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ほのかは、弁当を食べる手を止めて、そっと言った。
「ねぇ、むつるくん。楓ってさ……なんか最近妙に強くない?」
「……どういう意味?」
むつるの表情が一瞬、ぴくりと動く。だがすぐに無表情に戻る
「ううん、昨日の体育のこと。跳び箱9段を余裕で飛んでたでしょ?」
「楓、運動神経いいだけだよ」
「でも、着地で音一つしなかった。重心を極限まで制御してるっていうか―まるで訓練された……」
その時楓がドリンク片手に合流する
笑って席に着いた楓に、ほのかはじっと目を向ける。
「楓。正直に答えて。あなた達、何か隠してるでしょ」
-空気が止まった
放課後・図書室
誰もいない静かな時間。ほのかは図書室の古い書棚に手を伸ばす。
「忍術」、「異能」、「古来の影の者たち」
―古代の資料を漁っていた。
そして、ふと見つけた1冊。
そこに載っていたのは―
「現代に残る隠密集団――任務と日常を両立させる者たち」
そこには似た装束の影が2人。
「一人は光を纏い」「一人は炎をまとった」
震える手でページをめくった瞬間、
「……ここで何してるの?」
振り返ると、むつるが立っていた。
彼の目が一瞬、光を宿していたように見えた。
翌朝︰教室
ほのかは、机に突っ伏したままつぶやく。
「楓、むつるくん。……何があっても信じたいっておもってたんだよ」
ゆっくり顔を上げ、涙涙の滲む目で二人を見る。
「でも……限界だよ。お願い……」
「ホントのこと、言ってよ……っ」
教室の空気が止まった。
周囲のクラスメイトも異様な雰囲気に気づき始める。