第5話 〈時空魔法〉検証
――まだ使いこなせていない〈時空魔法〉を、ジェイドが使っているように見せる。
自分の役割が明確になり、その内容に改めて不安を感じる理世であったが。
「『そろそろ出よう。残りの話は、移動の間にするよ』」
ジェイドの声が影空間に響くと、彼の視界を映す画面が移動を始めた。
床の魔法陣の周りに色々見えた気がしたが、すぐに石扉で画面がいっぱいになる。
細いが筋張った男性の手が、石扉を押す。
重厚な見た目に反してあっさり押された扉の向こうから、陽の光が差し込んできた。
(あ……)
きれいな青空に、白い雲がゆっくり流れている。
辺りに立つ高い木々が、そんな空を切り取っているかのようだった。
ジェイドの視界が反転すると、今までいた石の建物の外観が目に入る。
(これ……さっき、〈時空魔法〉で見た景色だ)
視界の高さや角度は違うが、間違えようがなかった。
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