アルフレッドside
店に入ると、畳と木の匂いが広がっていた。個室に案内された俺達は、ザブトンに腰を下ろし、メニューを開いた。
「やっぱりマッチャが多いね。マッチャパフェとか美味しそうなんだぞ!」
「えー急に食欲が湧いてきました!パンケーキも美味しそうです…」
そんな会話を続け、メニューを一通り見終わった俺達は、結局最初に目をつけたパフェとパンケーキを頼んだ。
「こちら、抹茶生チョコレートパフェとふわふわ抹茶スフレパンケーキです。ごゆっくり」
テーブルに置かれた2つの抹茶スイーツは、周りにキラキラしたエフェクトが見えそうなほど美味しそうだった。すぐ写真を撮ろうと菊はスマホを取り出すが、あまりの美味しそうオーラに耐えきれなかった俺はすぐパフェの上部分をペロリと食べてしまった。
「あ、もう、アルフレッドさん食べるの早すぎです」そう彼は頬を膨らました。
「sorry菊。美味しそうだったからつい」
「まぁ良いです。このまま2人で撮りましょ」
その言葉に俺の意識センサーが作動した。
意識関門その1!距離を詰めてみよう!
あのシャイな菊だから意識してくれるであろうこの作戦。急に距離を詰められて腰に手を当てられたものなら意識しないという選択肢はないはずなんだぞ!
そう考えた俺はすぐさま行動に移した。
が、
カシャッというシャッター音が終わっても菊は「よく撮れました!」と喜ぶだけで頬を赤らめる素振りなど一切みせなかった。悔しさで拗ねた俺の気なんか知らずに、菊は「何そんな不貞腐れてるんですか?」なんて聞いてくるから、本当にたちが悪いんだぞ!
だが、今日は菊とのせっかくのデート。(彼の中だけ)楽しまなきゃ損だからすぐ拗ねモードを終わらせて、菊とデザートを頬張った。
デザートを頬張る菊は口いっぱいにクルミを詰めるリスのように愛らしく、つい写真を撮りたくなってしまう。
もう少しでデザートが無くなりそうになった時、意識関門その2が浮かんだ。
そう、意識関門その2!間接キス作戦!
距離を詰めて照れないならもうこの方法で恋心を匂わすしかない!そう考えた俺はまたまた行動に移す。
「ねぇ菊。俺もパンケーキ食べてみたいんだぞ」
「ん、良いですよ。じゃあ取り皿を…」
「そんなんいちいち面倒くさいんだぞ。菊があーんしたそれで大丈夫だぞ」
これで俺の想像通りなら……
「うぅ、あーんは流石に恥ずかしいです、」
「えー?あーんしないと俺と間接キスできないけど、それでもいいのかい?」
「し、したいです、アルフレッドさんと間接キス……」
「間接キスでいいのかい?」
「もう、ずるい人。」
「…………直接が…いいです…、」
「俺もだぞ……」
と、なるはず!!
だがそう都合よく事が進むわけもなく、
「確かにそうですね。はいアルフレッドさん。あーん」と、菊は変哲もない顔でパンケーキを俺の口に運んだ。そのせいで、俺が頬を赤らめる側になってしまったのは、菊にバレてないといいな…
そのまま俺達はデザートを完食した。勝負は完敗に終わってしまい、俺は悔しい気持ちで店を出たが、菊が「今日は本当にたのしかっです。また遊びましょうね」なんて言うから、悔しい気持ちなんてどっかに行き、「もちろんなんだぞ!」と元気良く返事をした。
本田side
店に入ると、畳と木の匂いが広がっていた。個室に案内された私とアルフレッドさんは、ザブトンに腰を下ろし、メニューを開いた。
そこには国宝と呼んでいいほどの美味しそうな抹茶デザートが記されてあった。抹茶アイスに抹茶ケーキ、抹茶パフェに抹茶パンケーキ。さっきまでの満腹だった私の胃袋は急にさみしくなった。こんな穴場スポットを見つけてくれたアルフレッドさんに感謝しながら、メニューに目を通した。
「やっぱりマッチャが多いね。マッチャパフェとか美味しそうなんだぞ!」
「えー急に食欲が湧いてきました!パンケーキも美味しそうです…」
一通りメニューを見て、結局オススメマークが付いてあるパンケーキを頼んだ。どうせまた来るだろうからなんでもいいが、やはり1番最初はオススメが無難な選択だ。
「こちら、抹茶生チョコレートパフェとふわふわ抹茶スフレパンケーキです。ごゆっくり」
テーブルに置かれた2つの抹茶スイーツは、写真で見たのよりも何倍も美味しそうに私の目に写った。すぐ写真を撮ろうとスマホを取り出すが、耐えきれなかっのか、アルフレッドさんはすぐパフェの上部分をペロリと食べてしまった。
「あ、もう、アルフレッドさん食べるの早すぎです」
「ごめんごめん。美味しそうだったからつい」彼は口にアイスを含みながらそう答えた。
だが、ここでやすやすといい思い出を見逃すわけにはいかない。形に残しておきたい主義だから、どうしてもアルフレッドさんと写真が撮りたく、「まぁ良いです。このまま2人で撮りましょ」とカメラを内カメにした。
アルフレッドさんに少し寄り、カメラに収まる程度に体を近づけた。すると、いつもならそのままデザートを頬張っている彼が、私に寄ってきて腰に手を回し、カメラに向かってピースしてきたのだ。こんなレアなパターンは早々ないと思い、すぐにシャッターを切った。
「よく撮れました!」
これは飾る写真行きですね!なんて喜んでいる私とは逆に、彼は何故か口を尖らせ不服そうな顔をしていた。
「何そんな不貞腐れてるんですか?」なんて聞いても、「別にー」っと答えるだけだった。
さっきまで上機嫌だったのに。とか思っていた矢先、彼はまたさっさのご機嫌モードに戻った。彼の思考が良く分からないまま、フォークを進めた。
もう少しでデザートが無くなりそうになった時、アルフレッドさんから「ねぇ菊。俺もパンケーキも食べてみたいんだぞ」という提案が飛んできた。
お腹も丁度膨れてきた私は何も思わず、その提案を読み「ん、良いですよ。じゃあ取り皿を…」と言いかけたら、
「そんなんいちいち面倒くさいんだぞ。菊があーんしたそれで大丈夫だぞ」と、彼のフレンドリーな一面に口元が緩んだ。
「確かにそうですね。はいアルフレッドさん。あーん」
そう言い、彼の口にパンケーキを運んだ。
すると、彼の顔が妙に赤くなっているのに気がついた。しかもよくよく考えたらあーんって結構恥ずかしいことだし、なんなら間接キスをしたという事実にアルフレッドさんの反応から、こっちまで敏感に反応してしまった。
そのまま私達はデザートを完食した。色々あったが、久しぶりに落ち着いた休日を過ごせた気がする。
「今日は本当にたのしかっです。また遊びましょうね」
「もちろんだぞ!」
普通に振る舞いましたが、ほっぺが赤くなってること、アルフレッドさんにバレてないといいですね…
コメント
9件
ああああああああああああああああああああ 全部読みました!!単刀直入に言います! 好きだアアアアアアアアああ_(´ཀ`」 ∠)_
普通に…続き楽しみです!!!
好きです、ありがとうございます。無事タヒにました。(◜¬◝ )