テラーノベル
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バハムートさん 「ゾディアーク、話があるんだ」
そう話すバハムートさんは怯えていた。
私 「何ですか?」
そう言うとバハムートさんは私の過去について話してくれた。
私が家族を失い、犯罪を犯した事。
アルテマさん達を傷つけた事。
涙が溢れてくる。
家の中が血生臭くなって父さんも母さんも冷たくなった。
憎悪がこれ以上ないくらい抑えられなかった。
アルテマ達を傷付けて、きっと怖くて、痛くて、辛かったと思う。
私も同じだったのに、人に八つ当たりをしてしまった。
私 「あ…あ…」
バハムート 「ゾディアーク…ごめんな…私のせいで…」
そう。バハムートが壊れてしまったのも思い出した。
カオス 「おいおい、なんか下界が荒れてねぇか!?」
エクスデス 「いくらなんでもおかしいぞ、少し見に行こう」
ゼロムス 「どうなってんだよ…」
アルテマ 「バハムートさん!大丈夫ですか!?」
バハムート 「あはは、壊す、壊す壊す壊す壊す壊す!」
私 「アルテマ!避けろ!」
アルテマ 「きゃあ!」
私 「大丈夫か」
アルテマ 「はい、何とか…」
バハムート 「避けるな、さっさと立て」
アイツは冷酷な人間になっていた。
いつもみたいに笑わない。楽しそうにしない。
薬を飲んでアイツは壊れた。
戦いを続けて数時間が経った。
もう体の感覚が無い。
だが私は薬の効果を消す方法を知っている。
それは飲んだ人間に光を与える事。
自分の記憶か心を与えれば治るらしい。
だが私は優しく無い。
でも、他のやつを犠牲にしないと決めた。
だったら…
私 「はぁ…はぁ…」
薬のせいで意識を奪われる。
もうアイツらの名前を思い出せないのに、ゾディアークだけは覚えている。
私は誰かに愛して欲しかった。ゾディアークに愛して欲しかったんだ。
でも、そんなことは言えない。言ったら嫌われる。
ゾディアーク 「バハムート、」
ゾディアークが私に近づいてきて、優しく抱きしめた。
私 「え…」
ゾディアーク 「苦しかったな、辛かったな、お前は充分強いよ。優しくて強い、
大事な家族だ」
私 「あ…う…」
力が…抜けていく…でも、残りの力が抗い、ゾディアークを殺そうとする。
私 「う…殺す…!絶対に…!」
ゾディアーク 「私の記憶も幸せも、全部あげる…
だから…一緒に…帰ろうね…大好きだよ…」
私 「え?」
そうして私は意識を失った。
目を覚ますと、アルテマは泣いて喜んでいた。
だが私はゾディアークの事が気になり、急いで体を起こした。
私 「ゾディアーク!しっかりしろ!何で…何で私を助けたんだ!」
だがゾディアークは目を覚まさない。そして意識を取りも出した時には記憶を失っていた。
私 「ゾディアーク…ごめんなさい…ごめんなさい…」
謝ることしか出来なかった。
ゾディアーク 「バハムート、私の事を考えてくれてありがとう」
そう言ってゾディアークは優しく笑う。
ゾディアーク 「嫌いにならいないよ。だって、家族だろ?」
私 「…!そうだな」
私 「ゾディアーク、後で話したい事があるんだ」
ゾディアーク 「何でも聞くぞ」
私 「それなら…
コメント
2件
記憶か光がないと助けられないほどの薬。恐ろしいです・・・!バハムートさんの過去はどんな話になるのか🤔