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私
達の創造主は、この世界の管理者だった。しかしある時、その管理能力を失い、自ら生み出したはずの世界の住人達に殺されることとなった。その時私達も一緒に殺されたはずだったのだが、運良く生き延びた。生き残った私達は新たな管理者となった。しかし管理者とは言っても、もう管理者としての能力は殆ど残っていないし、そもそも私達が生き残っていることを知っている者などいないだろう。だから私達は新しく管理者になる人が現れるまで、ひっそりと隠れて生きているのだ。
そんなわけないよ。だってぼくらはこんなにも美しいんだもの。
きみが思うほど世の中は悪くないし、それにもうすぐきみのお母さんも帰ってくるはずだよ。だから泣かないでおくれ。ほら、笑ってごらん。いつもみたいにね! きみはぼくのことを好きだと言ってくれるけれど、それはきっと錯覚だよ。恋なんていうものはもっと情熱的で激しくて、それでいて穏やかに心を暖めてくれるようなものだと聞くじゃないか。少なくとも、ぼくにはそういう経験がないんだ。それなのに、どうしてきみみたいな子に好かれていると思うことができる? きみは本当に綺麗だし、素敵な子だと思うよ。でも、だからこそ自信が持てないんだ。だって、もしもぼくがきみに相応しい人間じゃなかったとしたら、そんなこと絶対に耐えられないもの。ねえ、わかるかい? こんなことを言っておいてなんだけど、ぼくは別にきみのことを嫌ってはいないんだよ。むしろ好きなくらいさ。もちろん友達としてだけどね。もしきみが望むなら、これからも仲良くしていきたいと思っているし、できれば結婚とかできたらいいなぁとも考えている。でも、やっぱり駄目なんだ。だって、もしもぼくが相応しくなかったら……そう考えるだけで、怖くて堪らないんだよ。だからお願いだ。ぼくのために無理なんかしないでほしい。いつかきみにふさわしい人が現れるまで待っていてくれないかな。大丈夫、心配はいらないよ。たとえどんな相手が現れても、そのときは全力で祝福するから。ああそうだ、言い忘れていたけど、ぼくの方からも告白させてほしいことがあるんだ。実はぼくにもずっと前から想っていた人が居て―――
***
「……うーん」
彼は悩んでいた。
とても真剣に悩んでいるようだった。
眉間にしわを寄せて 頭をかきむしると ふっと目の前の風景が変わった気がしたんだ。
「あぁ、またか」
最近よく見る光景にうんざりする。
俺はもう17歳だというのに、いまだに夢を見るなんて情けないにもほどがある。しかも毎回同じ夢なのだ。悪夢と言ってもいいくらいに最悪なもの。
俺の名前は東雲秋人。どこにでもいそうな普通の高校生だ。
今俺は、いつも通り学校に登校している途中なのだが……今日は何かおかしいんだ。
(あれ?)
ふと思ったのだが、なぜ通学路に誰もいないのだ? いつもは学生とか社会人で溢れかえるほど歩いているはずなのに……。
そんなことを思いながらしばらく歩き続けると学校が見えてきた。
しかし、なぜか学校はボロボロになっている。一体何があったんだ? 学校の中に入ってみるとそこは瓦礫だらけだった。
まるで戦争でもあったかのような惨状だ。
「えっと、これってもしかしてテロ?」