているのは俺が小学校を卒業する時の写真であり、写真の下には母親のものと思わしき乱れた文字が残されていた。
「この子は、一体だれなの?」
[……..]
「なんかあった?」
[いや、普通のアルバムって感じ、特に何も]
この写真が更新されていない1年間の記憶が全くないことに気づく。何故?
「衣類棚は…僕のやつがこっちに入ってる…」
[んー????]
「まぁ次僕の部屋見に行こっか〜」
そう言って2人で俺の部屋を出ようとしたその時、締め切られていたはずのカーテンの隙間から赤い日差しが差し込んでくる。切なくなるような夕暮れの日差し。
[…..日差しが…]
「あっ、そういえばまだベランダの窓開くか試してなかったね」
[確かに、やってみるか]
そうしてカーテンを開けると窓の外にはいつもの見慣れな街並みではなくどこか山の上のような景色であった。空は薄暗く、日が落ち始めている。開けた草むらの上に、子供が二人座っている。二人は何か会話をしながら地面に穴を掘って、クッキーの缶を埋めようとしているようであった。耳をすませても、ガラス向こうの音が聞こえる事はない。俺はその二人に見覚えがあったそれは10歳の頃の俺たちだったから。
「なんで…..俺たちが」
缶を埋める直前、幼い紘也がポケッ トからなにやら小さな石を取り出して缶の中に入れる。そうして二人でそれを土の中へと埋めた。 程なく、人の背後から一人の老紳士が歩み寄ってくる。 定年も過ぎた白髪交じりの男だ。男はぎこちない歩みで幼い2人に声をかけ、ポケットから一つの石を取り出す。2人は男と二言三言交わしたのち、男の後を追って山の中へと姿を消してしまった。
「なに…今の、」
[…..見覚えがある、]
どうしてか、今の今まで忘れていた。
「そうなの?」
[…たしか、写真を撮ったあの日、2人で裏山にタイムカプセル埋めに行ったじゃん]
「うん」
[山登ってる時に綺麗な石拾ってさ、俺は持ち帰って紘也はタイムカプセルに入れて…]
「…大人になってそれを掘り出した時揃いのアクセサリーを作ろう、って話したね」
[思い出したか、]
「うん、なんとなく」
「…..でもその時、あの妙なおっちゃんにであったんだよね」
[あぁ、それでそういう綺麗な石が向こうに沢山あったから..案内するって、言われて]
[俺たち幼かったからさ、着いてっちゃったんだよな]
「怖いねぇ…」
「あれ…でもどうやって帰ったんだっけ?」
[どうやって…帰ったんだ…?]
ズキ..ッ..
[..っ…]
「大丈夫、?頭痛い?」
[…大丈夫、ちょっと痛いだけだから]
「痛いんじゃん…少し休む?」
[ううん..そこまでじゃない、]
「うん、そっか…わかった」
[ほら、紘也の部屋見に行こ]
「うん、そだね」
〜紘也の部屋
「え…..」
先に部屋に入った紘也が声を漏らす、開かれた扉から見えたその光景に、紘也は1度扉を閉めようとする。
[待って…閉めないで、]
「わかったよぉ…..」
紘也を中に押し込む、彼の部屋は何故か子供部屋になっていた、紘也が幼い頃使っていた子供部屋とまるきり同じ内装だ、大きくとられた窓からは、朝の柔らかい光が燦々と差し込み、とても心地の良い暖かさを感じる。
「なんで…子供の頃の僕たちが…..」
部屋の真ん中には丸いラグが敷かれており、その上には子供時代の俺と紘也の姿があった。2人はラグの上に座ってなにやら雑談をしているようだ。近づいても俺たちに反応することはないしそれらに触れることもできない、どうやら彼らに俺たちは見えていないらしい。
幼い頃の紘也が話し始める、それに耳を傾ける。
“昨日の晩御飯、家族でレストランに行ったんだ!ハンバーグ、すごく美味しかったな〜”
“うん”
“でね、この前のテストでいい点とったからデザートもつけてもらったの、いいでしょ!”
“うん”
“あ、そうだ、今度一緒に宿題しよ、算数でねわからないところがあって”
“うん”
このような具合だ、会話を聞いていればすぐに幼い頃の俺は相槌を打っているだけだけでほとんど喋っていないことに気がつく、その会話に、得体の知れない恐怖を感じる。
「…小さ頃から、あんま変わってないね」
[そうかもな]
なんて少し言葉を交わした直後、テレビからニュースを読み上げる音が聞こえてくる
「あれ、テレビつけっぱだったっけ?」
[誤作動でも起こしたか?]
