テラーノベル
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本編です。
今回の話は夏祭りに行った太敦が、
急に雨降ってきて太宰さんの家に行く話です。
太宰さんの家は構造です。(もしかしたらホントにあるかも)
マフィア時代の隠れ家って事で。
てか、家関連で云うと、
佐々城さん(蒼の使徒事件の)が、
(太宰さんの)御邸宅に泊めて下さって、て云ってましたけど、
マフィアに捕らえられて、
逃げ出した後探偵社のアパートに居ませんでしたっけ()
ファンブックでも云ってましたよね()
まぁ小説では二年前の出来事なのに
現在設定にしたからですかね。
取り敢えずスタート。
「夏祭り?」
「そう、夏祭り」
そう云って太宰さんは夏祭りのチラシを見せてくれた。
「花火……?」
「知ってるかい?」
「えっと……空にバーンと……」
「そうそう」
昔本に載っていた気がする。
カラー写真だったので、とても綺麗だった。
「此夏祭り、一緒に行かないかい?」
「いいんですか?」
「偶にはいいでしょ〜!」
ふふっ、と軽く笑う顔は、
女性なら一発で堕ちるだろう。
「浴衣は前に買ったからあるよね」
「あ、はい」
一寸0の数が多い気がした浴衣だ。
多分気の所為だろう。
多分。
■■■
「やっぱり似合ってるね」
「そう、ですか……?」
白く、百合の花の刺繍が薄く施された美しい浴衣だ。
彼の細く繊細な白銀の髪とよく似合っている。
「太宰さんも、似合ってます」
私の浴衣は、紺色の白い縦線が入っていて、
足元の布部分には赤い彼岸花の刺繍が施されている。
「ありがとう」
処で、と懐から白百合の髪飾りを取り出す。
然して彼の髪にそっと着ける。
「わ……」
「うん、似合ってる」
「わ、悪いですよ……」
「いいよ、全然」
「さぁ、行こう」
彼の白く細い綺麗な手を引く。
きっと、この子の目に映る花火は、
キラキラと輝いているのだろう。
■■■
「あ、りんご飴……」
「食べるかい?」
「でも、お金無いので……」
「しょうがないなぁ〜!此太宰さんが奢ってあげよう!」
「す、すみませんっ…… ……ありがとうございます」
上司にここ迄奢らせるのは気が引けるが、
太宰さんが嬉しそうだったので受け入れる事にした。
奢ってもらったりんご飴は迚美味しかった。
其の時、アナウンスが響いた。
『間もなく、花火大会が始まります』
「早いですね」
「行こうか」
■■■
バンッ、と大きな音で花火が上がる。
合間に彼の顔を見る。
「綺麗、ですね……」
彼のアメトリンの瞳は何時も以上に輝いていた。
「敦くん」
「何ですか?」
彼の腰に手を当て引き寄せる。
彼の指と私の指を重ねる。
吐息が聞こえる程顔を近づけ、
そっと唇を重ねた。
背景には絢爛豪華な打ち上げ花火。
強い光によって逆光になっている。
此処だけを切り抜いたら誰もが圧巻する場面だ。
唇を離し、再び重ねようとすると、
何故か激しい大雨が降ってきた。
タイミングが悪過ぎやしないか。
「ちょ、一旦ウチに行こうか」
「は、はい」
ダメダメだな。
■■■
今、彼はウチのお風呂に入っている。
彼の洋服なんて持って来ていないので、
私の服を着ることになった。
何なんだ此状況。
恋人がウチに来て、其れに自分の服を着ているなんて、
そりゃ恥ずかしい。
「上がりました〜」
鈴の様な軽く透き通った声が聴こえた。
足音がする。此方に向かっている様だ。
「すみません、お借りしちゃって……」
「だ、大丈夫だよ」
「あの、絝大きくて入らなくて……」
「そうだよね……」
正直、ここ迄とは思わなかった。
白い太腿がガッツリ見えている。
(少しだけ私が付けた噛み跡が見えた)
風呂上がりなので頬が高揚していた。
之は反則では?
「太宰さん……?」
「あ、あぁ御免……ぼぅっとしてた」
「……?」
之で無自覚とは。恐ろしいものだ。
■■■
「ん……」
「眠い?」
「いえ……だいじょうぶ、です……」
「絶対眠たいじゃないの」
明らかに眠そうに目元を擦る。
そんなささやかな仕草すら艶しいのは何故だろう。
「明日は仕事があるんだから早く寝なさい」
「はい……」
観念したのか、素直に寝所に倒れ込んだ。
とても18とは思えない色気を含んでいて怖い。
気持ち良さげに眠る彼の頭を軽く撫でる。
可愛らしい。
「さて、私もそろそろ寝ようかな」
床に寝ようと動いたらふと服を引っ張られた気がした。
引っ張っていたのは敦くんだった。
寝言で、いかないで、と云った。
「〜〜ッ!?」
之はヤバい。
然し一緒に寝るとなれば私が暴走しかねない。
さぁどっちを選ぼうか。
■■■
腕の中には可愛い愛し子。
結果的に、私は彼と一緒に寝る事にした。
あんな可愛い事されて一緒に寝ない方が馬鹿だ。
すぅ、と小さな寝息を立てて寝ている。
「___敦」
つい口にしてしまった言葉に顔が熱くなる。
聞こえてないといいけど。
■■■
窓から暖かい斜陽が射し込む。
朝が来た様だ。
「ん、だざい、さん?」
「起きたかい?」
「あれ……僕何で……」
昨日の事を思い出したのかハッと立ち上がった。
「迷惑かけちゃってすみません!!」
「いいよ、恋人なんだから」
正直我慢し過ぎてて眠れなかったが。
「花火は綺麗だった?」
「は、はい!」
「そう、それなら良かったよ」
「あの、太宰さん……」
「なんだい?」
「来年、も、一緒に行きませんか……?」
「! いいよ、行こう」
「之で来年迄死ねなくなりましたね」
「えっ……」
ちょっぴりずる賢くなった愛し子。
こりゃ来年迄自殺は出来なさそうだ。
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