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___________________________日本side
「…ないち!貼り終わったよ!」
「ふふ、ありがとうございます。」
パラオの笑顔のお陰で少し心に余裕が出来たのを自分でも自覚する。
…パラオだけは守らなければ。
そんな意識もより強くなったと思う。
部屋を探索し終えた私達は面会室を後にした。
こんな大きな総合病院に本当に鍵はあるのかと不安になった矢先、また部屋を見つけた。
「えーと…ここは…、」
「レントゲン室だって。」
先程の面会室での事が脳裏によぎるが、
恐怖心を捨て、レントゲン室に足を踏み入れる。
部屋の中央の手術台に似た台と、
その上で静かに其処に在る名前の分からない機械。
やはり部屋には埃や何かの破片があり、探索はしにくい部屋だった。
「…やはり埃っぽいですね…、」
「うん、そうだね、」
何かの破片を踏む度、其れ等が割れる音がレントゲン室全体に響く。
「…」
「…やはり此処にもありませんか…、」
「ないち、これ見て、」
「どうしました?」
そう言ってパラオが指した所に目を遣ると、白い布の様な物が落ちていた。
その布には可愛らしい兎の刺繍がしてあった。
「…これは…、ハンカチ…ですかね?」
「…誰のだろ…?」
以前此処に入院していた患者や、此処で働いていた職員さん達の物かもしれない。
そのハンカチをズボンのポケットに仕舞った。
「…此処にあるのはこのハンカチくらいでしょうか、?」
「うん、多分そうだと思う。」
そんな言葉を交わし、私達はレントゲン室を出た。
___________________________芬side
新生児集中治療室を出て、廊下を歩いていると、中国が足を止めた。
「…芬蘭、違う廊下を探すアル。」
「…え、?なんで、」
「…前をよく見るヨロシ。」
足元に気を取られ、下を向いていた視線を前へと向ける。
すると、廊下の奥に何かが其処に居た。
それは、人の形の形をしていなかった。
…其れは月明かりが差し込む窓の近くに居た。
その何かは人が四足歩行をする時の体制の様に身体を持ち上げていた。
そして其れは肘から先が変な方向に曲がっていたのだ。
今は背を向けているが、いつ此方を振り向くかなんて分かった物ではない。
「…ぇ、?」
恐怖により掠れた声が喉から漏れた。
中国の顔を見ると、冷静に廊下の奥に居る其れをじっと見つめていた。
…そして。
それはゆっくりと此方を振り向いた。
4本の足を使い、此方へと進んでくる其れは恐怖そのものだった。
「…如果你想杀我们,那就消失吧。」
中国が何かの言葉を呟けば、目前に迫っていた其れは目の前で消えた。
「…中国…?」
中国はゆっくりと此方に向き直り、こう言った。
「悪霊も消えた事だし探索開始ネ。」
「…う、うん、」
そう言って俺の前を進む中国の指先から滴る赤い液体を話題にあげるなんて
愚行は小心者の俺には出来なかった。