○cpはくがかぶです!
○もちろん鈍感華太くんも好きだけどカッコイイ華太さんも好きなんですよ!要は何もしても好きです
○息抜きなので前作よりめちゃ短いです!多分3分〜5分ぐらいです
○それでも良い方はどうぞ
俺の名前は小峠華太。近頃空龍街で起きていたシマ荒らしの原因を突き止め、外道を粛清した帰りの武闘派の極道だ。
「あ、そういえば姐さんに米買って来いって言われてたっけな。スーパー寄るか…」
そう思い商店街でスーパーの方へ足を動かしていると
「ああ!小峠さんじゃないっスか!偶然ですね! 」
「ん?」
前から橙色の髪をした俺より背の高い1人の青年が歩いてきた。見る限り1人か。
「久我くんか、久しぶりだな」
「お久し振りです!見る限りお仕事中っぽそうですけど、シマ荒らしですか?」
「そうだ、まぁ小規模組織のイタズラだったけどな。久我君はどうして空龍街に?」
「えっと……俺も仕事中でシマを荒らした奴を追いかけて来てたんです!さっきまで追いかけてたんですけど逃がしてしまって…」
「そうか、京極組も大変だな」
「でも偶然小峠さんに会えたからいいんですよ!ラッキーです!」
「…そうか」
偶然、空龍街で人探しねぇ…。
____カマかけてみるか。
「そうか。俺さっき佐古くんにお前は今日休日だって聞いたんだが」
「……んえぇ!?いやいや!!アイツ何言って…いや、さっき偶然ターゲットを見つけて追いかけてたんですよ!偶然!ホント、休みにこんな事しなきゃいけないなんて大変ですよ!」
「嘘だよ。そんな話聞いてねぇ」
「んえっ」
「もう一度聞く。お前は今日本当に偶然俺と会ったのか?」
「だ、だからそう言って」
「嘘ついたら一生お前と出掛けに行かないからな」
「ごめんなさい偶然装って天羽組長から小峠さんの居場所を聞いてきましたごめんなさい」
「全く……」
やっぱりか。人を追いかけていたにしては息切れもしてないし、 話してる最中もずっと俺の目を見ないしで色々怪しすぎるんだよ。
「どうしてまたこんな…」
「だって小峠さん最近全然ウチの組へ遊びに来ないんですもん!俺もう寂しくて寂しくて!!」
言われてみれば、最近仕事でコイツに構ってあげられなかったかもしれない。
「じゃあ俺の組に来れば良いじゃねぇか」
「嫌ですよ!そっちの兄貴達個性強くて怖いんですもん!!」
「あぁ……」
言い返せないのが辛い。
いやでもそっちもあんま変わんねぇと思うんだが
「てかいい加減俺とお付き合いして下さいよ!何回小峠さんへアタックしてると思うんですか!毎回断られて流石に傷付きますよ!」
「だから俺は恋人を作るつもりは無いって」
「どうせ自分が先に死んだりしたら俺に迷惑が掛かるとか思ってるんでしょう!?大丈夫ですよ小峠さんは俺が守りますし俺も死にませんから」
「単にお前がタイプじゃないんだよ」
「えぇっ!?そんなぁ!前は俺の事可愛いって言ってくれたじゃないですか! 」
「あれは後輩としてだ、まだ恋人としては見れねぇよ。諦めろ」
「……」
この様な会話が始まったのはもう半年も前だ。最初は俺も照れたり恥ずかしがったりしたが半年となれば流石に慣れた。
承諾しても後から面倒くさくなりそうなのでこんな風に毎回交わしている。
コイツ、見た目は良いし強さも
あるしで男としても極道としても完璧なんだがな。
どうしてこんな弱いアラサーの男に執着するのだろうか。
どこで何を間違えたのか考えていると、さっきまで生き生きしていた久我君が顔を俯かせ喋らなくなった。
やべぇ、流石に言いすぎたか?
「…久我くん?すまん、さっきのは言いすぎ…」
久我君に話しかけようとすると、突然久我くんが俺の両肩を後ろへ押し、強引に商店街の壁に背中を合わせる形になった。
「うおっ…、急に何だよ」
急な出来事に態度を強くして話しかけると、俺の肩を掴んでいた久我君がいっそう強く握りしめ、いつもより少し低めの声で喋りだした。
「…小峠さんって俺が告白した時からずっと俺の事弄んでますけど、力では俺の方が上なの分かってます?……その気になれば体から堕とす事だって、出来るんですよ」
いつもより強気な久我に少し驚いた。どう返事すれば良いか迷うなこれ…
しかし、よく見ると俺の肩を掴んでいる手が少し震えていた。全く、コイツって奴は…
「…はぁ、好きにしろ。
お前が俺に嫌われる覚悟があるんだったらな」
「……」
そう言うと、久我君の手はゆっくり俺の肩から離れた。俯いているので顔はよく見えない。
「冗談ですって。俺の怖い事が小峠さんに嫌われる事だって知ってるくせに、ヒキョーですよ貴方」
「何とでも言え。…まぁ、俺の恋人になりたいなら押し倒すでも何でもしないと無理だろうがな。壁ドンとか乙女すぎるんだよ」
「ええっ!?こ、恋人!?」
「言ったろ、今は”まだ”恋人として見れないって」
「…という事は!?」
「にしても、喋りすぎて喉乾いてきたな。……誰か水買ってきてくれるヤツ、居ないかな」
「すすすすすすぐ買ってきます!少し!少し待ってて下さい!」
そう言い残すと久我は全速力てどこかへ走り去って行った。
いや速すぎだろ、と心の中でツッコミをし、ふと見つけた日陰のある近くのベンチに腰を下ろした。
「はぁ……」
朝から太陽にあたり続けていた為体温が少し高い気がする。ふと遠くを見ると自動販売機で飲み物を購入している久我を見つけた。手の震えが治まらず中々小銭を入れることが出来ない様子を見て少し笑ったのは内緒だ。
それにしても…
「…あん時の久我、少しカッコよかったな… 」
ー2人が付き合うまであと1ヶ月ー
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!