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第41話「狩る者と狩られる者」
🚀 シーン1:闇に潜む追跡者
静寂に包まれた夜の都市。廃ビル群の間を、二つの影が駆け抜ける。
ゼインの黒いジャケットがなびき、足元に転がる瓦礫を軽やかに飛び越えた。
その背後では、ナヴィスが青い瞳を光らせ、軽快な足取りで追随する。
「しつけぇな、ヴェール・バインドの連中……!」
ゼインが息を切らしながら舌打ちする。
「まぁな。戦闘狂の中隊長が率いる部隊らしいぜ」
ナヴィスが笑い、背後を振り向くと、赤いスコープの光が暗闇を切り裂いた。
「囲まれたな」
ゼインは即座に状況を把握。四方八方からヴェール・バインドの兵士たちが包囲網を敷いていた。
ナヴィスが肩をすくめる。
「……お前、どうするよ?」
ゼインは鋭い視線を向けると、唇の端を吊り上げた。
「狩られるつもりはねぇ。狩る側になる」
🚀 シーン2:狩る者と狩られる者
敵兵たちは、黒い戦闘スーツに身を包み、バイザーには戦術情報が映し出されている。
その中の一人が、無機質な声で命令を下す。
「ターゲットは二名、囲い込め。逃がすな」
瞬間、銃口がゼインたちに向けられた。
「おいおい、こっちは丸腰だってのに……」
ナヴィスが苦笑した瞬間、ゼインが手を前に突き出した。
『EXECUTE (OVERRIDE_WEAPON_SYSTEM)』
ゼインのフラクタルが発動すると、敵の銃が一瞬光を放ち――
「……作動しない!?」
兵士たちは困惑し、トリガーを何度も引くが、まったく反応しない。
「お前らの兵器、今だけ俺の仕様にしてやった」
ゼインはニヤリと笑うと、次の瞬間、敵の前に一瞬で飛び込んだ。
拳に碧素の光を纏わせ、一撃。
敵兵が壁に叩きつけられる。
ナヴィスも動き出す。
「さぁて、俺も一仕事するか」
彼の手のひらが淡く光り、フラクタルが発動する。
『EXECUTE (SHADOW_SHIFT)』
――次の瞬間、ナヴィスの姿が消え、敵兵の背後に再出現した。
「どこ見てんだ?」
鋭い蹴りが兵士のヘルメットを弾き飛ばし、ナヴィスは空中で一回転して着地。
敵兵たちは完全に翻弄されていた。
🚀 シーン3:勝利と新たな脅威
数分後、瓦礫の上に立つゼインが、最後の兵士を見下ろしていた。
「……終わったな」
ナヴィスが肩を回しながら言う。
「楽勝だったな。……いや、お前の《オーバーライド》が便利すぎるだけか」
「ま、そろそろ次が来る前にずらかるか」
ゼインが立ち上がろうとしたその時――
「……おい、なんか来るぞ」
ナヴィスが不安そうな声を上げる。
空から重低音が響き、巨大な影が彼らの頭上を覆った。
――ヴェール・バインドの新兵器が現れる。
ゼインは拳を握り、戦闘態勢に入った。
「まだ、狩りは終わっちゃいねぇな」