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「ねぇねぇ聞いたー?難病にかかったあの大人気ミーチューバーの子が急に治ったんだって〜」
私の友達のココロは一緒に電車に揺られながらそう私に言った。
「でさ、その難病にかかってたミーチューバーの人以外に難病が治った人が多くいたんだって!!「これはもしかしたら、魔法ノ贈リ物現象が起こったのかも…!!」ってミーチューバーの人が言ってた〜!」
ココロがスラスラと言葉を並べた後、私は「へぇ〜」と頷く。
「魔法ノ贈リ物現象」とは、魔法を使う何者かが、こっそりと生き物を助ける事が続く事から、幸せを送っているみたいだからと、このような名前が付けられた。
人や動物を助ける、それをする「魔法」に私は憧れた。よくやる女児アニメに出てくる魔法少女は、可愛くて、強くて、前向きで。それになりたくて、私はダンボールで魔法少女のコンパクトをつくったり、魔法関連の本を読んだりと、私なんかがなれる訳がない魔法少女になりきったりした。今も夢を見続けてた。
「ココロ、私がおすすめしたアニメ見たー?」
「あの女児アニメね!妹が見てたから一緒に見たけど、あの青髪の子ちょー可愛い!」
「___まもなく龍虎(リュウコ)駅、龍虎駅_」
別れのアナウンスが聞こえる。
「あっ、私これから塾だから!笑夢、じゃあねー!」
「塾頑張って、じゃあね!」
私はまだ電車の席に座ったまま、私と友達のココロと別れを告げた。
電車のドアが閉まり、動きだす。私の短い髪は、小さな風に揺られながらじっと向こう側の空と街を見て、夢を見る。
「おい!!怪物が侵入してきたぞ!!!」
あるサラリーマンのようなおじさんがこっちまで走りながら叫ぶ。
「か、かいぶつ!?」
私はびっくりして思わず口に出してしまった。
さっきまで静かだった電車の仲がざわつき、一人一人が席から立ち、向こう側から走ってくるおじさんを様子見する人や反対側へ逃げる人がいた。
私も席から立ち、1回向こう側から走っているおじさんを見る、そしたらおじさんの後ろには真っ黒く、目玉が何個かついている、気持ちの悪い怪物が追いかけてた。
「食われたくねぇよ!!おいしくねぇし!!!」
必死におじさんは叫ぶ、私の足は震えていて動かない。
「そこの少女!!邪魔だ!!」
「っ!!痛ッ!!!」
誰かに突き飛ばされ、私は崩れ落ちる。呆然と下を見ていたら、何かでっかい影がこっちに向かってくるのがわかる。目の前で明らかに人ではない大きな足が止まった。なんだろうと上を向くと、怪物が私を見下していた。
「えっ……え…やだよ、まだ夢叶ってないもん…やだよ…食べられたくないよ……」
怪物は恐ろしい笑みをして、口をぐわっとあける、もう私はその時諦めていた。これじゃあ、食べられても、食べられてなくても、魔法少女には一歩も近ずけないで終わる。
その時、誰かが勢いよく怪物を大きな音をたてながらキックした。その後に
「誰…!?」と、前を向くと、そこには怪物の顔をヒールで踏み潰し、持っている双銃を美しく回した後、怪物の胸に張り付いている宝石をバンバンと撃つ、魔法少女がいた。
フリフリのミニスカート、さらさらと揺れるホワイトロングヘア、見た事のない派手な銃……
私はとても興奮しすぎていて、固まっていた。
「これでアクマは倒せたね!お疲れ様!」
「ルナも、ドア開けてくれてありがとう。」
「そんなの楽勝だよ!電車をハッキングなんて、前からやってるし♪」
魔法少女がポケットから出したコンパクトから女の子が3Dででてきて、喋る…
「あっ、そこの短髪少女。呆然としてるけど、大丈夫??さっきあのおっさんに突き飛ばされてなかった?」
急に魔法少女のコンパクトが手から離れて、私の目の前に来て、コンパクトから女の子(3D)が私を心配してるけど、状況がおいつけなくてうんともすんとも言えないよー!!
「ねぇルナ、もう行こ、仕事終わったし。」
「OK〜!!」
あっ、私の憧れで、ツチノコぐらい珍しく、いるのかわからない魔法少女が現れたってのに、なんも言えずに別れるとか…
そんなの、嫌だ。
「あのっ!!」
ドアから出ようとした魔法少女は止まり、私の方を向いた。
「こんな弱虫だけど、私もいつか貴方みたいになってみせます!そして、2人ともとてもかっこよかったです!」
私は頭にでてきた言葉を並べた。
「…待ってる。」
「OK〜いつでも待ってるからね♪」
魔法少女とそのバーチャル女子は優しく私にそう言った。
つづく。