先週起きた行方不明事件。
*児童1名の安全は確認されたものの、もう1人の行方は*未だにわかっておりません。警察では引き続き目撃情報を募集しております。行方不明になった児童の新木紘也くん10歳。お心当たりのある方は警察までご連絡を…繰り 返 します。
それは、紘也が行方不明になったことを告げるニュースであった
[..ひろならここにいるんだけどな…w]
「うーん、やっぱ同姓同名かな…」
[世界は狭いな…..]
と、また少し言葉を交わすと、突然室内が激しい縦揺れを起こす。 室内にいる俺たちは思わずその場に倒れてしまった。
「うわっ」
[っ…..地震か?]
壁はミシミシと軋みをあげ、天井からはパラパラと破片が 床へ落ちていく。それはわずか数秒の揺れであった。
「…これは震度7強だね☆」
[あぁ…終わった]
揺れが収まり、身を起こすと室内の様子が一変している。 暖かい印象を受けた室内は今や薄暗く、大きく開かれていた窓にはダンポールとガムテープによって目張りがされている。床や家具などはまるで物取りでも入ったかのように荒れ、散らかり放題だ。
日差しも差し込まず、明かりも付いていない部屋の真ん中には子供が一人、へたりこむようにして床に座っている。
[俺だけだ…..]
「僕どこいっちゃったかなぁ…..」
彼の頭には包帯がぐるぐると巻かれており、額部分はわずかに血が滲んでいた。彼の目の前には無機質な金属の箱が一つ、ポツンと佇んでいる。それは先ほどリビングで目撃したあの金庫によく似ているようだ。
彼は、まるでうわごとのように何かを呟く。時折力なく、楽しげに笑いながら、まるで親しい友人と会話をするかのように、目の前の箱に向かって話しかけている。胡乱な目をしたその子供は、幼い頃の俺だった。痩せこけ、虚ろな表情をした俺が呟く言葉は、先ほどここで幼い2人が交わしていた会話と全く同じ内容だ。ただ、相槌を打つものはいない。耳をすますと、時折、箱の中から何か呻き声のようなものが聞こえることに気がつく。
「翔命..? …」
金庫の前に屈み込み、耳を澄ますと
“開けて…”
[っ…..]
“苦しい…..”
“助けて…..っ、”
“おうちに帰りたいよ…ッ..”
などの苦しげに助けを求める声が聞こえる。
俺の…声…..?
「…..何が聞こえたの?」
[…..いや、]
それはなにか、質の悪いスピーカーを通したような幼い子供の声だ、時折ゴポゴポと、口から泡を吹くような、水が泡立つような音が混じっている。
[…気味の悪い音が少しな、何を言ってるかはわかんなかった]
「そっか…」
[また揺れたりしたら危ないから、出るか]
「そうだね、」
キィ…..
[…えっ]
「開いた…..」
[……..]
[見てみるか…]
中を見てみるかと思い、その金庫に近づくと、まるで弾かれるようにして金属製の蓋が勢いよく開く。
中から一つの影が飛び出す、それは大きな虫のような何かだった。
[..ぁッ….?]
「翔命ッ…!」
その異形の生き物は、俺に向かって飛びかかってくる。
[..は…]
しかし、その生き物は俺の体をすり抜け開いていた扉の外へと飛び立って行った。
[い…今のは…なんだったんだ…..]
「虫…、、?みたいな、なんか、めっちゃキモかった…」
[金庫は…]
扉の揺れる金庫の中から、ゴトンと大きな音を立てて何かが落下する音がする。
「なんこれ…」
それは、円筒状の金属物質であった。床に落ちた円筒体は、コロコロと転がって俺の足元で止まるだろう。そこから、声が聞こえる。それは幼い頃の俺の声だ。質の悪い
スピーカーを通したような泡混じりの声が、円筒体から発せられている。
“苦しい”
“出して”
“助けて”
“誰か”
俺たちはそんな声を聞いているうちに、気を失ってしまった。
[はッ…]
「…ぅ…ん..?」
目が覚めるとそこは相変わらず子供部屋の中であった。だが、そこには幼い頃の俺の姿も、金庫も、あの奇妙な円筒状の物体も存在しない。何もない廃墟のような伽藍堂な部屋があるだけとなっていた。
✂︎————————-あとがそ—————————✂︎
はぁい!お久しぶりです!作者です!!
約1年越しにやっと第2フェーズですよ!!
いやねぇ…..想像以上にハートが来ててびっくりなんですよ、はぁい。
残念ですが最終フェーズはすぐに出す予定です。はい。
まぁ個人的にはこんだけ時間たったからハートつかないんじゃないかな…..って、思ってます、はい、正直。
いやはや…年末が近づいてきててもう鳥肌ですよ、焼き鳥になりそうです。
まぁそんなことは置いといて、クライマックスが近づいて来ましたねぇ、やっぱりキルキルは神作です。
最終フェーズは前回と同様伸びがあんま良くなかったら投稿しません、伸びたら投稿します、多分、はい。
それじゃまた次のお話で、ばいばぁい