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???「二人に頼みがあるの」???「はい。この感じすごぉぉく覚えがあります」
???「いつもの奴ですね」
ここは、生徒会室。今回は「紅葉先生」が「雨花」、「橙」に頼み事をしていた。
紅葉「あいつに、彼女がいるのか探って欲しいの」
橙「あいつって……」
雨花「紅蓮先生のことですか?」
紅葉「そうなの」
橙「あの方に彼女って……」
雨花「全然想像すらできませんが……」
紅葉「あいつ最近、オシャレにハマりだしたのよ」
橙「オシャレにハマりだしただけでは彼女が出来たと断定するのは早いんじゃ……」
紅葉「でもあの野郎、雑誌で女受けする香水とかアクセサリーとか調べてやってんのよ?!絶対彼女ができたのよ!!」
雨花「ていうか別に紅蓮先生に彼女が出来ても悪くはないんじゃないですか?」
紅葉「そ、それは……」
橙「確かに……何ででしょう?」
紅葉「だから、それはその……あれよ」
雨花「あれって?」
紅葉「あんなダメ男が付き合って頂いてる彼女さんの目を覚ましてやろうと思って……」
橙「流石に苦しいですよ」
雨花「紅葉先生は……」
「「単純に知らない人にお兄ちゃんを取られるのが嫌なだけでは?」」
雨花はニヤリとほくそ笑む。
紅葉「な、な、な、な、な、な、な、」
紅葉先生は顔が真っ赤になって、茹でダコになっている。
橙「「な」?で何なんです?」
雨花「紅葉先生、顔が紅葉色になってる」
紅葉「な、…………がくっ」
橙「えぇぇぇ!?気絶した?!」
雨花「こりゃ相当なツンデレブラコン先生だったみたいだね」
雨花はじと〜とした目でニヤッ笑いながらみている。
「まぁでも」
雨花「依頼されたなら仕方ない。紅蓮先生の恋愛模様聴いてみよ?…………」
橙「そうですね……紅葉先生!起きて下さい!!」
早速明日、雨花たちは、「紅蓮先生」に質問しに行くことにした。
雨花「めんどくさそうな予感がするなぁ〜」
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翌日の朝
雨花「紅蓮先生〜」
紅蓮「おぉ!雨花さんに橙さん。おはよう」
橙「…………おはようございます」
雨花「おはです。あの単刀直入に言いますけど、最近何か良いことありました?」
紅蓮「良いこと?何でそう想うんだ?」
雨花「だって……」
「「紅蓮先生が髪にワックス付けて整えて、ジャケット着て、いつもと違ってオシャレだな〜って想いまして!」」
橙「いや、本当にその通りですよ!いつものジャージとパーカーはどこに行ったんですか?!」
紅蓮「あぁ、やっぱ分かっちゃう?」
雨花「えぇ、いつもと全然違うので」
紅蓮「でもよ?俺やっぱ元が良いってのもあるんじゃねぇかなって〜だからこういう服も似合うんだよ?へへっ」
橙「(なんかすっごく殴り飛ばしたくなる顔ですね……)」
雨花「それで何があったんです?」
紅蓮「実はな〜」
「「彼女ができるかもしれねぇ〜んだ!!」」
橙「え」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」」
橙「(ま、まさかの紅葉先生の勘が当たった……?)」
紅蓮「そんなに驚かなくても良いんじゃねぇかよ〜」
雨花「ちなみにどんな方なんですか?」
紅蓮「いやな?俺が美術コンクールの会場で職員会議してる時……」
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紅蓮「ふぅ〜やっと終わっ……」
「すみません!今実は遅刻してきた隣席の者なんですけど……少しお話良いですか?」
紅蓮「え?あ、はい」
紅蓮先生の脳内
「(うっわ!!めっちゃ可愛い!!華奢な感じとか大人しい感じとか!!めっちゃ好み!!可愛いすぎるだろ!!!!俺二次元以外で人を好きになったことあんま無いけど、この子はマジで俺の二次元で好きになる推しのポイント全部持ってる!!)」
とまぁ、こんな間抜けなことを想っている紅蓮先生。
「あの、早速聞いても良いですか?」
紅蓮「あ、はい!えっとですね。今回の会議では……」
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紅蓮「……って感じでそのまんま連絡先交換して、少しずつ先生として分からないところとか教えたりして、キリッとした頼もしい人が好みって言うから俺もそうしなきゃなって想ってだな……」
紅蓮先生は、鼻の下を伸ばしてその女性の写真をみせてきた。
雨花「…………あぁ、なるほど。やっぱり。そういうことね」
橙「何が「なるほど」何ですか?」
紅蓮「それでな……!」
雨花「紅蓮先生!お話とっても面白かったです!わたしたち授業の準備とかあるので行きますね」
紅蓮「ん?あ、あぁ!じゃあな!」
紅蓮先生から離れる雨花。
橙「ちょっと待って下さい!」
それを追いかける橙。
雨花「…………」
橙「どうしたんです?雨花さん」
雨花「これは結構泥沼だねぇ……早急に手を打たないと。しかもできるだけ内密に」
橙「どういうことです?」
雨花は橙を連れて人気のない場所に来た。
雨花「…………紅蓮先生の好きな女性のあの人。」
橙「はい……」
「「学校の人気ランキングの掲示板にうちの高校の悪口書いてるの」」
橙「え」
雨花「ほら、みて」
