テラーノベル
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「どっちがエンドラ早く倒せるか対決〜」
「「おいしょおお!」」
「お、おいしょー」
あ。
どうもみなさん、おはようございますこんにちはこんばんは、トラゾーです。
「今回実況を務めさせてもらうドズルです!」
「同じくぼんしゅうるです!」
「ネコおじです!よろしくお願いします!」
はい。
お分かりの通りドズル社さんといるわけなのですが。
どうしてこんなノリになっていて、俺が実況(?)側にいるかと言いますと…。
「ぜってぇ負けねぇし!」
「僕たちだってやる時はやりますよ!!」
「日常組舐めんなよ!!」
「いやいやこっちにはおんりーいるんで!」
「エンドラ討伐慣れした俺らが負けるわけなくね?」
「てか俺ひとりでもいいけど?」
はい。
上から順に、ぺいんと、しにがみさん、クロノアさん。
おらふくん、MENさん、おんりーさんです。
強者のオーラというのか。
流石、数多のエンドラを屠ってきただけあるドズル社。
特にプr…後輩組のやってやろうオーラ。
そんなこんなで、一般男s…先輩組は実況に回っている。
「(なんの勝負だよ…)」
和気藹々としていた筈なのに。
突拍子もないことを言ったのはぺいんとだ。
アホみたいに、負け戦を挑んでいたのだ。
いつものノリだと放っておいたら話があれよあれよで進んで決まっていた。
「(てか、勝った方の言うことなんでも聞く景品が何で俺なん?)」
勝ったチームは俺を自由にできる権利があるらしい。
俺は一言もいいと言ってないし許可した覚えもないのに。
俺の人権ないの?
拒否権の行使できないわけ?
ここに味方はおらんのか?
「さて、今回トラゾーさんをかけての勝負ですが代表してリーダーのクロノアさん意気込みをどうぞ」
流石、ネコおじさん。
ナレーション慣れしてらっしゃる。
「負けません!トラゾーは渡しません!頑張ります!」
語彙力…!
バグってるクロノアさんなんて珍しい。
「では、我らがおんりーちゃんどうぞ!」
ぼんさんに話を振られたおんりーさんは眼鏡を上げなおす。
「こっちが勝つに決まってるんで」
おぉ、かっこいい。
「それではトラゾーさんから死地へ向かう皆さんに一言!」
ドズルさんに急に話を振られて、他人事のように見ていた俺は我に返った。
「え、…えっと、頑張って…⁇」
「「真面目に応援しろー!!」」
七味兄弟が睨んできた。
「いや、だって…」
「トラゾーは俺たちに勝って欲しくないの?」
クロノアさんが困り顔で俺を見てくる。
いやだから、困ってんの俺なんだが?
「勝つとか負けるとかそうじゃなくて…」
「トラゾーさんを1日ドズル社の一員にする為に僕も頑張るよ〜。負ける気しないし!」
ふんっ!と腕まくりしてるおらふくん。
癒しっていうのはこういうのを言うんだな。
「建築一緒にしてみたい。てか、当然俺らの勝ちっしょ?」
それは興味がある。
MENさんの建築ヤバいもんな。
「勝ってトラゾーさんを貰います」
流石はRTAに挑戦し続けるだけある。
おんりーさんはすげぇな。
「おい!そっちにばっかときめくのやめろし!」
「いや、だってもう言うことから強者感溢れてっから」
「ぎゃふんって言わせてやります!」
「しにがみさん、それ死語…」
「トラゾーは俺たちの味方じゃないの?」
クロノアさんの捨て猫ムーブは何…。
「だって俺、今は景品扱いされてるから敵も味方も…」
充分すごい人たちなんだけど、エンドラとなると途端に小物感出るのなんなんだろ。
慣れてないせいかな。
「さてさて!どちらもエンジンかかってきたようなんで始めていきますよー!」
「それでは!」
「スターーート!!」
先輩組は子供たちを見るかのような眼差しでみんなを見ている。
俺はどんな立場で見ればいいか全く分からずもう一度頑張れーと声をかけた。
手を振り返してくれたのは余裕のある後輩組たちだったよ。
──────────────────
「どうしてこんなことに…」
「まぁまぁ、楽しいほうがいいじゃないですか」
「それはそうですけど…」
