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「景くん…!!」


まだ戦いが始まって序盤だ。なのに景くんが飛ばされてくるなんて予想もしなかった。今すぐにでも駆け寄っていきたいが、リスクが多くて出来ない。もし僕が攻撃を受けて気を失いでもすれば結界は壊れるし、景くんがその僕を放っておくとは思えない。なんなら晴くんの方は隙が見えないし、作れるかどうかも不安だ。傷付けたくないし。取り敢えず晴くんが動かないように拘束した方が__。

小さく震えていた手を広げ、術式を出そうとしたその時、景くんのとある声が耳に入った。


「此奴神だってよ弦月!気を付けろよ?!なんなら逃げろ!」


神、だって?その魔が?もしそれが本当なら僕はどうすれば良い?官吏として管理するべきか?僕が狙われやすい?まるで湯が沸騰したかのように出てくる考えに混乱する中でも、神、逃げろという言葉は一段と目立っていた。


仲間一人欠けただけで此処まで心が揺らぎやすくなるだなんて知らなかった。どうしよう。

そんな考えを遮るように聞こえた音、それは彼らが刀を交えて戦う音だ、詳細に言うと晴くんは術式を通してだけど。今の所景くんがしっかり負傷した様子は無い、参戦するなら早く援護をしないと。でも逃げろと言われた、…はぁ?

ふと目の前に現れた晴くんの姿。とてもVΔLZの一員だと、同期だと、仲間だと言い難いその冷たい瞳。雰囲気が違えど姿はあまり変わりないが、その瞳が只管に恐怖を煽ってきた。此の儘戻らないんじゃないか、なんて最悪の事態を考えてしまうから。早く元に戻って欲しくて、早くこの戦いを終わらせたくて、名前を呼び掛けた時だった。


「は、晴く__ 」


「御前が官吏か。…私の話も聞いておくれよ。」


顔を寄せて並べられる彼のその声は、確かに聞き慣れた声ではあったが、口調が違えば違和感でしかない。それに目の前にするとやはり威圧感に襲われる、神に関わる仕事をしているから景くん程感じている訳じゃないけど。…なんかあれだな、やっぱ普通の神ではないな。感じる力はとても重苦しい、光とは言えない感覚だから。


「弦月!!逃げろってば!」


景くんが僕の前に立ち塞がるように割行ってきて、刀を晴くんへ向けながら僕へ訴えてくる。確かに逃げた方が被害は薄まるかもしれない。僕が気を失わない限り此奴は晴くんの家から出られないから。でも景くんがどうなるかも分からないでしょ?どうするのが正しいと思う?



… 嗚呼 、こんな時にこそ神様が居たなら。




____  サテ  、 貴 方 ハ  何 方 ヲ 選 ブ   ??

コ メ 欄 二 テ 募 集 中 、気 軽 ニ ド ウ ゾ 。




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魔による乗っ取り

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