雨花は鞄からパソコンを取り出すと、その掲示板を画面に出した。そこにはおびただしい数の『トウヒガ学園』の悪口が書かれていた。
橙「「G教師はキモオタ」「T高校の入賞美術作品。誰かの模作品」「妖怪とか訳分からないこと言ってるバカ高校」「変人まみれの生徒会」……あることないこと書かれてます……でも、どうして紅蓮先生の好きな方がこの掲示板を書いたって分かったんですか?」
雨花「この掲示板に悪口書いてる人のアカウントを特定したんだよ。たまたま『トウヒガ学園』について調べてたら、この掲示板が出てきて、即、紅蓮先生のこと書いてるって分かった。それで悪口書いてる人のアカウントが記載されてたから、そこからアカウントを特定できた。それで、そのアカウントのプロフィールに「自撮り垢です」って書いてある横にアカウントのユザメが載っててそこの垢の画像が……はいこれ」
雨花がみせたのは、紅蓮先生の好きな女性の自撮りの画像だった。
橙「なるほど!つまり、悪口書いてる方のアカウントのプロフィールに載っていた自撮り垢の写真がこの女性だったということは……!」
雨花「間違いなく紅蓮先生の好きな人と同一人物ってことだね。何か気に入らないことがあったのかもしれないけど、紅蓮先生から色々情報を聞き出しては難癖付けて掲示板に書いてるみたいだね。しかも事実無根の中に少し事実臭いのがあるのがなんともまぁ凝ってるわな」
橙「一体どうすれば……」
雨花「……実はね、これ、まだ兎白くんにも言ってない秘密事項なんだ〜それでさ!紅蓮先生に夢をみせたまま、あの女性を追い払う方法があるんだけど……その方法やる?」
橙「はい!やります!!」
雨花「じゃあ早速だけど、橙ちゃん。しばらく授業サボれる?」
橙「えぇ……何でですか」
『はい!やります!!」
橙「ぼ、ボイスレコーダー?!」
雨花「一度言ったことに責任を持つのが橙ちゃんのルールの一つじゃなかった?」
雨花は、わる〜い顔をして橙に捻り寄る。
橙「あ、あなたなら、直接掲示板に書いた女性の顔を晒すことだってできましたよね……?」
雨花「所詮掲示板の悪口なんて重要視されないよ〜いくらだって逃げ道はあるしね?こういう時はもっと大きな力を借りなきゃ〜……ね?」
橙「…………はぁ。分かりました。やりましょう。それで?何をすれば良いんですか?」
雨花「あはっ!じゃあ早速……」
雨花たちはパソコンに打ち込み出した。
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紅蓮「うぅぅぅ…………」
雨花「どうしましたか?紅蓮先生」
橙「何かありましたか?」
ここは、職員室。周りの先生は紅蓮先生の落ち込みように流石に心配の眼差しを向けていた。
紅蓮「聴いてくれよ〜二人共!あの女性居ただろぉぉ!!急に連絡先ブロックされて音沙汰なくなったんだよぉぉ!!俺なんかしたかな……」
雨花「良かったね。橙ちゃん(ボソッ)」
橙「良かったですね。雨花さん(ボソッ)」
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雨花「まず、橙ちゃんとわたしはこのアカウントに書かれてたこの会社の悪口を全部集めよう!」
橙「この会社って超大手の……この人この会社の悪口も書いてるんですか?!」
雨花「うん!複数あったよ。それを全部集める。そして、それをコピーしてこのプロフィールと自撮り垢と一緒にこの会社に送り付ける。差出人の名前は『トウヒガ学園の生徒』で良いと想うよ?」
橙「勝手に名前なんて借りて大丈夫でしょうか……?」
雨花「別に悪いことしてる訳じゃないんだから……それに少なくとも橙ちゃんには嫌な想いはさせないよ。わたしが言い出しっぺだし」
橙「いえ!私も責任は持ちます!」
雨花「……橙ちゃんは長生きできなさそう」
橙「と、突然なんです?」
雨花「あはは!ごめんごめん!何でもないよ!じゃあやろうか!」
こうして雨花たちは、悪口を全て一週間で集め終わり、自撮りアカウントとついでに掲示板に使われたアカウントと共に某会社に提出した。
その結果、その女性は職を追われ、その会社と『トウヒガ学園』や他の者への悪口は無くなった。また、他のアカウントで同じことを行った場合、法的処置を取ると会社と職場からも伝達されたそう。
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雨花「紅蓮先生」
紅蓮「うぅぅぅ……何だ?」
雨花「紅蓮先生は今が一番素敵ですよ」
橙「えぇ!その通りです!」
紅蓮「あ、ありが……」
紅葉「やっぱり振られたんだ。長続きしないと想ったのよ」
雨花「あぁ……」
橙「せっかく穏便に済むはずだったのに……」
紅蓮「うるせぇ!!この野郎!!お前だって心の中では金ヅルとしか思われてねぇよ!!お前の女装喫茶の推しによぉ?!」
紅葉「誰が金ヅルよ!!怪しい女に騙されてるよりよっぽど健全ね!!こっちの方が!!」
紅蓮「あぁ?騙されてねぇよ!!勝手に決めつけんな!!」
紅葉「でも振られたんでしょ?!」
雨花「なんか……」
橙「何です?」
雨花「喧嘩してるけど……」
「「二人共今の方が楽しそう」」
橙「!、ふふっ、確かにそうかもしれませんね。」
雨花たちは微笑みながら、紅蓮紅葉兄妹は楽しそうに喧嘩しながら、周りの先生はいい加減にして欲しいと願いながら、時間は過ぎていった。
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