外野の俺らは2組を見ながら談笑もどきをしていた。
「日常組のみんなはトラゾーさんのことが好きみたいだね」
ぼんさんが俺にそう言ってくる。
改めて周りからそう言われると照れる。
それを誤魔化すためにもほっぺを掻いて笑い返した。
「俺もみんなのこと好きですよ…もちろん、ドズル社さんの皆さんも」
「ゔっ」
「ぼんさんにクリティカルヒット!!」
ネコおじさんが倒れそうになったぼんさんを支えながら叫んだ。
「おっまえ!また人のこと誑かしてんじゃねぇぞ!!このあばずれ!!」
「誑かしっ⁈あばずれ⁈お前それ悪口だろうが!!誰にでも言ってるみたいな言い方すんなバカ!!!穴に落っこちちまえ!!」
謂れのないことを叫ばれて、腹が立って言い返す。
「ホントのことじゃんか!、って、ぉわ゛ぁっ⁈」
そしたらホントにぺいんとは穴に落っこちた。
浅い穴だったけど。
「おぉ、これがトラゾーさんの言霊ってやつかー」
拍手するドズルさんに困惑する。
「ドズルさんも感心しないでくださいよ…」
とんでもないこと言われて色々な意味で赤くしてる顔を手で冷やしていた。
好きだと言って何が悪いんだ。
みんな仲良い人なんだから言ってもいいじゃんか。
「おっと!ここで早くもドズル社チームネザーへ!!」
「はっや!!」
「おんりーちゃんがいるからねぇ。負けるわけないって」
サングラス越しに笑うぼんさんと、横で柔和な笑みを浮かべるネコおじさん。
「後輩組いつも以上に張り切ってるし…社長として悲しいよ…」
「ぅえ…ぇ、えっと、えっと!ドズルさんはかっこよくてすごいです!懐も広いしみんなをちゃんとまとめれているところ尊敬します!!」
「うぅ…そうやって褒めてくれるのはトラゾーさんだけだよ…」
一体どんな扱いされてるんだこの社長は。
いや、割と不憫な扱い受けてたな。
「後輩組は俺らのこと、バカにしてるからな…」
「そりゃ一般男性とプロを比べちゃダメでしょ…」
先輩組がネガティブに。
確かにちょっと小馬鹿にされてるというか、ちょっとー!みたいな扱い受けてる感じもするけど。
「皆さんのこと信頼してるからこそじゃないですか?包み隠さず言い合える仲ってすごいことですよ」
「「「!!」」」
「おんりーさんもMENさんもおらふくんも、ドズルさんのこともぼんさんのこともネコおじさんのこと大好きだからそう言ってるって俺は思いますよ」
日常組も仲がいいと言われるけど、ドズル社だってホントに仲のいい人たちだって思う。
それぞれが足りないものを補い合うように、助け合ってるみたいで。
「「「いい子すぎる!!」」」
「へっ⁇」
頭をぐしゃぐしゃに撫でられて、被っていた袋はシワだらけになって外れてしまった。
ぽかんとしていると、それぞれが後輩組の方を見て名前を呼び出した。
「おんりー!」
「おらふくん!」
「MEN!」
「「「絶対に勝て!!!」」」
「ドズルさん」
「ぼんさん」
「ネコおじさん」
「「「誰に言ってんすか。勝つに決まってるでしょ」」」
親指立てて先輩組に自信満々に返事した3人。
純粋に応援したくなる表情につられてしまった。
「おんりーさんもおらふくんもMENさんも頑張ってくださいね…!」
にっと笑い返した3人。
しにがみさんにはない年下感に、心くすぐられきゅんとする。
「「「天然タラシ!!」」」
ヤジを飛ばしてきたのは日常組のほう。
「あんたらに言われたくない!俺のこととられたくないなら頑張れし!!」
いや自分で言って恥ずかしいな。
少女漫画でよくある『私の為に争わないで!』みたいで。
たかがこんな俺のことで頑張るわけないだろうし。
「当たり前だろ!トラゾーは日常組なんだから誰にも渡すかよ!」
「そうだよ。俺たちの以外となんか一緒にいさせるわけないだろ!」
「僕たちが負けるって思ってるんですか?不可能を可能にしてきた僕たちが!」
クロノアさんが大きな声を出すのには驚いた。
「…思ってないよ、みんなが負けるだなんて思ってない」
相手が悪いだけで。
けど、ホントに勝っちゃうんじゃないかって思ってたりもする。
言うと調子に乗ってヘマするから言わんけど。
