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朝の9時。会社へ行く支度をしていた山田直樹(やまだ なおき)は、玄関のチャイムが鳴るのを聞いた。
「ピンポーン」
ただ、その音が――どう聞いても「ピョンポロリョン♪」と妙に陽気だった。
「また壊れたか…?」そう思いドアを開けると、そこには配達員のウサギが立っていた。
制服は郵便局のものだが、明らかにウサギ。白くて耳が長い。そして腕には、斜め掛けの郵便バッグ。
「山田直樹さん。こちらに『異世界行きの招待状』のお届けです」
「え、異世界?」
「ハンコください。前足ですが押せます」
半ば夢だと思いながら荷物を受け取ると、中には一枚の紙。
『あなたは選ばれました。今日中に、家の冷蔵庫の奥を開けてください。そこから異世界へ行けます』
直樹は無視して会社へ行こうとした。だが冷蔵庫を開けると、奥の牛乳パックの向こうに青空が広がっていた。
「いやいやいやいやいや……!」
そして次の瞬間、背後からウサギ配達員が直樹を押した。
――ドンッ!