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「……」

女性「あのー…大丈夫ですか?」

「えっあっ!はい!すいません!」

つい、見とれてしまった。

綺麗な瞳と、ハリのあるパールのような輝きを持った肌が星あかりに照らされていて、      

(この人は神話にでも出てきそうだ)    

と思ったほどに美しかった。

女性「私、この店の店主です。何かご注文はございますか?」

そう言われて、そういえば自分は喉が乾いていたことを思い出した。

「あの。じゃあアイスコーヒーを…」

店主「あっ、その前にメニューを1度見てみてください。」

と言い、店主さんはメニューを渡してくる。

メニューの表紙には美しい星空の写真が貼られており、白い文字で

「喫茶店」

と、ただただ書いてあった

これが店名なのか、それとも、この店は喫茶店だと伝える為なのか。よく分からなかったけど、とりあえずページをめくってみる。

そのメニューは、綺麗だった。

現実に無いような綺麗な色や形をした食べ物ばかり。

「わぁ……! 」

思わず声に出てしまった。それを聞いて、店主さんが

店主「ふふっ…!」

と笑う。

「あ…すいません……」

顔が赤くなるのがわかった。恥ずかしい…

店主「いえ、別に面白くて笑ったわけではないですよ。私、メニューを見た時の誰かの顔、見るの好きなんです。」

「そう…なんですか…」

とは言え、恥ずかしさは消せず、誤魔化すようにメニューに目を落とした。

まずはドリンク

『アイスコーヒー』と商品名は書いてあるのだが、その見た目が大層美しい

青色なんだ。朝早くの空色、と言った方が伝わるだろうか。

薄めの水色に、少し青色のグラデーションが入っている。

他にも、『アイスコーヒー』は沢山あって、夕方みたいな空の色。雨の日の色に、空だけでなく、若葉色、海の色など様々だ。

色は例えに過ぎないけど、でも本当にその色にそっくりだった。

「これ、全部味が違うんですか?」 

そう尋ねると、店主さんは笑顔で

店主「はい!人によって感じ方が違うんですよね!そこが売りなんですけど! 」

と生き生き話す。この店と商品への愛が感じられた。そして相変わらず美しい。

(人によって感じ方が違う…?)

気になったけど、今はそんなことより正直メニューに夢中だった。悩みに悩んだ挙句、最初に見た朝早い空色を頼んだ。

「このアイスコーヒー、お願いします」

店主「分かりました。少々お待ちくださいね♪」

と言い、キッチンの方へ歩いていく。

(作ってるの、見てみたいなぁ…)

そう思い店主さんの背中を見つめていると、

「カウンター、移動していいですよ 」

と言ってくれた。

「ありがとうございます…!」

お言葉に甘えて移動すると、店主さんはドリンクを入れ始める

空模様が描かれた器を持ち、透明な細長いグラスに注ぐ。

その色は、頼んだ色と同じだった。

そしてマドラーを取り出し、クルクルとかき混ぜる。するとたちまち、グラスの中の空色は青色を帯びてきて、グラデーションとなった。

(凄い…)

感動しか出てこないようなアイスコーヒー。なんだか、疲れていた体はもうどこにも居ないような気がした。

そして、店主さんはアイスコーヒーと、小さなミルクが入っているであろう陶器の器を私の前のテーブルに置く

店主「おまたせしました。『アイスコーヒー』でございます」

美しい。もう、それしか言葉が当てはまらない


そんな飲み物だった


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コメント

5

ユーザー

いやまじ語彙力すごすぎる 私もここの喫茶店行きたい誰か作って!!!(

ユーザー

なんか前より上手いような…気のせいか

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