「余所見する暇があるなら頑張れよ。……勝ってちゃんと迎えに来いよバカ」
「「「当然!!!」」」
いつもの笑う顔にホッとする。
「うーん。試合に勝って勝負に負けた感じだなぁ…」
「流石は14年の絆」
「こりゃ勝てないわ」
ほのぼのとした空気が流れてハッとする。
「いやまだ終わってないですから。締めようとしないでください」
『ナイスツッコミ』
9人揃っておんなじこと言うなし。
まぁ結果は当然、ドズル社後輩チームの圧倒的圧勝。
完膚なきまでという感じだった。
一方日常組ははエンドラのところへ辿り着くどころか、ゲートを作ってわちゃわちゃしてる間に決着がついたのだった。
ともさんの言葉を借りれば何年やってんだって話だ。
まぁ、エンドラ討伐には興味のない俺らだし、仕方のないことだけど。
「あはは…」
「そういうわけで、トラゾーさんは1日ドズル社の社員としてお借りしまーす!」
「「「「「いぇーい!!」」」」」
「「「クソが…!!!」」」
おっとクロノアさんから暴言が。
あとめちゃくちゃ顔が怖い。
「あそこでしにがみがエンダーマンに追いかけられなきゃ…」
「クロノアさんがゲート作るの失敗しなきゃ…」
「ぺいんとがガスト撃ち落とすので遊んでなきゃ…」
「いや自業自得かい」
応援して損した。
まぁそれでこそ日常組だわ。
「ふはっ」
思わず吹き出して笑ってしまった。
袋は外したままでいるから、随分間抜けな顔を見せてるだろうけど。
「ふ、ふふっ、じゃあ、1日限りですけどドズル社の一員として頑張ります」
ドズルさんに頭を下げて、手を出す。
「こちらこそ1日だけどよろしくお願いします!」
和やかな雰囲気が流れていた。
「「ねぇドズルさん」」
そんな中、ドズルさんを見上げるおんりーさんとおらふくん。
握手したまま首を傾げる俺とドズルさん。
「トラゾーさん、半日僕らに貸してくれません?」
「「半日?」」
「半日あったら充分なんで」
「「充分?」」
更に首を傾げる俺とドズルさん。
半日とは?
そんなにかけて手伝うことでもあるのだろうか?
「俺は別に大丈夫ですけど…何かのお手伝い?」
「「ある意味?」」
「⁇」
ハッとしたドズルさんと、その背後のぼんさんネコおじさん、MENさんがやれやれと首を振っていた。
「ぅん?」
そしたら後ろからどつかれた。
「い゛って!」
「お前はバカバカバカ!」
ぺいんとにキレられた。
「簡単に返事しないでくださいよ!」
しにがみさんにも怒られた。
「…今から撤回は?」
クロノアさんはおんりーさんたちに聞いている。
あれよく見たら青筋立ってる。
「「約束は約束なんで」」
あざといというのか、そんな笑顔で今度は俺の両脇に立つ2人に疑問符しか浮かばない。
「何でもしますよ。約束ですし。今の俺はドズル社員の新人の下っ端なんで」
「「こンの大馬鹿!!」」
「トラゾー…」
あれ。
なんか俺やらかした?
「ぺいんと?しにがみさん?クロノアさん?なんで、そんな呆れ…」
「「じゃあ借りてきますねー」」
両側からがっちり腕を掴まれた。
あれ意外と力強くないか、この2人。
「へ⁈」
パッと場面が一瞬で切り替わったかのように場所が変わる。
柔らかい何かに受け止められ、よく見れば最初にみんなで建てた仮拠点に戻っていた。
「あれ?」
そして、その柔らかい何かというのはベッドだった。
「あれ?」
「トラゾーさん、何でもするって言いましたよね?」
関西訛りのおらふくんの聞いたことない声。
「真面目なトラゾーさんは嘘つかないですもんね」
おんりーさんがメガネ越しに俺を見下ろす。
「あれあれ?」
青褪めていく俺。
みんなの表情と言ってる意味を今頃理解した。
「「じゃあ、そういうことなんで」」
「あ、待っ…嘘ぉぉおぉ…っ!!」
叫んだ声が別のものに変わる頃には、きっちり半日経っていた。
もう絶対、二度と勝負事に巻き込まれないようにしようと誓った。
立ちそうなフラグはへし折ってやると。
そして泣きながら戻った俺はものの見事にぺいんとたちからお仕置き(理不尽すぎる…)をくらった。
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